文京区立第六中学校

第41回特別研究指定校

研究課題

文京区立第六中学校 研究課題「教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について」

2016年度8-12月期(最新活動報告)

研究推進委員会の新メンバーからも多くの意見や感想があり、検討のスピードや視野が広がったこと。

公開研究会

  • 2月6日(月)授業公開

文京区立第六中学校の研究課題に関する内容

学校名 文京区立第六中学校
研究テーマ 教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について
目的 これまでの取り組みで確認できた有用性を軸に取り組みを発展させ、自他の評価から言語活動へ扱う範囲を広げて推進し、他教科、他校でも展開しやすい事例の定型化の取り組みを行う
現状と課題

○現状

  • ・教師・生徒双方でタブレットPCを用いることにより、グループワークを中心に据えた言語活動活性化ツールとしても活用が進んだ。
  • ・しかし、限られた台数のため1グループの人数が多くなり、制約に繋がるとともに、同時に展開できないため、主として言語を扱う教科での活用検討や実践がしづらい。

○課題

  • ・実践を通じ、課題解決に必要な思考力、判断力、表現力を育成するための教材やICT機器の有効活用について、指導事例の構築と定型化を進める。
取り組み内容

○現状の調査

各教科の言語活動や協働的学習実施調査。

○ICT活用の検討

これまでのICT活用実践事例をまとめ、文書化し、各教科のICT機器活用を検討する。

○授業の実施(一部)

体育…作戦協議、技術…電子手順書作成
音楽…台詞に音楽をつける
理科…実験手順参照や記録、まとめと発表
英語…英語曲を歌いグループで評価

○研究授業〜協議会

校内研修の一環として研究授業実施。各教科における個別実践や検討も行い、次年度以降の計画に反映。

予想される成果
  • 【教師】各教科における言語活動の状況把握と活性化
  • 【生徒】授業への関心、意欲の向上や技能、操作面での上達
  • 【生徒】評価、評定に対する納得が高まる
  • 【教師・生徒】教科間連携の検討
  • 【外部】他校における実践事例の活用と評価・評定への信頼向上
助成金の使途
  • 機器購入
  • 通信(2年)
  • 消耗品
  • 印刷
  • 旅費
  • 謝礼・会合
特別研究指定期間 平成27〜28年
都道府県 東京都
研究代表者 堀米哲
学校HP http://www.bunkyo-tky.ed.jp/dairoku-jh/
アドバイザー 村松浩幸(信州大学 教育学部 技術教育講座 教授)

文京区立第六中学校の取材記事

研究課題と成果目標

研究課題

教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について

成果目標

これまでの取り組みで確認できた有用性を軸に取り組みを発展させ、自他の評価から言語活動へ扱う範囲を広げて推進し、他教科、他校でも展開しやすい事例の定型化の取り組みを行う。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容

本期間(4~7月)の取り組み内容

4月:

着任教員に対する研究概要及び校内ICT環境についての説明
校内研修 第1回 電子黒板及びICT関連機器研修
校内研修 第2回 今年度校内研修と研究概要について
アドバイザーから講義

5月:

授業観察チェックシートの見直し
校内研究授業「プラスワン授業」の検討・実施の開始

6月:

「プラスワン授業」実施 理科、音楽、技術・家庭科技術分野
校内研修 第3回 校務支援システム研修

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プラスワン授業の様子(理科)

7月:

「プラスワン授業」実施 国語、社会、数学、理科、英語、美術、保健体育
校内研修 第4回 夏休みの課題と今後の授業公開について

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プラスワン授業の様子(美術)

アドバイザーの助言と助言への対応

・助言

教科等の本質にかかわるものに注目し、教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化を進めた方がよい。

・対応

年度当初に新しく着任した教員を含め、研究の位置づけやこれまでの流れ、今後の取り組みについて説明と研修会を行った。具体的な取り組みとして、教科の本質に関わる視点を考慮した授業への取り組みを「プラスワン授業」と名付け、校内の全教員を対象に検討、実施、参観、コメントシートによるフィードバックを行った。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

本期間の裏話

  • ・うれしかったこと
    研究推進委員会の新メンバーからも多くの意見や感想があり、検討のスピードや視野が広がったこと。
  • ・苦心談
    運動会、定期考査、各学年の宿泊行事があり、全教員揃っての説明や気軽な意見交換の機会が取りづらかった。また、プラスワン授業の日程についてヒアリングを行って実施したが、参観側の教員も日々の授業を担当しているため、他の教員の授業を参観することが出来ない場合があった。このため、なるべく多くの教員の意見が授業実施者に集まるよう、次のような工夫をおこなった。
    • ①同じ内容で行う授業は、複数のクラスで公開対象にする
    • ②対象の授業が参観出来ない場合、検討シートと略案を参照からコメントを返す

成果

本期間の成果

  • ・全教員での取り組む姿勢
    プラスワン授業を実施したことで、今年度着任の教員含めた全教員が研究に参加する姿勢が高まり、研究推進委員に対する質問や相談が増えた。
  • ・他教科の話し合い活動への関心
    話し合い活動や発表について、それぞれの教科でどのような形をとっているのかを参観したことで、自分の教科で実施可能な話し合い活動について確認できた。また、基本的な形や国語科で扱っている内容についての質問などにも繋がり、関心の高まりを確認できた。
  • ・生徒のICT機器活用
    タブレットPCの活用機会が増えるとともに、適用場面も広がった
    ことで、機器や特定のソフトの操作をどの時点で教えるべきか等も話題となった。

今後の課題

  • ・プラスワン授業の発展
    ICT活用、ワークシート、話し合い活動の工夫を進めるために、教員間のノウハウや意見交換の機会をさらに増やしていくこと。

今後の計画

  • 8月 校内研修 夏導入の教員向けタブレットPCについ
  • 9月 校内研修 授業研究・グループ協議
  • 11月 校内研修 文京区教育指導課による指導・講評
  • 12月 2学期まとめと冬休み中の検討事項の確認
  • 1月 検討事項についての協議と授業における実践
  • 2月 外部向け授業公開と今年度取り組みの成果報告
  • 3月 今年度取り組みのまとめ

気づき・学び

  • ・複数教科で重複する内容の取り扱い
    ICT機器の取り扱いや話し合い活動のルールなど、今回の実践研究を通して重複する内容が各教科で行われている例があることがわかった。どこでも共通する内容もあれば、六中独特の部分もあるので、内容により切り分けて定型化の1つの視点としてまとめていきたい。
アドバイザーコメント
信州大学 教育学部 技術教育講座 教授 村松浩幸 先生

「教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について」を研究課題に据えて研究を進めている第六中の昨年の課題は,1)先行している技術・家庭科での実践を参考にしながら,全教科で同様に展開していくこと,2)全校で取り組める時間を工夫して生み出し,全校体制での実践化につなげていくこと,の2点であった。4-7月は,この2つの課題に対し,大きく研究を前進させることができたといえる。

課題1)については,「教科の本質に関わる視点を考慮した授業への取り組みを『プラスワン授業』と名付け,校内の全教員を対象に検討,実施,参観,コメントシートによるフィードバック」に取り組むことができた点は大いに評価できる。授業での「教科の本質的な思考育てたい力)」を踏まえてワークシート化することで,授業者自身がこれまでの授業設計を再検討する機会となると共に,ワークシートとして具体化されることで,教科を越えて学び合いやすくなる。コメントシートでも,視点を明示することで議論や検討が焦点化されると共に,1枚の簡易なシートにしていることで,先生方の負荷を押さえる配慮もしている。また,時間割の関係等で相互に授業参観を生み出す時間が難しい実状の中で,参観できなかった授業についても,検討資料から授業者へのフィードバックを実施している点も良い。こうした取り組みにより,各先生方の実践がブラッシュアップされ,研究のスピードアップが図られると共に,課題2)の全校体制での取り組みも一気に実現しつつある点は素晴らしい。活動報告書からも,「全教員での取り組む姿勢」「他教科の話し合い活動への関心」の高まりと共に,「生徒のICT機器活用」が進んでいる様子が窺える。

一般的に全校体制での取り組みが難しいと言われる中学校において,これは大きな成果である。昨年度からの経緯を踏まえると,これは校長先生の適切なマネジメントに支えられながら,研究推進委員の先生方が積極的に取り組みだし,それが他の先生方に伝わっていった結果ではないかと考える。手法としても,「プラスワン」として,従来授業に少し改善を試みる気軽な授業改善と参観や資料検討を通しての相互評価が有効に働いている。この授業研究の手法は,他の中学校にも参考になるであろう。

2年間の研究もこの秋が集大成となる。「言語活動の促進」は一定の成果をあげつつあるので,いよいよ「実践事例の定型化」に向けて,実践の蓄積と整理・改善・発展を進めていく段階である。研究推進委員の先生方を中心に,ぜひこの方向で,全校一丸となって成果につなげていただけることを期待したい。

研究課題と成果目標

研究課題

教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について

成果目標

これまでの取り組みで確認できた有用性を軸に取り組みを発展させ、自他の評価から言語活動へ扱う範囲を広げて推進し、他教科、他校でも展開しやすい事例の定型化の取り組みを行う

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容

4月

校内研究推進委員会発足

校内研修計画について職員会議にて周知

5月

研究推進委員会開催 講義依頼先と研修計画

6月

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研究関連機器購入と環境整備

  • ・タブレットPC(キーボード付き Windows、及びiPad)購入
  • ・ソフトウェア導入
  • ・無線LAN環境導入

7月

研究推進委員会開催 今後の取り組みについての確認と講義等日程変更について協議

アドバイザーの助言と助言への対応

研究成果について

評価のしやすさと改善点の明確化をしやすくする等の利点があるため、授業で用いたワークシートに着目する。
研究を進めるにあたり、授業略案とワークシートの収集を基本とし、授業のねらい、評価、評価資料について明確にできるよう取り組みを修正した。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • うれしかったこと
    アドバイザーの先生から他の取り組み事例や資料だけでなく、参考書籍など細かな情報までいただけたこと。
  • 失敗談
    年度前に検討した範囲以外の部分は、走りながら検討と実施を進めることとなったが、行事や日常業務等もあり検討が不足し、全校あげての組織的な動きが弱かった。

成果

  • 校内研究推進委員会の発足
    主幹やベテランを中心とした校内研究推進委員会が発足し、会議には校長も加わり、研究の方向性や具体的な手立てを検討することができた。
  • 校内ICT環境整備
    タブレットPC購入、教育委員会から無線LAN環境の提供を受けた。

今後の課題

  • 研究計画の見直しと推進
    これまで本校で実施されてきたグループワークを取り入れた授業についてのまとめと、「言語活動」についての研修等について、当初計画より遅れが発生している。
    研究方針については研究推進委員会で再度確認がとれているので、計画と実施について見直しを進め、組織的に行動できるように推進していく。

公開研究会の計画

  • ・平成28年1月21日 文京区中学校教育研究会にて研究授業を実施予定
アドバイザーコメント
信州大学 教育学部 技術教育講座 教授 村松浩幸 先生

第六中は,「教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について」をテーマに研究を進めている。言語活動については,現行の学習指導要領に示されて以降,多くの学校が注目しているが,とかく書かせることや話し合い等の活動に注目されがちである。しかし,第六中では,評価に着目し,ワークシートを活用することで,言語活動の教育効果を明示的にしようとしている点が特徴である。アクティブラーニング等,能動的な学習が注目される中で,質の高いワークシートはその教育効果を高め,あるいは確認するためにも重要である。さらに,生徒達の思考や論理の流れの支援や,そのプロセスを可視化する工夫かなされ,ICTの活用も組み込まれた質の高いワークシートが開発・提供されれば,実践の再現性を高め,普及にも寄与し,多くの学校の参考になることが期待できる。

報告書を踏まえ,研究上の課題と研究推進上の課題をあげる。

研究上の課題としては,思考ツールのように言語活動のベースとなるワークシートの検討があげられる。例えば,私の専門である技術では,アイデアを表現する際に,目的(何のために),方法(どんな方法で),効果(どんな結果が期待できるのか)の3点を明示することが基本である。この3点は,実際の特許で技術的アイデアを説明する際の基本でもある。この3点について,生徒らが表現しやすいワークシートを開発したり,ICTで効果的に支援したりできれば,技術分野の様々な学習場面での言語活動の指導において,汎用的に役立つであろう。同様に,各教科の内容に関わり,本質的な思考や表現等を抽出することで,本質的かつ汎用性の高いワークシートを開発でき,それが第六中の目指す実践事例の定型化にもつながると考えられる。

ICTを思考力の育成に活用する研究は財団の研究校でもこれまでも取り組まれており,多くの成果をあげている。思考ツールの活用等,言語活動の実践・研究にも参考になる点が多々あると考えられる。それら先進校の研究成果に学びながら,ぜひ研究を深めていっていただきたい。

研究推進上の課題としては,中学校共通の悩みであるが,教科の壁を越えて全校体制で研究を推進することである。日常的にも部活動や生徒指導等,中学校の先生方は忙しい。その中で研究に取り組むことの大変さは十分理解した上で,ぜひその壁を乗り越えることに取り組んでいただきたい。そのためにも,まず先生方自身が面白いと思えるような言語活動を検討・体験してみることから始められるといいのではないか。各教科で最も面白い思考場面,あるいは他教科の先生がなるほどと思う思考場面はないだろうか。そうした話を先生方でしながら,気軽に楽しみながら進めていくことで,思わぬアイデアや気づきを生み,それが結果的に良い授業,良い研究,そして共同の取り組みにつながっていくではないだろうか。

今後の第六中の研究のさらなる進展に期待したい。

研究課題と成果目標

研究課題

教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について

成果目標

これまでの取り組みで確認できた有用性を軸に取り組みを発展させ、自他の評価から言語活動へ扱う範囲を広げて推進し、他教科、他校でも展開しやすい事例の定型化の取り組みを行う

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容

8月

校内研修 第2回 分科会報告に向けての事例説明

9月

研究推進委員会 週1回の定例会化

校内研修 第3回 講義受講『学力向上を目指す授業改善』言語活動の充実について

10月

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校内研修 第4回 分科会 各教科における言語活動を用いた考える授業の実践報告

各教科でのタブレットPCを活用した授業実践増加

11月

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先進校見学 荒川区立原中学校研究発表会参加

校内研修 第5回 国語科授業研究

校内研修 第6回 分科会検討事項の共有、アドバイザーからの指導・講評

区内導入の電子黒板説明会参加

12月

区指導課来訪 研究授業開催と指導・講評

アドバイザーの助言と助言への対応

・助言

教科等の本質にかかわるものに注目し、教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化を進めた方がよい。

・対応

各教科の担当教員が中学校学習指導要領を基に教科の本質な思考法を設定し、具体化、ワークシートに落とし込むことを年明けまでの課題として取り組んでいる。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • うれしかったこと
    アドバイザーの先生より研究助言や励ましのお言葉をいただいたこと。研究推進について校内での協力を得ながら進められていること。
  • 失敗談
    研究を進めやすい、教員向けの雛形づくりの検討に苦心した。タブレットPC活用が進んだため、準備や調整等の運用ルール徹底の必要性が出てきた。

成果

  • 校内研究推進委員会の定期開催
    トップ参加の校内研究推進委員会を週1回定期的に開催、検討のスピードが高まった。
  • 校内研修
    おおよそ月1回の校内研修により、研究の軸となる言語活動と教科教育との関わりについて、視点から授業への取り入れ方まで広く検討する機会を得た。
  • 授業における実践の増加
    言語活動、タブレットPC、電子黒板などを用いた、考える授業への実践的な取り組みが増えた。

今後の課題

  1. ①教科の本質にかかわる思考法の設定とワークシート定型化の推進
  2. ②「①」をもとにしたワークシート作成と授業実践
  3. ③研究授業時に観察者が利用する視点チェックシートの完成

公開研究会の計画

  • ・平成28年1月21日 文京区中学校教育研究会にて研究授業を実施予定
アドバイザーコメント
信州大学 教育学部 技術教育講座 教授 村松浩幸 先生

第六中は,「教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について」をテーマに研究を進めている。第六中では,評価に着目し,ワークシートを活用することで,言語活動の教育効果を明示的にしようとしている点が特徴である。
4月-7月期の研究上の課題は「思考ツールのように言語活動のベースとなるワークシートの検討」であり,研究推進上の課題は,「教科の壁を越えて全校体制で研究を推進すること」であった。報告書を踏まえ,研究上の課題と研究推進上の現状と課題をあげる。


①思考ツールのように言語活動のベースとなるワークシートの検討

各教科の内容に関わり,本質的な思考や表現等を抽出することで,本質的かつ汎用性の高いワークシートを開発することが目標である。これは次期学習指導要領で重視されると考えられる思考力等の資質・能力に関わる内容である。次期学習指導要領を見据えて研究を進めている点は,他校もぜひ学んでいただきたいと考える。

11月訪問時にはワークシートを具体化するための全体講義とグループに分かれて検討をした。限られた時間であったこともあり,方向性は見えてきたものの,具体的な案の策定まではたどり着けなかった。ワークシートの具体化には,各教科指導について深い議論や検討が必要になるため,当然ながら簡単ではない。関連資料や書籍を読み込んでいく必要もある。タブレットPCの活用はかなり進んできたことは喜ばしいが,この大きな壁をぜひ先生方で教科の壁を越えて議論し合い,乗り越えていって欲しいと考える。先生方が冬休みの宿題として,中学校学習指導要領を基に教科の本質な思考法を設定し、具体化,ワークシートに落とし込むことに取り組んでいるので,その成果に期待をしたい。


②教科の壁を越えて全校体制で研究を推進すること

全校体制で推進は,中学校共通の悩みである。当初はまだ課題が先生方全員で共有されているとは言い難い状態であった。しかし学校長のリーダーシップの元,研究委員会が毎週定例化され,それを踏まえて全校体制で取り組み出せたのが今学期であったといえる。ワークシートの具体化にはまだ課題が多いが,研究推進体制については,大きな成果が得られつつあると感じる。

各先生方がより主体的に,かつ楽しみながら研究に取り組めるようになっていくことが次の課題であろう。こうした取り組みをさらに進めることは,今回の研究のみならず,第六中の教育全体にもプラスになる面が出てくるのではないだろうか。特に多忙な中学校現場であるが,研究委員会の定例化はぜひ他校も学んでいただきたいところである。

第六中の1-3月期における研究およびその取り組みのさらなる進展に期待したい。

研究課題と成果目標

研究課題

教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について

成果目標

これまでの取り組みで確認できた有用性を軸に取り組みを発展させ、自他の評価から言語活動へ扱う範囲を広げて推進し、他教科、他校でも展開しやすい事例の定型化の取り組みを行う

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容

1月

校内研修冬休み課題『教科の本質的な思考』とりまとめ

校内評価の実施

文京区中学校教育研究会・東京教師道場 公開授業

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公開授業(技術:ディジタル作品の設計・制作(設計段階))

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公開授業(音楽:作曲)

2月

校内研修 第7回 アドバイザーからの指導・講評

東京都技術・家庭科研究会研究発表会での取り組み紹介

音楽・技術コラボレーション授業の校内授業公開と評価シートによる授業評価実施

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音楽・技術コラボ授業の様子(技術:ディジタル作品の設計・制作(制作段階))

3月

平成27年度「教育の情報化」推進フォーラムへの参加

今年度活動の振り返りと次年度研究活動についての検討開始

アドバイザーの助言と助言への対応

・助言

教科ごとに育てたい力を明確にし、その過程としての思考方法について指導・支援の工夫を進めた方がよい。

・対応

校内研修の一環として、各教員が「教科として育てたい力」、「具体的な単元の指導計画(具体的な方法)」、「言語活動例」、「ワークシートの工夫例」を提示し、意見交換を行うとともに、アドバイザーより指導・講評をいただいた。また、指摘いただいた点をもとに公開授業の指導案を見直し、再度アドバイザーに添削いただくなど内容を深め、公開授業を実施した。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • うれしかったこと
    今後の研究の方向性など、各教科の教員から意見や質問が出るようになってきたこと。
  • 苦心談
    取り組みに充実感を覚えてきたが、行事や進路指導等で十分な時間が取りづらい時期が重なり、全員が揃った中での意見交換や思考方法工夫の検討、授業への反映が納得いくまで取り組みにくかったこと。

成果

  • 教科における検討の深まり
    育てたい力や具体的な手立てを各教科で検討したことにより、教員側の疑問点が明確になり、意見交換が進むなど、研究推進に効果があった。
  • 授業における実践の定着
    タブレットPCを道具としてグループでの言語活動に活用し、多面的なものの見方や表現の仕方を学ぶ授業が定着してきた。
  • 授業公開
    区の中学校教育研究会と併せて開催することで、他校教員や教育関係機関の方などより広い方々に取り組みをご覧いただけた。

今後の課題

  1. ・新年度開始からスムーズに研究推進する為、今年度取り組みと来年度方針をまとめる。
    • - 方針や取り組みの具体的内容
    • - 授業で使えるICT機器の内容と活用方法
    • - 異動を考慮した資料準備と研修計画

今後の計画

  • 4月 教員向けICT研修①(電子黒板やタブレットPCについて)
    研究計画についてのガイダンス(研究方針と内容、実践についての周知)
  • 6月 教員向けICT研修②(校務支援システムについて)
  • 7月 1学期まとめと夏季休業中の検討事項の確認
  • 9月 2学期の実践についての確認
  • 10月 授業研究・協議の開催
  • 11月 授業研究・文京区教育指導課による指導・講評
  • 12月 2学期まとめと冬休み中の検討事項の確認
  • 1月 検討事項についての協議と授業における実践
  • 2月 授業公開と今年度取り組みの成果報告
  • 3月 2年間のまとめ

1年間を振り返って、成果・評価・感想(気づき)・次年度への思い

  • ・成果
    教科横断的な考え方と、教科の本質に関わる捉え方を意識して、育てたい力を再認識しながら授業の流れやワークシートの構成を見直す道筋ができた。
  • ・評価
    年度はじめの段階から、研究の方向性や個々の課題に対する理解が明確でない部分があり、思うように研究が進まないことがあった。
  • ・感想
    難しいテーマを設定したことで、教えることの奥深さを再認識できた。また、最新の動向を知ることもでき、生徒や社会の動きに対する教員全体のアンテナが高くなったと感じた。
  • ・次年度への思い
    今年度の経験を踏まえ、各教科における思考力と表現力の育成について、実践を通して指導や支援のあり方を工夫改善し、生徒の確かな学力の育成に資する形にまとめていきたい。
アドバイザーコメント
信州大学 教育学部 技術教育講座 教授 村松浩幸 先生

第六中は,「教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について」を研究課題に据えて研究を進めている。近年注目されている思考ツールが,教科を越えた汎用性に特徴があるのに対し,六中の取り組みは,教科の固有性を重視した思考法として取り組んでいる点に特徴がある。


1-3月期の活動では,年末の「宿題」として,「教科の本質的な思考」について考え,ワークシートを全教員が作成し,校内研修において,検討を行った。全校体制での取り組みが小学校に比べ難しいとされる中学校において,全教員が取り組んだということは高く評価できる。


こうした成果の一端は,1月の技術・家庭科技術分野の公開授業において見ることができた。CM制作の設計段階の授業であった。前年は,ワークシートに絵コンテを描いたり,制作計画を記入したりするなど,言語活動にも一定配慮されていた。しかし,「伝えるべきメッセージ」「伝えたい対象」といった基本的な設計の思考が不十分であったために,奇をてらった表現や類似の表現作品が多く見られた。今回の授業では,この基本的な設計の思考に重点をおき,既存CMをその設計の視点から分析した上で,「伝えるべきメッセージ」「伝えたい対象」を考えるというステップを踏んだことで,グループ毎に主張が明確で,工夫された絵コンテが多数生まれた。また,生徒らのこうした思考の過程をくみ取れるようにワークシートも構成されていた。


技術・家庭科での実践を参考にしながら,全教科で同様に展開していくことが2年目の課題である。教科の本質的な思考を明確にしたワークシートを開発し,ICT活用と連携させ,実践事例を蓄積していくことで,研究課題を達成することができると考える。


夏から秋にかけて,研究がやや停滞している感があったが,全教員で取り組む体制で研究を進めたことで,教員間の意見交換や研究の方向性についての意見等,研究の進展に効果が見られたようである。また,教科の本質的な思考法=教科での本質的なものの見方や考え方にじっくりと取り組むことは,生徒らに将来に渡って活用できる力をつけさせるためにも重要である。とりわけ多忙な中学校であるが,こうしたことに取り組める時間を工夫して生み出し,実践化につなげていって欲しい。

研究課題と成果目標

研究課題

教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について

成果目標

これまでの取り組みで確認できた有用性を軸に取り組みを発展させ、自他の評価から言語活動へ扱う範囲を広げて推進し、他教科、他校でも展開しやすい事例の定型化の取り組みを行う。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容

本期間(8月~12月)の取り組み内容

8月
夏季休業中の課題

・1学期に実施した「プラスワン授業」の振り返りと、重点ポイント設定
・2~3学期実施の単元、題材から「プラスワンポイント」を検討とシートへの反映
・2~3学期に実施する「プラスワン授業」の内容を略案に落とし込む

校内研修 第5回 タブレットPC講習(職員用導入)

9月

校内研修 第6回 校内研究授業、グループ協議、アドバイザー講義受講

10月

各教科による「プラスワン授業」の実施

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体育
理想型の確認とワークシートへの記入

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社会
海の境目を生徒が予想

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音楽
合唱での口の開きを確認

11月

校内研修 第7回 文京区教育委員会教育指導課による授業観察と指導助言

12月

校内研修 第8回 タブレットPC講習(職員用応用)2月6日の公開研究会に向けた冬休み中の課題説明

アドバイザーの助言と助言への対応

・助言

目的は生徒達によい授業をし、力をつけること。言語活動の活動自体よりも中身にフォーカスすることが重要。そのため、ワークシートや話し合い活動の意味づけにあたっては、先生が意識化して、生徒へ明示すること。

・対応

教科の本質に関わる視点を考慮し、言語活動を用いて生徒に力をつけさせる授業への取り組みを「プラスワン授業」と名付けて活動を続けている。1学期に行った授業のフィードバックやアドバイザーのコメントを踏まえ、各教科で見直しを行い、2学期以降のプラスワン授業の計画策定、ワークシートの作成、授業実践に反映させた。また、それらの取り組み事例を資料としてまとめている。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

本期間の裏話

  • ・うれしかったこと
    研究推進委員会参加者の参加意識が高く、現状に満足することなく活発に意見交換が交わされており、更にお互いをフォローしながら進んでいること。
  • ・苦心談
    学習発表会から始まり、受験期に入るなどイベントが続く中、腰を据えて各教科や教科を越えた意見交換や検討の機会が取りづらかった。よって、各学年のイベントを踏まえた推進計画をなるべく早めに計画を提示して、プラスワン授業にチャレンジしてもらいやすくなるよう取り組んだ。また、職員朝礼や職員会議等で都度通知を繰り返すなど、意識してもらう活動を実施した。

成果

本期間の成果

  • ・全教員での取り組む姿勢の高まり
    日々の業務で多忙な中でも、計画的にプラスワン授業を実践し、ICT機器による効果的な提示や効率化について意見が取り交わされるなど、全教員が研究に参加する姿勢の高まりが見られた。
  • ・研究推進方法の成熟
    研究を進めるにつれ、各教員の取り組みや授業への反映の方向性が明確、かつスムーズになった。生徒の力をつけるワークシートの構成と、そのためのICT機器活用の必然性が見て取れる取り組みが広がった。
  • ・ICT機器活用の広がり
    教員に1台ずつ専用のタブレットPCが導入されたことで、日常的に授業の中でタブレットPCを活用する機会が増えるとともに、活用場面の検討も進み、職員同士の教え合いなど情報共有の活性化にもつながった。

今後の課題

  • ・定型化
    ICT活用、ワークシート、話し合い活動の工夫をどのようにまとめることで、教員のノウハウを他の教員が参考にできる形で定型化できるか検討が必要。

今後の計画

  • 1月 検討事項についての協議と授業における実践
    公開研究会に向けた準備
  • 2月 公開研究会の実施と今年度取り組みの成果報告まとめ
  • 3月 2年間の取り組みのまとめ

気づき・学び

  • ・複数教科で重複する内容の取り扱い(前期からの続き)
    ICT機器の取り扱いや話し合い活動のルールなど、各教科間で重複する内容がある。小学校で既習の内容であっても、生徒の実態を確かめながらつけたい力を効果的につけられるよう検討を続けたい。
アドバイザーコメント
信州大学 教育学部 技術教育講座 教授 村松浩幸 先生

「教科教育における言語活動の促進と実践事例の定型化について」を研究課題に据えて研究を進めている第六中は,本年度末の公開研究会に向けて,各教科での研究が活発化してきた。4~7月は,研究体制が確立し,動き出した段階であったが,8~12月期はそれが実践に結びついた段階でもあった。

活動報告にもあるように,夏期休業中の課題として,教科の本質に関わる視点を考慮し、言語活動を用いて生徒に力をつけさせる授業への取り組みを「プラスワン授業」として取り組んでいる。教科の本質的な部分を考えつつも,大きく構えることなく従来授業を少し改善しようという手法は,各教科の壁を越えて,全校体制で進めていく上での大きなポイントになるといえる。その成果が,「全教員での取り組む姿勢の高まり」「研究推進方法の成熟」「ICT機器活用の広がり」として形になりつつある。

9月の訪問時においても,ワークシートが工夫され,ICT活用と関連している授業を複数参観することができた。参観授業の様子を踏まえ,研究会では,中教審のまとめ資料における該当教科の資質・能力と授業の取り組みを対応させつつ,確認をすることで,教科の本質に関わる視点を掘り下げた。例えば,保健体育では,マット運動の動画クリップからワークシートで示された視点を参考にしながらの動作ポイントの分析や,タブレット端末を用いて高跳びの姿を生徒自身が録画・分析する授業であった。これは保健体育において育成を目指す思考力・判断力として示されている「自己の課題に応じた運動の行い方の改善すべきポイントを見つける力」「運動実践の場面で,自己の加地兄応じて,適切な練習方法を選ぶ力」に対応する。こうした教科固有の資質・能力の育成を教員が意識し,ワークシート等で具体化させていくことで,生徒自身も意識化できるようになっていくであろう。そして,この過程において必然的に言語活動も促されるであろう。こうした実践が具体化しつつある

新しい学習指導要領が具体的に示されるタイミングでもあるので,第六中の研究の取り組みや成果は,多くの学校の参考になると考えられる。2年間の研究も2月の公開研究会が集大成となる。ここまでの蓄積を元に,研究推進委員の先生方を中心に,ぜひこの方向で,全校一丸となって成果につなげていただけることを期待したい。