札幌市立厚別東小学校

第41回特別研究指定校

研究課題

学習科学に基づく「21世紀型スキル」形成を促す協働学習の開発
〜ICT機器を活用した実効性のある学習づくりを通して〜

2016年度1-3月期(最新活動報告)

6年生が自分の将来の夢について、調べたことをiPadでまとめて、プレゼンテーションを行った。

札幌市立厚別東小学校の研究課題に関する内容

学校名 札幌市立厚別東小学校
研究テーマ 学習科学に基づく「21世紀型スキル」形成を促す協働学習の開発
〜ICT機器を活用した実効性のある学習づくりを通して〜
目的 これからの子どもたちに必要な力をICT機器を活用しながら身につけさせる。
現状と課題
  • 教員のICT機器の知識がまちまちである。 (それぞれの機器の特徴や効果について)
  • 教員の知識の共有化が少ない。
  • 子どもも教師もタブレットPCに触れる機会がない。
  • 子どもの情報活用能力の育成が教師個人のスキルによってばらつきがある。
  • 情報教育のカリキュラムに関して、発達段階に即しているのか、明確ではない部分がある。
  • 校内研究においては、交流活動、一人一人が大切にされている。
  • 「夢の扉」というキャリア教育では、知識伝授された後、調べ学習で内容の深化を図ってきた。
取り組み内容
  • 夢の扉
    評価表(ルーブリック)を活用した課題解決型学習に取り組む。
  • 森林散策、ふれあい交流館での活動
    ガイドブック作りにICT機器を活用する。
  • クラブ活動・子どもフェスティバル
    活動について、動画・写真を撮影し、編集・放送を行う。
  • 日々の学習(教師、子ども)でICT機器を使う場面を増やしていく。
    学習記録を活用し、データベース化、ガイドをつくる。
  • 子どもの発達段階に応じた、カリキュラムの見直しと作成を行う。
予想される成果
  • 教員が効果的にICT機器を利用する。
  • 教員がお互いの取組について情報交換ができるようにする。
  • 子どもたちが学習時間にICT機器を利用し、交流活動を広げたり、活動に取り組んだりする。
  • 子どもたちが、学習外でもICT機器を利用することができる。
  • 子どもたちが必要な情報を正しく選択・利用できる。
  • 多様な学習形態から、子どもたちに必要なものを選び行うことができる。
助成金の使途
  • 事業用iPadmini30台
  • 充電用コンセント
  • デジタルカメラデータ取り込み用専用ケーブル 5台
  • 実践発表会開催時の消耗品費
  • 講師派遣旅費と謝金
  • 実践発表会用資料(紀要と指導案集)作成費
特別研究指定期間 平成27〜28年
都道府県 北海道
研究代表者 福島 優介
学校HP http://www.atsubetsuhigashi-e.sapporo-c.ed.jp/
アドバイザー 中川一史(放送大学 教育支援センター 教授)

研究課題と成果目標

研究課題 学習科学に基づく「21世紀型スキル」形成を促す協働学習の開発
~ICT機器を活用した実効性のある学習づくりを通して~
成果目標
  • ①評価表(ルーブリック)を活用した自己評価と相互評価
  • ②学習指導要領に基づいた指導計画立案と実施の工夫による「21世紀型スキル」形成の教育活動の提案
  • ③学習成果物を生み出す協働学習のあり方や授業の工夫・改善の具体的提案
  • ④教科学習における「ガイドブックづくり」による研究成果の提示。
  • ⑤次期学習指導要領の実践課題の一提案として、全国に共有していけるような授業モデルの提示。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容

・iPadを使った提案授業(6月18日:6年「人や他の動物の体」)

・校内研修(iPadの使い方~写真を撮って、TVに映そう)

・iPadを使った修学旅行での記録(写真や動画)
→その後のパンフレット作りで、写真を活用した。

・放送委員会によるiPad校内放送

・理科の実験でのタイムラプス映像の活用

アドバイザーの助言と助言への対応
  • 自分の調べたことが大事なんだと主張せざるを得ない課題提示。調べたことをどのように出すのかを考えることが必要。→校内研究の中で、日々研鑽を行っていく。
  • 聴く力をもっているので、このあとどのように力をつけていくかが大事。→校内研究で大切にしている交流とも関係させながら、考えて行きたい。
  • 今回示してくれたから考える機会になった。ICTはなくても授業ができる。子どもたちの意欲を拡張していけるものだから、ぜひ活用していただきたい。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • iPadが37台になったことで、一クラスで全員が使える環境がつくることができた。1人1台触れられることに子どもたちは、感動していた。
  • 写真を撮る研修では、短い時間ではあったが、みんなで楽しんでくれた。これからも、重荷にならないような研修を取り入れていきたい。
  • ゼロからのスタートなので、どんな物がよいのか、どのようにしたらよいのかを常に探っていた1学期だった。

成果

  • 少しずつではあるが、ICT機器を利用する機会が増えてきている。
  • 今まで行ってきたことが、ICT機器の活用につながっていることを意識してもらえた。
  • まずは、スタートさせることができたことが大きな成果であると感じている。

今後の課題

  • みんなに無理なく、ICTを活用できる環境づくり。
  • 目標をはっきりとさせ、みんなに分かりやすい活動にする。
  • より具体的な活動計画を作成し、学校一丸となって取り組める活動にしていく。

今後の計画

  • 2015年11月26日(木) 全市公開(プロジェクトメンバー授業公開と協議)
  • 2016年12月2(金)予定 全道公開(授業公開と研究発表と全体会、講演)
アドバイザーコメント
放送大学 教育支援センター 教授 中川 一史 先生

札幌市立厚別東小学校の2年間の実践研究がはじまった。今年度前期は、校内の推進役の先生による提案授業。

 

本校のテーマにそくした高学年・理科(人体)におけるタブレット端末で考えを伝える場面の授業だった。

 

筆者からは、理科の授業としてのポイントの助言とともに、プレゼンテーションは、「相手意識」「目的意識」「内容」「方法」の4要素が重要であること、本実践でいうと、それがどのようなバランスであったか、について助言した。また、「脱・原稿」「資料との関連」「(グループでの)役割分担」「質問力」の段階を意識していくことが今後重要であることについても言及した。

 

今後、本校は、他の教員の方々にどう広がり、また、日常的に本校研究テーマをどのように共通理解していくかがポイントであると考えている。

研究課題と成果目標

研究課題 学習科学に基づく「21世紀型スキル」形成を促す協働学習の開発
~ICT機器を活用した実効性のある学習づくりを通して~
成果目標
  • ①評価表(ルーブリック)を活用した自己評価と相互評価
  • ②学習指導要領に基づいた指導計画立案と実施の工夫による「21世紀型スキル」形成の教育活動の提案
  • ③学習成果物を生み出す協働学習のあり方や授業の工夫・改善の具体的提案
  • ④教科学習における「ガイドブックづくり」による研究成果の提示。
  • ⑤次期学習指導要領の実践課題の一提案として、全国に共有していけるような授業モデルの提示。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容

・宿泊学習における活用(模造紙との併用による発表会)

・日々の授業での活用→実践発表会の要覧に、活動記録を入れ作成。

・Apple TV の配置(全学級分購入済)

・委員会活動の撮影

・クラブ紹介の撮影→放送委員会による映像放送

・e-ライブラリ(ラインズ)の導入~ドリル学習:冬休み中に研修

・夏休みでiPadにアプリを入れる

・校内研究授業(10月28日:2年生算数「かけ算」)

・第一回ICT実践発表会(11月26日:6年生総合的な学習の時間 キャリア教育)

アドバイザーの助言と助言への対応

☆10月28日の授業から

  • ICTの裏にアナログあり~ICTを補完するアナログ。全体が見えることで学習が深まった。
    →ICTを使うための指導やルールを決め、アナログと併用しながら効果的に使用していく。
  • 多様な見方はおさえがあってこそ協働を強調する。協働とは困り感を出すこと。自分事として取り組むこと。批判的思考も身につけさせていく。何を求める学習活動か明確にする。
    →日々の学習活動の中で、身につけさせる力・何が大切かを考え取り組んでいく。

☆11月26日の授業から

  • 見取りのために~個々の子どもがどういうこだわり・不安をもっているか、それらが整理できているか
    →多様な活動が行われる中で、子どもの思考を整理する丁寧な見取りを行う。
  • 基礎力→思考力→実践力をどのように身につけていくか。プレゼンテーション、ズレの自覚、タブレット端末の活用
    →どのようにつなげていくかをイメージしながら授業を構成していく。
  • ICTの活用の効果は、教師の意図
    →場面・内容を吟味しながら、実効性のある学習展開を考え、実践していく。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • iPadにアプリが入ったので、「具体的にこんなことがしたい」を形にできるようになったこと
  • iPadの使い方を通して、職員の交流が図れたこと
  • 全学級分のApple TVがあるので、活用できる環境を作れること
  • 学級で使いたい時間が重なり、37台のiPadが足りなかったこと
  • 使うまでの一歩を踏み出すのが大変だったこと

成果

  • たくさんの職員がiPadを使って、日々の授業に取り組んでくれた。
  • 子どもたちもアプリを使いながら、学習を楽しく行うことが出来た。
  • 互いの実践にふれることで、ICT活用について知ることが出来た。
  • 校内研究でもICTを使う場面があり、授業の幅が広がった。
  • ルーブリックを作って学習を行うことで、子どもも教師も見通しをもつことが出来た。
  • 既存の学習を元に、構成し直し学習を進めることができた。

今後の課題

  • より具体的にICT活用の場面を伝え、方法の一つとして使っていけるようにすること
  • 目的を明確にしたキャリア教育の流れをつくっていくこと
  • 強いリーダーシップをもって、プロジェクトを展開していくこと
  • 21世紀型スキルの何を大切にして学習を行っていくのかということ
  • 主体的な学習・協働学習をつくっていくこと
  • 本校として、ICTを活用してどのように楽しく活動をつくっていくかということ

今後の計画

  • 今年度のまとめ
  • 次年度へ向けた計画づくり(校内研究とのつながりを意識しながら)
  • 従来からある行事を活用したカリキュラムマネジメント

公開研究会の計画

  • 平成28年12月2日(金) 第2回ICT実践発表会(全道公開)
アドバイザーコメント
放送大学 教育支援センター 教授 中川 一史 先生

本校テーマにそって実践研究をすすめている。特に、以下の点について、授業を通して検討した。

 
  • 転送のよさをどのように活用するか
    →前に出てきて指をさしながら発表するよさもある
    →模造紙などに残しておくよさもある
  • 協働の成立をどうみるか
    →学びの壁をどうつくるか
    →自分のこととしてどう実感させるか
  • 考えの整理をどう行わせるか
    →ずれの自覚
    →思考の可視化ツールとしてのICT
 

テーマに添いつつも、具体的な授業での検討を大事に今後も進めていきたい。

研究課題と成果目標

研究課題 学習科学に基づく「21世紀型スキル」形成を促す協働学習の開発
~ICT機器を活用した実効性のある学習づくりを通して~
成果目標
  • ①評価表(ルーブリック)を活用した自己評価と相互評価
  • ②学習指導要領に基づいた指導計画立案と実施の工夫による「21世紀型スキル」形成の教育活動の提案
  • ③学習成果物を生み出す協働学習のあり方や授業の工夫・改善の具体的提案
  • ④教科学習における「ガイドブックづくり」による研究成果の提示。
  • ⑤次期学習指導要領の実践課題の一提案として、全国に共有していけるような授業モデルの提示。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容
  • 冬休み明け前に、e-ライブラリ(ラインズ)の導入。ラインズによる研修会。
    →利用することによる効用:①個別活用 ②コミュニケーション能力の育成
  • 1月29日大阪市立堀江小学校の研究発表会参加(本校から2名参加)
    →ふり返りを職員と交流
  • 総合的な学習の時間の「夢の扉」での一人一人の卒業研究発表
  • 委員会による卒業放送
  • 授業での利用(Wi-Fi環境の整備により、インターネット接続ができるようになった)
    →写真に書き込みできるアプリケーションの利用、時計アプリの利用、教室でのインターネット検索、その他提示など。
アドバイザーの助言と助言への対応
  • 卒業研究では、11月の発表会と同じようにプレゼンテーションを作成して発表した。発表に関するルーブリック評価も行い、お互いに練習していく中で利用し、それぞれが発表への意識を高めることができた。
  • プレゼンテーションを作る際には、お互いに協力しながら、一人一人がプレゼンテーションを作成することが出来た。また、作るまでにプレゼンテーションの構成について紙の上で考えさせてから、活動に取り組んだ。/li>
  • 今年度から、模造紙にまとめる発表ではなく、iPadでの発表を行うことにした。
  • 参観日での発表では、紙とデジタルの両方のよさを使って発表する子どももいた。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • 職員の中でiPadの利活用の話ができるようになったこと。
  • Apple TVの全教室配置が行われ、どの教室でも使えるようになった。充電やアクセスポイントの管理について、まだ難しいと感じた。
  • ついにインターネット接続ができるようになったので、PC室まで行かなくても、検索ができるようになった。また、提示用資料についても、さらに簡単に用意できるようになった。
  • iPadの活用も大事だが、利用も大切だということを感じた。

成果

  • 引き続き、職員によるiPadの利用で授業や委員会活動に取り組んでくれた。
  • 実際に、保護者にも使っている場面を見ていただけた。
  • iPadの利用表を使うことで、利用状況について見える化できた。
  • 他校の実践の様子を見ることで、利用のイメージをより深くもてるようになった。よいところを取り入れていきたい。

今後の課題

  • iPadをどのように活用していくのか。モデルと実際。
  • 校内研究とのリンク(協働学習・交流)
  • 新年度の計画提案。
  • →新メンバーも入るので、みんなが無理なく取り組めるような内容
  • 新学年でのiPadの利用と活用について
  • 機器環境の充実。

今後の計画

  • 次年度へ向けた計画づくり(校内研究とのつながりを意識しながら)
  • 従来からある行事を活用したカリキュラムマネジメント→今ある物を活用する。
  • 12月研究会へ向けての動き(年間計画含む)

1年間を振り返って、成果・評価・感想(気づき)・次年度への思い

  • 今年度は、導入初年度ということで、みんなが手探り状態だった。
  • 研究については、プロジェクトメンバーだけで進めていて、みんなのものにすることが難しかった。
  • それでも、少しずつみんなで使用していこうという気持ちで実践に取り組んでいただけた。
  • 日々の利用と活用を考えながら、校内研究とリンクさせ日常の実践を深めていきたい。
  • 研修して深める機会が少なかったので、来年度は隙間の時間にも取り組んでいきたい。
  • せっかくいただいた機会なので、子どもも教師もみんながよかったと思えるようなものにしていきたい。
アドバイザーコメント
放送大学 教育支援センター 教授 中川 一史 先生

札幌市立厚別東小学校の特別研究指定校としての1年目が終わった。ここでは、その成果として3点あげたい。

 

1) ICT活用の日常化
何よりも、日頃から限られた機器環境でどのように日常的に活用していくかがポイントである。この件については、少しでも活用のイメージをもってもらうために、活用の場を広げたこと、機器環境そのものを充実させてきたことがあげられる。前者については、授業だけでなく委員会活動などでも積極的につかったこと、また、保護者にも使っている場面を見せることを通して、教員の活用日常化への意識を高めた。後者については、タブレット端末の台数を増加させること、校内で無線LANを使えるようになり、それに従いタブレット端末から無線で転送できる機器も揃えるなどした。

 

2) 校内メンバーへの共有
学校研究として、「目標を明確にしたこと」「具体的な活用計画を作成したこと」「プロジェクトリーダーがより活発に動いたこと」「管理職もインフォーマルな場面で活用についてどんどん話題にしていったこと」など通して、共有化をはかっていった。

 

3) 研究課題の具現化
研究課題については、「21世紀型スキル」や「主体的な学習・協働学習」が重要なキーワードになっている。しかし、これをどのように実践を通して具現化していくかが、2の「校内メンバーへの共有」にもつながってくる。交流場面について、「対話」「交流」「討論」「説得・納得」というそれぞれの状況の分類や、ゴールとして「多様性の理解」をめざすのか「最適解の追究」をめざすのかなどの議論に関して、授業を通して行うなどをした。

 

2年目に向けて、さらに「深まり」と「広がり」に注力していきたい。

研究課題と成果目標

研究課題 学習科学に基づく「21世紀型スキル」形成を促す協働学習の開発
~ICT機器を活用した実効性のある学習づくりを通して~
成果目標
  • ①評価表(ルーブリック)を活用した自己評価と相互評価
  • ②学習指導要領に基づいた指導計画立案と実施の工夫による「21世紀型スキル」形成の教育活動の提案
  • ③学習成果物を生み出す協働学習のあり方や授業の工夫・改善の具体的提案
  • ④教科学習における「ガイドブックづくり」による研究成果の提示。
  • ⑤次期学習指導要領の実践課題の一提案として、全国に共有していけるような授業モデルの提示。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容
  • iPadのミニ研修
    →新しく来た先生方に、appleTVやskichなどの使い方や実践などを紹介。
  • NASの整備。
    →iPad間のデータを共有しやすくなった。
  • 現地学習、委員会活動、係活動でのiPadの活用
    →子どもたちもiPadを使うことに慣れてきて、積極的に活用するようになった。
  • 校内研究授業(6年生「土地のつくりと変化 地しんや火山と災害)
    ICTの活用
    地層の写真や実験の記録など、iPadを活用しながら学習に取り組む。提示された地層の写真を拡大してよく観察したり、実験の様子を撮影し、切り取りながら映像を見直したりと、子どもたちが協働的に活用していく。実際に目で見たことを説明するだけでなく、撮影した動画を活用することで、みんなでその場面を共有し、より深く交流することができる。発表時も実際の砂や泥の積もり方を提示しながら説明することで説得力は大きくなる。
    実際に見ることを大切にし、iPadを固定して、実験の様子を直接見ています。
アドバイザーの助言と助言への対応
  • 研究内容に4つの主人公(学習科学、21世紀型スキル、協働学習、ICT活用)が出ているので難しい。そのため、3つのポイント(問題解決的な学習であること、論点が明確であること、理由・根拠が求められること)にしっかりと重点を絞って授業を作っていくことが大事である。
  • 問題解決的になるために「ため」が必要である。「ため」を作るために、教師から問題を提示するのではなく、子どもから問題意識を出させることでためが生まれる。予想場面ではしっかりと生活経験、既習からしっかりと推測させることでためが生まれる。先生が子どもたちの言葉を広げるのではなく、教師はパイプ役となり、子ども同士をつなげることでためが生まれる。
  • iPadは何のために記録させているかを意識させる必要がある。「残すツール」なのか、「共有するツール」なのか、「伝えるツール」なのか。子どもに目的をしっかりと理解させることで撮影の仕方が変わっていく。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • 新しく来た先生方も積極的にICTを活用してくれたこと。
  • 子どもたちがiPadを使って、活動する場面を目にする機会が増えてきたこと。

成果

  • 校内研究授業を通して、ICTの活用の仕方の方向性が示せたこと。

今後の課題

  • 教師主導の活用から、子ども主体の活用へつなげていきたい。
    →そのためには、どんな目的で子どもたちに活用させたいかを考え、子どもたちに目的をはっきり意識させて活用させる。
  • 普段の授業からのルーブリックの活用
  • 校内研究とのリンク
    →交流場面で、ICT機器が効果的かを一考してもらい、活用していく。

今後の計画

  • 10月6日(木) 校内研究授業 4年生
  • 12月2日(金) 実践発表会 4年生、5年生
  • 随時、ミニ研修を行う。
アドバイザーコメント
放送大学 教育支援センター 教授 中川 一史 先生

活用自体は子どもたちも教師も慣れていている本校である。

 

タブレット端末を使って撮影し、それを見たり見せたりすることが増えてきた。そこで、以下の助言を行った。

 

一概に、「撮影し、それを見たり見せたりする」と書いたが、大きく分けると2つのバリエーションがある。

 

1つは、「わかるからできるへ(技能の習得のため)」ということだ。技能習得場面では、最終的にできる(速くできる、綺麗にできる、流暢にできる)ことがゴールだ。そのために、例えば、友達の演技の様子を撮り、手のつき位置などを確認・修正する。この時、良い例(モデル・サンプルなど)と修正すべき例(自身の演技、友達の跳躍など)の差が明確になっていることが重要だ。

 

もう1つは、「説得するために証拠を示す」ということだ。説明や説得場面では、どのように撮るかがポイントだ。児童に、何のためにどのような場面で示すのかという見通しを持たせることが重要だ。

 

このような具体的な活用場面を通し、本校の研究課題に迫るきっかけの1つとした。

研究課題と成果目標

研究課題 学習科学に基づく「21世紀型スキル」形成を促す協働学習の開発
~ICT機器を活用した実効性のある学習づくりを通して~
成果目標
  • ①評価表(ルーブリック)を活用した自己評価と相互評価
  • ②学習指導要領に基づいた指導計画立案と実施の工夫による「21世紀型スキル」形成の教育活動の提案
  • ③学習成果物を生み出す協働学習のあり方や授業の工夫・改善の具体的提案
  • ④教科学習における「ガイドブックづくり」による研究成果の提示。
  • ⑤次期学習指導要領の実践課題の一提案として、全国に共有していけるような授業モデルの提示。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

本期間(8月~12月)の取り組み内容

○9月23日 札幌市情報教育連絡協議会での授業公開
(4年1組 算数『三角定規の角度を調べよう』)

○10月5日 校内研究授業(4年1組『垂直、平行と四角形』)

○10月27日 講師を招き、教員を対象に協働学習支援アプリの研修会

○デジタルリーフレットを学校HPへ掲載
4年生の総合的な学習「魅せよう!デジタルリーフレット」の学習で子どもたちが作成した「森林公園の良さ」を紹介するリーフレットの作成途中のものを学校HPに掲載。閲覧した方からコメントをいただいた。

クラブ紹介ビデオの作成
(iPadで撮影した動画を編集した「PRビデオ」作成)

・日々のICT活用実践のまとめ→実践発表会の研究紀要にて、実践紹介。


1年生「いまなんじ」のアプリを使って時計の学習

3年生 実験の様子を撮影し、結果の検証・まとめに活用

・12月2日 第2回ICT教育実践発表会
札幌市をはじめ道内からも含め、150名を超える教員・教育関係者・学生が、公開授業に参加

    4年1組 総合的な学習「魅せよう!デジタルリーフレット」

    5年2組 総合的な学習「厚別東小学校の魅力を発信!」

アドバイザーの助言と助言への対応

☆10月5日の授業より

  • ・ICTを用いて教材と対峙するのか、他者と対峙するのか、自己と対峙するのか、何とコミュニケーションをとるのかを明確にした授業構成を行う必要性がある。
    →本時のねらいと照らし合わせて、何とコミュニケーションをとるのかを考えた交流のさせ方が大切である。
  • ・ツールとしての特性をどう生かすか 紙の良さとデジタルの良さ焦点化する(デジタル)⇔俯瞰する・残す(紙) お互いの良さの活用
    →デジタルツールだけでなく、紙の良さを再確認して、交流場面で焦点化したいときにはデジタルの活用、俯瞰して比較させたいときは紙を使うなど場面に応じた活用をしていく。

☆12月2日の授業より

  • ・対話的・主体的で深い学びを実現するための5つのポイント「深い学びにつながる課題の吟味」「個の学びを醸成する場の保証」「論点の明確な整理」「個々のスキルの向上」「コミュニケーションツールの活用」
    →5つのポイントを意識した授業実践を積み重ねていく。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • アドバイザーの方に授業に入ってもらい、コラボノートの使い方を説明、サポートしてもらった。子どもたちがとても意欲的に活動することができた。
  • 作成途中のリーフレットをHPで公開したことで、見た方からコメントをいただいた。コメントを子どもたちに紹介すると自分たちが発信しているものを見てくれている人がいることを実感し、より高い完成度を目指す意欲とつながった。学校HPが情報を発信するだけでなく、受信することにも活用できたことで、学校HPの双方向のつながりとなる実践となった。

成果

  • ルーブリックの活用で、子どもたちは自分たちの目指す目標が明確になり、見通しをもって活動することができた。
  • 目的意識をしっかりともたせる単元の構成をすることで、必要感をもってiPadを使い、自然と交流が生まれた。課題を解決するために自分だけの力だけでなく、iPadを通して友達とアイディアを出し合い高めていく姿が見られた。
  • 動画編集アプリを使った学校紹介のCM作りでは、iPadだけを用いてCM作りをするのではなく、一度、紙に構成メモを作り、iPadを使ったCM作りへと繋げていった。紙とデジタルと良さを生かした活用ができた。

今後の課題

  • ルーブリックを作ることに力を注ぎすぎてしまうと、作ること自体が大きな負担となり、普段の学習では十分に活用できていなかった。もっと改善して、誰でも気軽に使えるものにしていく必要がある。
  • NASの活用など、まだまだ「知っている人は使えるけど…」と、校内に発信しきれていない部分もある。研修などを通して、ICTの活用や実践など学校全体に発信していく。

今後の計画

  • 今年度のまとめ
  • 動画編集ソフトの研修会
  • NASの使い方研修会
アドバイザーコメント
放送大学 教育支援センター 教授 中川 一史 先生

厚別東小学校は、その2年間の成果発表として、12月2日にICT教育実践発表会を行い、多くの参加者においでいただいた。これまでの授業を通した検討を重ね、当日は、とても意義のある提案ができた。

 

筆者からは、これまでの総括も含め、「主体的・対話的で深い学びを実現するための5つのポイント」として、以下の5つをあげさせていただいた。

  • ① 深い学びにつながる課題の吟味
  • ② 個の学びを醸成する場の保証
  • ③ 論点の明確な整理
  • ④ 個々のスキルの向上
  • ⑤ コミュニケーションツールの活用
 

特に、5つ目の「コミュニケーションツールの活用」において、ICTがどのように寄与できるのか、これまで検討を重ねてきた。「考えを深めるツール」なのか、「考えを伝えるツール」なのか、教師の意識として混在しないような助言も行った。

 

今後も、5つのポイントを意識した授業実践を積み重ねていってほしい。

 

また、この期間の成果として特筆すべきは、「デジタルリーフレットを学校Webへ掲載」したことである。単に公開しただけではなく、学校Web上で双方向に読者(地域の方や保護者等)からコメントをいただき、それを反映させたことである。前向きにICT環境を活用しようとした、本校の1つの姿勢でもある。

 

新学習指導要領への対応を考えると、まさに本校の取り組みは様々参考になるところがあると思われる。本校のますますの授業検討の高まりにエールを送りたい。

研究課題と成果目標

研究課題 学習科学に基づく「21世紀型スキル」形成を促す協働学習の開発
~ICT機器を活用した実効性のある学習づくりを通して~
成果目標
  • ①評価表(ルーブリック)を活用した自己評価と相互評価
  • ②学習指導要領に基づいた指導計画立案と実施の工夫による「21世紀型スキル」形成の教育活動の提案
  • ③学習成果物を生み出す協働学習のあり方や授業の工夫・改善の具体的提案
  • ④教科学習における「ガイドブックづくり」による研究成果の提示。
  • ⑤次期学習指導要領の実践課題の一提案として、全国に共有していけるような授業モデルの提示。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

本期間(1月~3月)の取り組み内容
  • 1年生
    iPadを一人一台使って、算数学習アプリでたし算、引き算の復習
  • 6年生「夢の扉」
    自分の将来の夢について、自分たちで調べたことをiPadでプレゼン資料を作成し、3月の参観日に保護者に発表。
  • 委員会
    2学期の総合的な学習の時間に動画編集アプリを活用した5年生が委員会で、動画編集アプリを使い、動画を作製してビデオ放送
    体育委員会…運動のコツに関するビデオ
    健康委員会…風邪予防に関するビデオ
アドバイザーの助言と助言への対応

    「主体的・対話的で深い学びを実現するための5つのポイント」として

  • ①深い学びにつながる課題の吟味
  • ②個の学びを醸成する場の保証
  • ③論点の明確な整理
  • ④個々のスキルの向上
  • ⑤コミュニケーションツールの活用
    特に5つ目のICTをコミュニケーションツールとして使うときに「考えを深めるツール」なのか「考えを伝えるツール」なのか教師が意識する必要がある。

     本校の研究とも繋がっている部分として、普段から「課題の精選」、「個々の学びを醸成できる交流」を意識した授業実践を行ってきている。また学習や委員会活動でiPadを活用する機会を多く取り入れることで子どもたちのスキルの向上が見られている。コミュニケーションツールとしては、活動の紹介や自分たちの考えを伝えるための活用方法が多い。今後は「考えを深めるツール」としての活用が必要となってくる。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • どの学年でもiPadを活用する頻度が多くなってきている。先生方が特別な機器としてではなく、普段から活用してくれることで、子どもたちもiPadが特別な機器という意識がなくなってきた。iPadが興味本位で「使いたいから使う」ものではなく、学習の課題を達成する上で「必要があるから使う」というように課題を解決するためのツールの一つとして選択して使うことができるようになってきた。

成果

  • 6年生が自分の将来の夢について、調べたことをiPadでまとめて、プレゼンテーションを行った。自分にとって必要な情報を検索したり、見やすいように画面を工夫したり、今までのiPad活用の集大成となるような発表となった。
  • 動画編集ソフトを使った学習を終えた5年生が、委員会で率先して動画編集ソフトを活用して動画を作成し、校内放送を行った。授業で培った情報活用スキルを普段の生活に生かすことができた。

2年間の成果と課題

  • 1.ICTリテラシー、コラボレーション・チーム力の向上
     身近な機器として、iPadを活用することができた。教科学習だけでなく、クラブ活動、委員会活動、縦割り活動、係活動などの特別活動でも主体的に活用することができた。また、iPadを用いてデジタルリーフレットや動画編集などの成果物を作る上で、お互いに声をかけ合いながら活動することができた。
  • 2.ICT機器の効果(写真や動画の提示、アプリケーションの活用)
     話し合いの場面では、iPadを見せながら、内容をわかりやすく伝えることができた。思考の整理やまとめの場面では、活動の様子を見せたり、児童の考えを教室のテレビに写したりすることで、学級全体に共有することができた。
     動画編集アプリでは、書き込みや加工などの編集が容易にできる良さを生かし、子どもたちの協働学習を進めることができた。また、ドリルアプリを使い、反復練習を通して習熟学習を進めることができた。
  • 2年間の成果!
     iPadを中心としたICT機器を活用した新たな学び方・協働学習を展開することで、コラボレーション・チームワーク、学び方の学習、メタ認知を身に付けさせることに効果を上げることができた。

今後の展開

  • 1.21世紀型スキルを身に付けさせるために
     「情報リテラシー・調査活動」「ICTリテラシー」「コミュニケーション」「コラボレーション・チームワーク」といった働く方法や働くためのスキルを身に付けることができたが、思考の方法や世界の中で生きるスキルを身に付けることができなかった。それらのスキルをどこでどのように身に付けさせるのか、各現場で見直し、組み入れていく必要がある。
  • 2.学習科学・協働学習について
     iPadを使うことで、多様な学習方法をとることができ、新たな学び方を身に付けさせることに効果があった。教師が児童の思いを引き出し、自主的な学習にしていかなければならない。教師側の授業スタイルの意識を変えていくことが大事である。

2年間を振り返って、自己評価・感想

 パナソニック教育財団の特別研究指定校として研究活動をしていく中で、iPad活用について考えさせる良い機会を頂いた。まずは、教員が使い、教材を提示する機器として活用からスタートしていった。教員一人一人が使っていくことでiPadを特別な機器から、身近な機器となり、「もっとこうしたい」「こんな使い方はできないのか」など、話し合う姿が見られていった。教員が積極的に活用していく中で、子どもたちにも身近な機器として活用していくことにつながっていった。「考えを伝えるツール」としての活用はよく見られるようになっていったので「考えを深めるツール」としての活用の仕方を今後は考えていくことが必要だと考えられる。ただし、「考えを伝えるツール」として、子どもたちが教科だけにとどまらず、委員会活動、クラブ活動、縦割り活動、係活動などで主体的に活用することができ、高学年が全校に発信する姿が見られる。その姿を見た下の学年がさらに進んで効果的に活用していけるよう今後も研究を続けていきたい。

アドバイザーコメント
放送大学 教授 中川 一史 先生

1.再考:本校の取り組みについて
 本校の研究課題に迫るために、何より短期間での校内の研究として、特に協働学習の在り方を核に据えて、検討を重ねてきた。具体的には、①深い学びにつながる課題の吟味、②個の学びを醸成する場の保証、③論点の明確な整理、④個々のスキルの向上、⑤コミュニケーションツールの活用に焦点を当て、助言してきた。そしてまずは、その授業イメージを持つことに注力した。授業の提示と検討会を通して深めていった様は、本校の活動報告書に書かれている。
 本校のテーマは、少し散漫になり、欲張りすぎた感はあるものの、次期学習指導要領の実施に向けて、向かう方向性は、重要になってくると思われる。

2.今後の課題・期待
 前述したように、本校のテーマは今後ますます注目されるキーワードが満載である。そして研究期間が終了した今こそ、地道にテーマに関する実践を継続していくことが重要である。少しずつでもある学年だけでも意識していってほしい。また、特に高学年で成果を上げた内容を、低学年・中学年での日常的な学習活動にも適用していくことが今後重要になろう。

3.他校の参考になる助言など
 授業において、単に表面的に話し合い活動をするだけでは、深い学び・対話的な学び・主体的な学びの過程の実現には至らないし、本校で目指す協働学習の成立にはならない。論点を明確にして、話し合いを深めていくさまを筆者は「からみ」とよんでいる。また、児童が自分の考えをゆさぶられることを「ゆらぎ」とよんでいる。「からみ」には、児童同士が知恵を出し合い乗り越えなくてはならない学習問題・課題の吟味が重要になる。必然性・切実感のある問題・課題であるかどうかを検討せずして、児童にとって実のある議論の場にはならない。また、児童一人ひとりが、考えを深め、ねりあげる場の保証も必要になる。すぐに話し合いの場にしてしまうと、一見、活発に見えても、議論が深まっていなかったり、グループの中で発言できない子が出てきたりしてしまう。それは、個人ベースでの考えの醸成が十分にできていないから起こることだ。一人一人に寄り添うことで、個々がどのような思いやこだわり、迷いをもっているかを把握することもできる。その際に、思考を可視化するツールとして本校でのICT活用は参考になる。
 もう1つが「ゆらぎ」だ。授業の中で、どのように生徒個々の思考の「ゆらぎ」を自覚させ、迫ることができるかが課題となる。淡々と何の疑問もなく作業が進む場面には、「ゆらぎ」も起こらず、「からみ」のある話し合いにはならない。例えば、友だちとの意見の相違や、伝えたことが伝わっていないという「ずれ」から「どうしてだろう?」という「ゆらぎ」が起こることがある。この場合、「ずれ」をどのように生徒に自覚させられるか、が重要だ。「ずれ」を自覚する際にもICTは、それを際立たせるのに役立つ。
 このような授業での検討がたくさんあった、本校の報告をぜひ参照いただきたい。