大阪市立東高等学校

第45回特別研究指定校

研究課題

ICTを活用した主体的な情報発信スキルを身につけさせる国際連携アクティブラーニング
~海外の仲間たちとつながり、共に学んだ成果を世界に発信する~

2019年度04-07月期(最新活動報告)

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二年間の実践研究のキックオフにあたって、アドバイザーの助言も受けながら、......

アドバイザーコメント

影戸誠先生
東高校はこれまでのたゆまない国際交流活動の中で、台湾高雄市教育局との連携を深めている。......

大阪市立東高等学校の研究課題に関する内容

都道府県 学校 大阪府 大阪市立東高等学校
アドバイザー 影戸 誠 日本福祉大学 客員教授
研究テーマ ICTを活用した主体的な情報発信スキルを身につけさせる国際連携アクティブラーニング
~海外の仲間たちとつながり、共に学んだ成果を世界に発信する~
目的 継続的な国際協働学習を通して、アウトカム・デザインとインターネット活用モデルを構築する。
グローバル人材の基礎力と、ICT活用能力を明らかにし、これらの力を育成するための広く活用できるモデルとして具体的な展開事例を示す。
現状と課題
  • 必要な予算と人材の確保
    主に対外提携校との交流コスト
  • フェイストゥフェイスの交流機会の充実
    一過性に終わらせない工夫を検討
  • 研究のための調査機会の設定
    実践研究の視座から機会の充実
学校情報化の現状 2018 学校情報化優良校(継続)
取り組み内容
  • 本助成を利用しての体制強化
    校内的にも継続性を持たせる
  • 国際交流イベントへの派遣
    WYMとASEPを柱として研究を展開
    事前・事後の継続的交流を図る
    先進的事例への派遣・調査
    新たな国際交流連携実践の模索
  • 学会等での発表による情報発信
成果目標  授業実践におけるプレゼンテーションと探求学習の体験を設定し、まとめ、提案までを繰り返し実践し、その継続性を求める
 生徒の研究活動として、海外連携校とWYMおよびASEPでテーマ策定して、研究活動をおこない探求学習による協働と共創の成果を発信させる
 校内研究協議会を随時実施し実践成果の報告・発表を行う。これらを踏まえて郊外の各種研究会等での発信を行い、本研究の知見の共有を図る
助成金の使途 タブレットPC、記念盾、国際研修プログラム等への派遣・参加費、印刷費他
研究代表者 池田 明
研究指定期間 2019年度~2020年度
学校HP http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=h523502
公開研究会の予定 日本教育工学協会全国大会など

本期間(4月~7月)の取り組み内容

  • ・二年間の実践研究のキックオフにあたって、アドバイザーの助言も受けながら、研究計画の詳細を検討しつつ、研究グループ内でのスケジュール感の共有を進めた。
  • ・4月16日(火)、実践研究の開始にあたって、アドバイザーの日本福祉大学影戸誠教授とパナソニック教育財団の関戸様に本校をご訪問いただいた。助成に関するさまざまなご説明をいただき今後の日程などの打ち合わせを行った。あわせて質疑応答にもご対応いただいて実践研究の計画の詳細な検討をすすめた。また、当日は、情報科において、国際交流に取り組む心構えや意義について説明し、今後の実践で取り入れていくための基本となるレクチャーを行う単元の授業を実施した。ご訪問において、この授業にもご参加いただいた。

    *授業で使用したワークシートとスライド抜粋

  • ・5月31日(金)、有明のパナソニックセンター東京で開催された第45回実践研究助成贈呈式に参加。第一部の贈呈式に続いて、第二部ではスタートアップセミナーが実施された。グループディスカッションで他の助成先の先生方との情報交換や交流が行えた。また、さまざまなアドバイスをいただき、今後の実践研究に反映していきたいと考えた。
  • ・6月3日(月)、アドバイザーの日本福祉大学影戸誠教授とパナソニック教育財団の関戸様による第一回目の訪問アドバイスを実施。英語科2年生を対象に講演会を実施した。
  • ・第一回目の訪問アドバイスの機会にあわせて、影戸教授に生徒向けのご講演をいただいた。本年度英語科2年生の全生徒対象で、本年度の集中ゼミナール(プレゼンテーション発表会)のテーマである「私たちが取り組むSDGs」に関連して、国際交流の視座から、企業や学校が様々な形でSDGsに取り組んでいる様子を、写真やビデオなどを用いて分かり易くお話しいただいた。また、カンボジアの学生とのネット会議システムでの交流を実施したり、カンボジア側からのプレゼンテーションをライブで視聴したりする中で、今や世界は様々な形でつながっている実感を生徒たちが経験できた。最後に、効果的なプレゼンテーションの手法についても学習し、生徒にとっても有意義な時間となった。

    *アドバイザー影戸教授の生徒向けレクチャー・カンボジアの学生とのネット交流の様子

アドバイザーの助言と助言への対応

〇アドバイザーよりの助言

  • ・教員がどのように学習機会を設定するがポイントなので、今までの実践経験を活かしつつ、より質の高い国際連携アクティブラーニングが実現できるように、さまざまな仕掛けと工夫を凝らしてほしい。
  • ・ICTとネットワーク活用して積極的に海外と繋いで実践を展開していくべきである。

〇助言への対応

  • ・具体的にアクティブラーニングの実践について、検討を開始した。
  • ・ICTを活用して海外と繋いで展開する授業プランの作成を始めた。授業時間中だけでなく、日常的に生徒がネットを利用して海外とつながりつつ学べる方策について考えていく。

本期間の裏話

  • ・実践のスタートにあたって、具体的な研究内容に関していろいろな角度から検討を行ったが、実際には実践を進めつつ臨機応変に対応していく必要があるようで、検討内容をまとめて共通理解し、結果としてこれらを公表するには至らなかった。
  • ・スケジュールという面で、さまざまなプロジェクトやその他の活動がある中で、特に先生方も生徒たちもスケジュールがバッティングしがちな校内的なスケジュール調整が意外と大変であることを再認識した。

本期間の成果

  • ・本実践研究のスタートアップの期間として、今後の研究にあたってのさまざま検討や調整が行われた。短期的、長期的の両面から今後の展開などを検討した。
  • ・実践に並行しての研究として、実践部分以外の取り組みについても検討がなされた。
  • ・これら成果にもとづく具体的な取組内容については、今後の進捗にともなって随時実施報告をしていく予定である。

今後の課題

  • ・実践については、またスタート段階で、夏休みの国際交流イベントへの生徒参加が、国際連携の実践としては最初の事例となる。この取り組みについて、より効果的な実践となるよう具体的な進め方について急ぎ検討して実践を推進せねばならない。
  • ・長期的展望として実践研究の成果をまとめる工程について十分配慮した研究の遂行が求められる。実践研究においては、どうしても生徒と向き合う実践部分に多くの時間と労力を割くことになるが、ランディングポイントを見据えての進捗管理が課題である。

今後の計画

  • ・8月5日(月)、6日(火)に開催される国際プレゼンテーション大会World Youth Meeting‘2019(WYM2019)に生徒チームを編成して参加予定。海外協力校とともに協働プレゼンテーションを実施する。
  • ・WYM2019に関連して、高雄市立瑞祥高級中學と高雄市立前鎮高級中學とともに協働学習をすすめて、その結果を生徒たちがプレゼンテーションで発信する。
  • ・10月18日(金)~19日(土) に開催される第45回 全日本教育工学研究協議会全国大会において、本実践研究に関連した研究発表を行う予定。

気付き・学び

国際協働学習においては、海外の仲間とリアルタイムで触れ合える場面をいかに効果的に設定できるかという点が重要なポイントであると感じた。文献やネットの検索によってさまざまな知識は手に入るが、学習者が本当の意味での気付きを得るためにはリアルタイムで交流することに意味がある。この部分についても、研究を通して考察を重ねて明らかにしていきたいと考えている。今後詳細に検討を行う。

成果目標

  1. ・二年間の実践研究の研究計画を精査し、研究をスタートさせる。平成29年度~30年度の一般実践研究で得られた知見を、本研究でさらに深めて、国際連携アクティブラーニングで得られる学びや育ちの実践方法の立案・実施とその成果研究の具体的手法について計画し実施に移す。
  2. ・さまざまな調査とその分析により、国際連携によって得られた成果が、その後の参加者のライフプランにどのように活かされているのかを考察する方法について検討する。
アドバイザーコメント
影戸 誠 先生
日本福祉大学
客員教授 影戸 誠 先生

1.研究課題

ICTを活用した主体的な情報発信スキルを身につけさせる国際連携アクティブラーニング~海外の仲間たちとつながり、共に学んだ成果を世界に発信する~

2.6月3日 カンボジアとZOOM

 東高校はこれまでのたゆまない国際交流活動の中で、台湾高雄市教育局との連携を深めている。

 日本側19校と連携し、今年度は台湾、カンボジア、ベトナムはじめ海外35校と交流をベースに幹事校としてWYMを牽引している。

 6月3日では、テレビ会議システムを活用したカンボジア教員研修センターのM君との交流を開催した。M君はこの夏のワールドユースミーティング(WYM)に参加するカンボジア代表の一人である。

 国際的なテーマとなっているSDGsの学習と合わせてカンボジアにとってのSDSsの意味もともに考えた。「途上国にとってのSDGsにどんな意味があるのか」といった基本的な「質問」「探求の視点」からのテレビ会議である。

  • ・国際連携は面と面で、国内での交流も大切
  • ・探求の視点=学習者中心

3.言語レベルとSDGs

 使用言語は英語。カンボジア学生のプレゼンテーションが20分、質疑応答が10分間であった。東高校の実践は Inquiry based Learningの理論をベースとしている。このテレビ会議で、「カンボジアという国における教育の意味」(途上国における教育の意味、人口ピラミッドから見た国の将来)という課題から展開した。

 高校2年生の平均的な英語レベルを考え、1,300-2,000語レベルの単語を使い、わかりやすい英語の活用を学生に依頼した。単語レベルが高く、何を話したかわからないテレビ会議では、英語嫌いを作り出すだけである。高校2年生では「わかった、使いたい」英語との出会いをICTはサポートできる。

「More than 50 percent of the whole population is 24 years old and younger. 」人口の50パーセント以上が24歳以下であること。

 SDG goal4に視点から、「These young people will be active as future workers.」もしトヨタなどの日本企業が、工場誘致と若者のトレーニングを実現すれば豊かな社会の形成につながると話してくれた。

  • ・海外とのテレビ会議では、課題をもって臨めるようテーマを絞る
  • ・英語の活用場面では、単語レベルを下げ、確実な情報交換とする
  • ・ともに8月にイベントに臨むという関係性をいかし、活動への意欲を高める

4.SEE FEEL Internalize(知ること 感じる事 世界への感覚を身に付ける事)

 国際交流、連携は一過性で終わることが多い。「こんにちわ」に始まり、手を振って「さようなら」と数回やって終わってしまう。

 国内の98パーセントが日本人で日本語を使い、英語使う機会がほとんどない日本では仕方ないことかもしれない。しかし、世界の動きは即時に日本に伝達され、経済も平和も世界的な流れに取り込まれている。

 東高校の取り組みは、まず相手を知る(SEE)ことから始まり、テレビ会議やLINEというICTを活用しつつ、相手との対話に心をこめ(Feel)、交流を続けていく。協働的活動(対面での協働プレゼンテーション作成)を通して、世界を意識ししつ(Internalize)、最終的な学習成果・協働英語プレゼンテーションを獲得している。Leaner-Centeredであり、対面、協働作業というダイナミックな時間の共有、実際の活動(Tangible action)に支えられている。

  • ・日本の特性、English as a Foreign Countryの環境
  • ・See Feel Internalizeの展開
  • ・<Society5.0に向けて取り組むべき教育政策の方向性>
    「実際に体験することが重要」

5.最も大切な連携校との時間

 ネットワーク上での準備のあと、台湾の高校2校とチームを作りWYMに向けてプレゼンテーションを制作していく。

 打ち合わせ、考え方の違いを乗り越えるときの言語は何であろうか?

 もちろん 英語である。協議のために英語を活用する学習場面がこれまで、教室での学びの中にはなかなかみられない風景である。

 論議を行い、誤解を乗り越え、「conflict Resolution」を必然的に乗り越え、最終プレゼンテーションへの繋がっていった。当日、これまでの教訓をいかし、連携したプレゼンテーションを、WYMの会場びわこくさつキャンパス(立命館大学)で発表していた。

 https://youtu.be/b1wzynkm1Jk
(台湾連携校との協働プレゼンテーション)

共有すべき プレゼンテーションのポイント

  • ・ゆっくりとした聞きやすいスピード
  • ・短文で一つの文章には一つの意味
  • ・シンプルで分かりやすいスライド、スライドはあくまでプレゼンターの支援を目的