長岡京市立長岡中学校

第43回特別研究指定校

研究課題

タブレットをはじめとするICT機器を活用した「わかる」授業の創造
~深い学びを追及した考えを練り上げるためのグループ活動の仕掛けづくり~

2017年度4-7月期(最新活動報告)

タブレットPCについてはいくつかの実践がされ、交流から「自分の授業でも使ってみよう」という積極的な意見や......

長岡京市立長岡中学校の研究課題に関する内容

都道府県 学校 京都府 長岡京市立長岡中学校
アドバイザー 浅井 和行 京都教育大学副学長
研究テーマ タブレットをはじめとするICT機器を活用した「わかる」授業の創造
~深い学びを追及した考えを練り上げるためのグループ活動の仕掛けづくり~
目的 「わかる」「できる」「協働」「深い学び」「対話的な学び」「ユニバーサルデザイン」をキーワードとした授業改善
現状と課題

(現状)

  • 子ども達はグループ学習で思考が深まることを楽しいと感じている。(授業アンケートより)
  • 理解を深めるために授業でグループ学習に取り組む展開は多くの教科で取り入れられ効果も上がっている。

(課題)

  • タブレットの基本的な使い方について子ども達に指導する機会が得られていない。
  • 教師がタブレットを使って授業をするイメージが作りにくい。
  • タブレットの教員機が一台しかないためタブレットを使った授業の準備を複数の教員が同時にすることができない。また、教師に一人一台貸与されているパソコンとタブレットの互換性が低く、授業準備がスムーズに進まない。
学校情報化の現状 教師のICT活用はある程度進んでいるが、生徒の活用に課題がある。
取り組み内容
  • アドバイザーによる講義
  • ICT機器の活用研修
  • ICTを用いたグループ活動の授業実践
  • 校内授業研修の実施
  • 公開授業の実施
  • 事後研究会の実施
  • 教育委員会および地域小中学校と連携し研究を共有する。
  • 生徒への授業アンケート
  • 研究発表会の実施
成果目標
  • 教員がICTを活用したグループ活動を計画実施できる。
  • 生徒がICTを活用してグループで協働して課題解決することで自己有用感を高める。
  • 生徒がICTを活用したグループ活動を通して、他者の考えやその良さに気付き思考を深めるきっかけにできる。
助成金の使途 タブレットPC、プロジェクター、視察旅費、謝金、事例集作成
研究代表者 森山 結城
研究指定期間 平成29年度~30年度
学校HP http://www.edu.city.nagaokakyo.kyoto.jp/nagaoka-j/
公開研究会の予定
  • 平成30年1月25日 中間発表会
  • 平成31年1月    2年間のまとめ発表会

研究課題と成果目標

研究課題 タブレットをはじめとするICT機器を活用した「わかる」授業の創造
~深い学びを追求した考えを練り上げるためのグループ活動の仕掛けづくり~
成果目標

①本校の生徒につけたい力を教職員全員で明確にし、共通理解する。

②タブレットPCを授業に取り入れてみる。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

[本期間(4~7月)の取り組み内容]

①について
・教職員研修の実施
【5月】

【7月】

参加した授業(学年)複数回答あり
参加した講習会場
参加による学び

②について

  • 国語科での実践
  • 国語科で校内公開授業
  • 総合的な学習の時間でプレゼンテーション撮影
  • 保健体育科での実践
  • 部活動での活用
参加した授業(学年)複数回答あり
参加した講習会場
参加による学び
アドバイザーの助言と助言への対応

《助言》

  • 学校内で生徒につけたい力を共有しそれに対してICTをどう活用するかという視点を持つこと。
  • 市教育委員会との連携

《対応》

  • 教職員アンケートから校内研修会を持ち、生徒観の共有、つけたい力の共通認識をはかった。
  • 市教育委員会にヒアリングを要請し、現状の報告と今後のICT環境についてディスカッションした。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

・嬉しかったこと
校内研修会に全教職員が積極的に参加できた。年齢やキャリアを問わず発言できる雰囲気や、まずはやってみようという前向きな空気感が確認でき有意義な時間となった。
タブレットPCを授業に取り入れることに対し生徒が前向きで、使わない日は「先生、今日はタブレットないの?」という声を聞くことができた。普段は授業に参加することが難しい生徒も、グループでタブレットPCを使って考えることで参加できた。

・苦心談
本校で元々から活用している、ノートPCやデジタル教科書、大型モニターやプレゼンテーションソフトを活用した授業について、今以上の成果を求める活用方法が見つかっていない。
 新しく試験的に導入されているタブレットPCの活用がポイントとなると思われたが、様々な問題が発生した。タブレットPCの台数が少ないため、授業担当者が複数の場合、単元そのものをずらさないと使うことができず調整に苦慮している。
また、使ってみることでタブレットPCそのものの弱点が見えてきて「もっとこうしたい」「もう少しこうだったらもっと使えるのに」が増えてきている。今後市教育委員会とも協議し改善していかなければならない。

成果

 ICT活用で成果が出る部分と、今まで通り黒板・ノート・ホワイトボードがスムーズな部分が見えてきたように思う。タブレットPCについてはいくつかの実践がされ、交流から「自分の授業でも使ってみよう」という積極的な意見や「もう少しこんな点を改善しては・・・」といったアイデアが出され、2学期の実践に向けての方向性についても各教科で話し合う機会が持てた。
 生徒達はタブレットPCを使うことで目新しくもあり、楽しんで使っている。学期末に行っている教科担当教員への授業評価では、「よくわかった」「おもしろく学べた」との記述も見られ、まずは学習への意欲関心を高めることができた。
 また、保健体育の高跳びの授業でフォームを撮影する実践では、「自分のフォームを客観的に見たり、考えたりしてここをこうすればいいのでは、こんな所をもっと伸ばせば、さらに記録が出るのではと探求していくのも一つの楽しさを感じるところかなと思います。」という感想が見られ、効果が実感できた。

今後の課題

  • つけたい力を明確にした授業展開
  • ICTを利用した協働学習の検討
  • タブレットPCの環境整備

今後の計画

10月23日に公開授業、事後研修会を予定

気付き・学び

教職員が、よりICTを活用しようとする意欲を高めるためにICT機器(タブレットを含む)を常備した特別教室の整備が有効ではないか。

アドバイザーコメント
京都教育大学 副学長 大学院連合教職実践研究科長 教授 浅井 和行 先生

 学校教育活動でお忙しい中、4ヶ月間の取り組みご苦労様でした。

 本校の研究の特徴は、先端研究としての成果を目指すだけでなく、どの学校でも取り組めるメディア教育実践のアイデアを紹介しようとするところです。5月の研修会では、タブレットPCを活用した授業が提案され、その後「ICTを活用した授業」についての紹介があり、教職員間で議論が行われました。また、7月の研修会では、5月の研修内容を受けて、子どもたちにどんな力をつけようとするのか、校内の各教科・領域や活動の中でどんなことを実践していくのか、また実践したのかについて議論が行われました。次回の報告からは、行われた研修会の具体的な内容もご紹介いただけるとよりわかりやすいと思います。

 

 本校の取り組みは、「深い学びを追求した考えを練り上げるためのグループ活動の仕掛けづくり」を通して、『タブレットをはじめとするICT機器を活用した「わかる」授業の創造』を目指すものです。しかし、研究の取り組みを始めるにあたって、この4ヶ月間でそのスタート地点に立つための準備を行う必要がありました。タブレットPCについての取り組みの記述が中心になってはいますが、本研究はあくまでも『ICT機器を活用した「わかる」授業の創造』を目指すものであり、そのための「グループ活動の仕掛けづくり」を検討するものです。これからの取り組みの中で、様々なメディアを活用して、グループ活動の仕掛けが行われ、子どもたちのために「わかる」授業が展開されることを期待しています。

 

 タブレットPCそのものの弱点が見えてきたということですので、具体的に議論されたことをご紹介いただければ、私も一緒に考えさせていただけますし、この活動報告を読まれた方からも、学校に対して、これまで全国で行われてきた工夫やアイデア、そして様々なアドバイスをお知らせいただけるのではないかと思います。また、助成金を活用し、タブレットPC自体の購入もご検討いただければと思います。

 

 なお、私自身も大学院の要件で京都府教育委員会学校教育課、乙訓教育局局長、長岡京市教育長にお会いした折、本校の取り組みの経過をご報告しました。皆さんがたいそう期待しておられたことを申し添えます。