広島県立福山特別支援学校
第52回特別研究指定校研究課題
肢体不自由教育におけるデジタル教材を用いた学習効果向上の可能性
~「没入型体験活動学習システム」の構築に向けて~
~「没入型体験活動学習システム」の構築に向けて~
広島県立福山特別支援学校の研究課題に関する内容
| 都道府県 学校 | 広島県 広島県立福山特別支援学校 |
|---|---|
| アドバイザー | 新谷 洋介 金沢星稜大学 教授 |
| 研究テーマ | 肢体不自由教育におけるデジタル教材を用いた学習効果向上の可能性 ~「没入型体験活動学習システム」の構築に向けて~ |
| 目的 | 本校は肢体不自由教育特別支援学校であり、身体障害と知的障害を併せ有する重度重複障害のある児童生徒が多く在籍している。児童生徒は身体を自由に動かすことができず、日常生活のほとんどを教員等の手を借りて学校生活を送っている。身体的な理由から、自ずと経験の幅が狭まってしまう。そのため、ICT機器を活用した体験的な学習環境を提供することで、より学習効果が高まるものと考える。刺激情報が除去できる簡易的で移動可能な部屋の設置、その中で様々な学習コンテンツを全方位投影できる設備、タッチ操作できる学習コンテンツなどを用いる。つまり、学習対象の世界観に没入でき、学習効果を高めていくための、「没入型体験活動学習システム」を構築することが目的である。 |
| 現状と課題 | 肢体不自由を有する児童生徒は、身体の動きに困難さがあることから、体験や経験が不足しており、そのような学習機会が限定されてしまう傾向にある。そのため、本校では、児童生徒の体験や経験の幅を広げることができるよう、校外学習や体験学習を取り入れながら学習機会を増やしていけるよう、日々検討を重ねているところである。一方で、年々高度な医療的ケア(経管栄養、気管切開、高頻度の吸引、常時呼吸器装用等)を必要とする児童生徒の在籍が増加しており、今までより一層、環境変化による体調不良、骨折等の突発的な事故による治療など、健やかな生活を脅かすリスクに対する対策が必要であり、おのずと学習機会の幅が狭まってしまうのが現状である。また、重度重複障害の特性として、視覚、聴覚、触覚などの刺激情報を処理することが難しく、様々な刺激情報に左右されやすい児童生徒にとっては、本当に学習したい事柄のみに集中することが難しい。 |
| 学校情報化の現状 |
現状として、広島県から貸し出しを受けているiPad86台(児童生徒用一人一台端末)、モニター30台、校務用ノートパソコン32台、授業用ノートパソコン・授業用iPad17台、授業配信用カメラ3台、授業配信用スイッチャー4台を保管している。 日々の教育活動において、一人一台iPadを用いたり、パソコンを用いたりしている。さらに、学校行事や研究授業、研究会において、カメラやスイッチャーを用いている。 |
| 取り組み内容 |
本校の教育課程は、児童生徒の実態に合わせてⅠ類型からⅣ類型まである。通常学校に準ずるⅠ類型、知的障害特別支援学校に準じたⅡ類型、自立活動の学習を中心としたⅢ類型、そして訪問教育のⅣ類型に分かれており、実態は様々である。「没入型体験活動学習システム」を構築する目的は、学習効果を上げることである。そこで、児童生徒の発達段階に応じた、3つの発展的な学習コンテンツを提案したい。世界観に没入できる環境設定や児童生徒が魅力を感じる内容を提供することを前提とし、主体的な参加・活動を促せるよう工夫していく。例えば、追視や注視能力の向上を目標とする場合、ペーパードーム内に水族館や動物園の360°映像を投影することで、視覚刺激を限定した環境下において主体的な視覚認知学習2026年度(第52回)実践研究助成が期待できる。また、上肢のリーチやタッチ動作の向上を目標とする場合、ペーパードーム内にタッチ操作型コンテンツを投影することで、動作に集中できる環境下において積極的な上肢動作・操作学習が期待できる。ここでは、指尖への感覚フィードバックを取り入れ、因果関係の学習も促進する。さらに、他者とのコミュニケーション能力の向上を目標とする場合、VR装置を用いた仮想現実空間での生活においても、高度なコミュニケーション能力の向上が見込まれる。 児童生徒全員が取り組んでもらうために、第1セグメントから第3セグメントを設定し、各々の実態に合うように内容を調整することとする。第1セグメントは、「みる」の区分である。360°プロジェクターを用いて、水族館や動物園など校外活動の疑似体験できるようにしたい。第2セグメントは、「ふれる」の区分である。デジリハが提供している手や足、眼球の動きでタッチ操作できる学習コンテンツを提供したい。第3セグメントは、「けいけん」の区分である。VR装置を用いた仮想空間でのスポーツ競技ができるようにしたい。 |
| 成果目標 |
1.成果目標 肢体不自由教育におけるデジタル教材を用いた学習効果向上 2.評価手法 実践前、実践後の結果における肯定的評価の増加。 実践中の児童生徒の変容 3.期待される波及効果 この取組みの実践が校内で確立できた際には、広島県で行われている肢体不自由教育研究会で実践報告を行い、本校だけではなく、県全域の肢体不自由教育の学習効果向上につながることが期待できる。 |
| 助成金の使途 | マルチモニター出力グラフィックボード、プロジェクター・スタンド、metaquest3、Insta360 X3、ペーパードーム、デジリハ 教育コンテンツ、JAET全国大会旅費、タッチディスプレイ他 |
| 研究代表者 | 三堀 正貴 |
| 研究指定期間 | 2026年度~2027年度 |
| 学校HP | https://www.fukuyama-sh.hiroshima-c.ed.jp/ |
| 公開研究会の予定 | 広島県肢体不自由教育研究会、日本教育工学協会にて報告予定 |






