静岡市立横内小学校

第47回特別研究指定校

研究課題

誰一人取り残すことのない学校をめざして
~端末の持ち帰りが子供の学びを「つなぐ」「ひろげる」「つみかさねる」~

2022年度04-07月期(最新活動報告)

最新活動報告
大量人事異動と報告・連絡・相談の徹底呼びかけ......

アドバイザーコメント

高橋 純 先生
GIGAスクール構想も本格的な実施から2年目となった.......

静岡市立横内小学校の研究課題に関する内容

都道府県 学校 静岡県 静岡市立横内小学校
アドバイザー 高橋 純 東京学芸大学 教授
研究テーマ 誰一人取り残すことのない学校をめざして
~端末の持ち帰りが子供の学びを「つなぐ」「ひろげる」「つみかさねる」~
目的 ハイブリッドな学習を進めたり、学校に適応できない子供への個別の対応をしたりしていくために、静岡市教委が予定しているよりも早く端末の持ち帰りを試行する。行政と課題を共有しながら、成果を明らかにすることで、端末持ち帰りを全市に広げていく。
現状と課題 クロムブック端末は、4年生以上の台数分を整備済。児童全員分が揃うのは、令和4年度の見込み。高学年での端末の授業活用や、行事や集会での活用は進んでいる。端末の持ち帰りについては、市教委もその必要性を感じてはいるが、環境の整わない家庭への対応などができないため、手が付けられていない。
学校情報化の現状 大型モニターや書画カメラがようやく教室に揃い、学校情報化の入口にいる状態。特にプログラミング教育など情報教育の面で遅れている。1人1台端末の整備も遅れており、低学年での活用が進んでいない。
取り組み内容
  • ・5、6年生の児童(約200名)全員が端末を家に持ち帰り、家庭学習を行ったり授業の復習に活用したりする。
    Wi-Fi環境の整っていない家庭が10%程度あるので、学校で用意するモバイルルーターを貸し出す。
  • ・家庭との連絡用に端末を活用し、子供の様子を知らせたり、簡易な連絡手段としたりする。
  • ・不登校児童・別室登校児童とのオンライン学習の実践
  • ・一人も取り残さないオンライン学習(ハイブリッド学習)の実践
成果目標
  • ・端末の使用方法や情報モラル等、持ち帰りによって生じるであろう課題を学校と家庭が一体になって解決しながら、学校でも家庭でも、端末を使うことが特別ではなく、文房具のように当たり前に使用できる。
  • ・不登校児童・別室登校児童も、端末を活用することで、自分の居場所を学校につくることができる。
助成金の使途 モバイルルーター賃借料、先進校視察交通費他
研究代表者 新井 義広
研究指定期間 2021年度~2022年度
学校HP https://yokouti-e.shizuoka.ednet.jp/
公開研究会の予定 9月30日(木)、3月1日(火)

本期間(4月~7月)の取り組み内容

○タイピングスキルUP

 4月、4年生以上の学級で端末の利用が始まった。端末活用の基本は、タイピング力をつけることである。キーボード入力のスキルの有無が、学習の質にも影響してしまう。「タイピングは運動能力」という信州大学佐藤先生の言葉を受け、一斉にタイピング練習に取り組むことにした。

子供たちが楽しく興味をもってタイピング練習ができるよう、鈴木教育ソフトの「キーボー島アドベンチャー」を利用した。ゲーム感覚で、入力が上達するごとに級が上がっていくので子供たちが意欲的に取り組むことができた。

 次に、一日の出来事を振り返りながら、タイピングの力と書く力をつける練習も行った。5分間でどのくらいのタイピングができるか、毎日記録をつけて、自分の上達の様子を可視化した。毎日5分を続けることでタイピング力は下のグラフのように飛躍的に向上した。

○保護者への説明

 端末を使うことが、単にワープロの練習をしたり表計算ソフトの使い方を覚えたりするのではないかといった既成概念でとらえている保護者もいる。GIGAスクール構想とは何か、これまでの授業とどう違うのか、端末を導入することでどんな利点があるのかなど、保護者会で説明を行った。

さらに、保護者の「情報モラル意識」を高めていくことが必要と考え、保護者会でも注意喚起を行うとともに、折に触れて、写真や動画の取り扱いについての注意喚起を行っていくことにした。

 GIGAスクール構想についての情報提供については、全校の保護者への周知を図るために、学校独自の「Yokouchi GIGA News」を発行し、GIGAスクールの基本的な考え方や静岡市の取組、学校の取組をわかりやすく伝えるようにした。さらに、学校ホームページでも、端末を使った授業の様子を、「Yokouchi GIGA News Online」として情報提供している。授業にどのように使われているのか、端末を使うことにどのような効果や良さがあるのかを引き続き伝えていきたい。

○モバイルルーターについて

 各家庭のWi-Fi環境の調査を行った。5年生も6年生もWi-Fi環境の無い家庭は4~5家庭程度だった。モバイルルーターは、NTTMEDIASの「DoRACOON」を利用する方向で検討している。試用したところ、問題なく接続することができた。スマートフォン程度の大きさで、携帯にも便利である。体育館にWi-Fi設備が無いので、このモバイルルーターを体育館で使用し接続すれば(10台程度の接続が可能)、体育の授業でも活用できるのではないかと考える。

○端末の持ち帰りについて

 夏休み前に、5年生の1クラスで試験的に端末の持ち帰りを行った。持ち帰りを行う前に、持ち帰る目的、期間、持ち帰った際にどのようなことを子供たちが取り組んでいくのか等を記載した通知文を保護者に通知した。子供たちには、端末を使うときの注意事項や家庭での使用方法や使用時間など説明を行った。

 端末持ち帰り後、子供たちと保護者に向けてアンケート(フォーム)を行った。持ち帰りに関する「課題」についての結果は以下の通りである。

子供用アンケート結果

保護者用アンケート結果

 結果から、子供たちよりも保護者の方が課題を感じていることがわかった。持ち帰り成功のためには、保護者の協力が欠かせない。保護者の理解と協力を得るためにも改善できる部分については早急に対応していくこととした。

 これらの改善案をもとにして、夏休み明けから5・6年生の持ち帰りを始めようと考えている。

○不登校の児童とオンラインでつなぐ取組

 担任とのやりとりが始まり、該当児童と担任とのコミュニケーションが定期的に取れるようになってきた。現在は1か月に3回程度Meetでの連絡を行いながら、学校の様子や家庭での様子について双方向でのやり取りを行っている。限定コメントを利用しながらの連絡も始めている。ただし、焦ると失敗するので、保護者の反応も見ながら、地道に進めていきたいと考えている。さらに、他の学級の登校できない児童とのやりとりも予定があり、今後どのように活用できるかを探っていきたい。

アドバイザーの助言と助言への対応

○子供の立場で考える

  • ・より良く学ぶために ICT を活用するのであって、授業をよりよくするために ICT を活用 するのではない。常に子供の立場で、「より良く学ぶ」ということを考えて実践していく。

○持ち帰りは手段である

  • ・学ぶということはどういうことかを考えてほしい。その結果端末の持ち帰りが必要であ るということなら、そこに必然性が生まれる。持ち帰りありきでは駄目だ。学びの仕方 をゼロベースで考えて取り組んでいく。

○「ラクで便利」なら活用はどんどん進む

  • ・授業だけで効果的に活用しようと思わず、学級活動や特別活動などいろいろな場面で端 末を利用していく。「ラクで便利」と気づけば、自然と活用が広がっていく。ICT に慣れ た人がどんどん活用の幅を広げていくはずだ。

○反転授業の学び方 クラスルームの使い方

  • ・繋がりながら学んでいく。持ち帰りをした意義があった!ということが1つでもあることが大切。
  • ・持ち帰りの意義が学校ごと異なるだろう。昨年度実践した内容を職員に共有し広げていくところからはじめる。
  • ・「つなぐ」がキーワード 家庭と学校をつなぐ 不登校児童とつなぐ 予習復習とつなぐ。

○反転授業

  • ・NHK for Schoolは非常に有効(反転授業に活用するとよい)。それらを見た上で授業に参加する。
  • ・個別最適化のためのAIドリルの導入→家での復習のためにAIドリル等を活用しソフト面の支援をしていく。
  • ・持ち帰り宿題から持ち寄り宿題に転換する→家庭学習をやってくることが学び合いにつながる。例えば、音読をするなら、家で実際に読んだものを録音して Before→Afterを確認する。子供が宿題をやっている姿が見える。お家の人にも参画してもらうことが可能。

○オンラインでの授業参加

  • ・通常級においても、支援の必要な子への手立てが大切である。オンデマンドはゆっくりと自分のペースで見ることができるので有効。
  • ・特別な支援が必要な子だけでなく、どの子も聞いて見て学べることが大切。
  • ・カメラの配置 家から参加しやすい位置を考える。置き方も重要である。

○導入されていない学年はどのように取り組んでいくか

  • ・1〜6年生で情報モラルを学ぶ上で、何が重要なのか、何を育てていくかを考える。
  • ・単元で紐付け、全校体制で各教科と単元でどこで情報モラルを設けることができるか計画を立てていく必要がある。

本期間の裏話

  • ・ある日6年生の女子3人が校長先生に聞きたいことがありますと言って校長室を訪れた。3人はクロムブック端末を持ち、まるで取材記者のように話しはじめた。内容は、自分たちが疑問に思っていることについて、行政の担当者にメールを出しても良いかというものであった。端末には相手にどのようにメールを打つか、見事に推敲された文章が書かれていた。その時の子供たちの様子は、自信をもって、自分たちの考えを聞いてほしいという姿だった。端末を持っているからということではないかもしれないが、端末が子供たちのお守りのような、ある意味武器のような感じもして頼もしく感じたのである。

本期間の成果

  • ・4~6年生については、端末利用にかなり慣れてきている。特にタイピング力は飛躍的に向上し、授業でも実用的になるくらいの力がついてきている。
  • ・授業以外の日常的な利用として、例えば、係活動の問題点を仲間で共有し、課題を解決するためにどのような取組を行っていくかを考えてプレゼンしたり、児童会の活動で話し合いの内容をリアルタイムで端末でまとめ、それを大型モニターに提示するとともに、印刷して配布したりするなど、大人顔負けの活用も見られた。紙と鉛筆、黒板とチョークという従来のアイテムだけでなく、端末が便利な道具として子供たちに根づき始めていることがうかがえる。
  • ・端末の持ち帰りについては、5年生の1クラスで試行を行い、課題も見えてきた。子供や保護者の意見を整理した上で、扱い方の基本や情報モラルの確認をして、5・6年生に広げたい。

今後の課題

  • ・端末の整備されていない1~3年生は、当然ながら活用は進んでいない。さらに、低学年の文字入力について、あるいは文字入力に代わるものについて、研究が進んでいない。カメラや手書き文字等を活用しながら、どのような活用方法があるか、先行事例を参考に取り組んでいきたい。
  • ・端末の持ち帰りに当たっては、保護者の理解が欠かせない。端末を持ち帰ることで何が変わるのか、端末を持ち帰って何をしたいのか、メリットやデメリットの具体を示しながら、丁寧な説明を行っていく必要がある。
  • ・端末の持ち帰りを5・6年生の全クラスに広げることで、さらに学校体制としての取組を強化する必要がある。「端末が学校と家庭を行き来するだけ」ということにならないようにしなければならい。持ち帰って何をするのか、家庭学習のあり方や、予習復習の工夫など、よりよい学習をするための取組を進めていく。
  • ・不登校児童や別室登校児童とのオンライン学習の取組については、該当する児童の状況を見ながら、慎重に取り組んでいく必要がある。ようやくつながった糸を切らないように、児童や保護者に情報を提供しながら、対話を重ねていきたい。

今後の計画

  • ・8月中にモバイルルーターの契約を行い、9月からの持ち帰り実践に備える。
  • ・端末持ち帰りについて、児童や保護者への説明プレゼンやマニュアルを用意する。
  • ・端末持ち帰りについて、保護者への通知や誓約書等を、市教委の考えと擦り合わせを行い、作成する。
  • ・端末持ち帰りについて、児童や保護者の不安や疑問に答えられるよう対応を考える。
  • ・全学年を通した情報モラル教育についての系統表を作成し、教科の単元の中に位置づけながら適切に指導が行えるようにする。
  • ・不登校児童、別室登校児童とのオンライン学習について、どのようなことが可能か、個々の児童の様子を考えながら計画を立てる。

気付き・学び

  • ・1人1台端末は、子供たちがより良く学ぶための計り知れない可能性をもったツールである。しかし、これまでにない取組であるために、教職員にも保護者にも戸惑いがある。加速度的に進むGIGAスクール構想であるが、一度立ち止まって、誰のために、何のために、どのように取り組んでいくのかを確認し、強さだけでなく優しさをもって取り組んでいきたい。

成果目標

  • ・端末の使用方法や情報モラル等、持ち帰りによって生じるであろう課題を学校と家庭が一体になって解決しながら、学校でも家庭でも、端末を使うことが特別ではなく、文房具のように当たり前に使用できる。
  • ・不登校児童・別室登校児童も、端末を活用することで、自分の居場所を学校につくることができる。
アドバイザーコメント
高橋 純 先生
東京学芸大学
教授 高橋 純 先生

 第47回特別研究指定校に指定された静岡市立横内小学校の研究が始まった.コロナ禍により,未だ学校を訪問できていないが,テレビ会議と報告書からコメントをしたい.

 本校のテーマは「誰一人取り残すことのない学校をめざして」であるが,同時に,「端末の持ち帰り」というキーワードも示されている.PCをうまく活用することで,今後,誰一人取り残すことのない取り組みが始まるのであろうが,まずは,報告書にあるように,スキルの育成,ルール作りなど,基盤となる取り組みが欠かせないであろう.

 このように, GIGAスクール構想の実現のために,我々は過去の莫大なツケを払うことから始めなくてはならない. 2010年代,我が国はPISAをはじめとした様々な国際調査において,紙の調査では最上位であるが,CBT(コンピュータ利用型テスト)であったり,情報化に対応した問題であったりすると成績が落ちた.子供に限らず,成人,ビジネスパーソン,いずれの日本人を対象にしても同様の結果であった.紙なら誰にも負けないといってみても,もはや社会ではICT活用を含んで人の実力が評価される.未だ紙と鉛筆のみで人が評価されるのは学校のテストくらいかもしれない.まずは,大人も子供もICTに慣れ,ICT活用スキルを鍛えるところから始めるしかない.

 子供はICT活用に慣れており,あっという間に覚えるというのも,誤解を招く考え方である.PISA2018において,ICTの活用頻度に関する質問のほとんどが世界最下位であったが,世界一位であったものが2つある.それはゲームとチャット(LINE)の活用である.つまり,日本の子供たちは世界で一番,遊びにICTを活用している.大人たちができると思い込んでいる子供のICT活用の実態は「遊び」なのである.遊びと学習ではICT活用のレベルは大きく異なる.実際,ICTによる読解力の調査では有意に順位が落ちた.結局,紙と同様に,大人がしっかりと指導しないと,子供に力はつかないのである.

 一方で,一部の大人にとっては,「ICT=遊び」のイメージが定着している.このような大人にとっては,家庭への持ち帰りや,授業でICTを活用するようなことは許し難い.そうでなくても,動画を禁止すべきとか,チャットやメールを禁止すべきとか,遊びにみえるツールを軒並み禁止すべきだと主張する.しかし,学習や仕事にも活用できるツールを禁止することは,子供のさまざまな機会の損失になる.ICTは,学習や問題解決の道具,子供自身が将来を切り拓いていくために欠かせない道具という考え方を浸透させていく必要がある.現状,このような良質な活用法が優位になるような意識の醸成から始める必要もある.

 ICTが,これまで学校教育でしっかりと扱われてこなかったことのツケは,学校や家庭,社会など,様々な人々の大きな意識の差となって現れている.こうしたことを克服した上で,誰一人取り残すことのない学校づくりのためにICTが活用できるようになるかどうか,本校の今後の取り組みに期待したい.

本期間(8月~12月)の取り組み内容

【静岡市の実情】

  • ・2021,11月〜 教師用端末及び3年生以上の児童用の端末が配備
    1,2年生の端末については未配備(来年度配備予定)
  • ・2021.11月 ローカルブレイクアウトを行い、通信状況改善。
    デジタル教科書(算数)も閲覧できるように改善された。

【端末持ち帰り】

1 4年生持ち帰りについて
  • ・4年生についても10月から持ち帰りを実証開始。
    持ち帰りに関する説明については校内で同様のものを使用し、共通認識のもと持ち帰りをスタートさせた。

現時点で持ち帰りに関しては以下のような取り組みを行っている。
持ち帰りに関する調査結果(10月8日集計結果)
調査対象:4年生保護者101名 10月6日

テキストマイニング分析結果

やはり5,6年生同様に破損に関する心配が数多く寄せられた。町田市のニュースのあととということもあり「いじめ」に関しての心配も寄せられた。

アンケート自由記述等から

今後も持ち帰りの有用性については検証が必要である

2 持ち帰り実践内容の具体
①予定配信
  • ・予定内容、宿題、持ち物等のお知らせは各クラスのClassroom内でお知らせしている。
  • ・児童から持ち物の確認(出入り教科)を行っている学級もある。
  • ・家庭学習で使用するツールのリンクを貼り付けるなどして、何をするのかが明確になるようにしている。(毎日の家庭学習ではないが)
  • ・各学級ごと投稿の仕方は異なるものの、時間割の投稿はフォーマットになっている。
②反転学習等

☆6年体育 試技動画を見ながら振り返り(スライド)

  • ・家庭で振り返ることで、運動量を確保できる。
  • ・自分の姿を客観的に捉えることで成果や課題を明確に。お手本の動画と比べたり、練習方法を工夫したりすることにも繋がった。
  • ・単元を通して振り返りを同じスライドにまとめることで、スタディログとした。

☆6年国語 自分の考えを書く、友だちの考えを共有(スライド)

  • ・「鳥獣戯画を読む」で授業で学習した筆者の工夫を活かして自分でやってみる。
  • ・全員で同じスライドを共有することで、友だちの考えのいいところにも目を向け宿題に取り組むことができる。
  • ・次の日の授業では、コメントを送り合い、互いの考えを共有する。

☆5年社会 自分の意見を送信(Google form⇢スプレッドシート)

  • ・授業中の振り返りを家庭で落ち着いて行う。
    フォーム⇢スプレッドシートの積み重ねを個人で行うことでスタディログとした。
  • ・教師からコメント機能を使用することで、学び方の修正を行うなどの取り組みを行った。

☆4年生 理科の星の観察

  • ・月の観察を1時間おき計3回行うことを宿題とした。学校で3枚の画像を重ねることで、月が東から南の空を通って西に移動していることを学ぶことができた。
  • ・撮影はICT機器を使用しなければできないため、持ち帰りがよさを生かした宿題であった。
  • ・1週間期間を設けていたが天気や時期が関係してくるのでうまく撮影できない児童もいた。

☆4年生 社会 噴火にそなえるまちづくり情報の収集と整理分析

  • ・探究学習として行っているが、授業時間内ではどうしても進度に差が出てしまう。授業でポイントなどを確認し、残った部分は家庭学習とすることで授業時間を有効に活用できた。

☆委員会での取り組み

  • ・掲示板としてクラスルームを活用しており、スムーズに5,6年生に連絡がとれる仕組みになっている。
  • ・体育新聞を作る企画もスライドを共同編集しながら行っている。

☆各係での取り組み

  • ・道徳での学びを受けて、教科係が自然を守ることの大切さを訴えるスライドを作成

⇢端末持ち帰りを行うことで、児童の主体性や創意工夫の幅が広がっていると感じる。

③保護者説明会のオンデマンド化
  • ・例年は保護者に来校していただき宿泊行事の説明会を行っていたが、今年度はオンデマンドで説明会を開催した。感染症対策ができ、オンデマンドなので保護者の方の都合のいい時間にみることができるというメリットがあった。
  • ・フォームで動画の視聴ができたかどうか確認し、できていない家庭にはサポートも入ったが、ご家庭によっては期間内にみることができなかったり、フォームでの回答を忘れていたりして全員の確認がとれるまでに時間がかかった。
3 授業改善の視点

端末の活用については以下のようなステップを踏んでいくと考える

個別最適な学び 協働的な学びを通して、児童生徒が深い学びを行う事ができるようにしていくには、授業改善は必須である。

特にICTを使用することで、個別最適な学びはより実施しやすくなり、学習者主体の学びはできやすくなっていると言える。

☆学習進度別学習の実践(算数)

個別最適な学びに向けて、学習進度別の学習を実践。

授業開始時に下のような小テストを実施し、定着具合を把握し、個別への支援等を行った。

個人、ペアなど進度別にする中で、学び方はより多様になっていった。

本期間の裏話

 持ち帰りを行っていく中で、児童生徒からの様々な投稿がなされるようになってきた。各教科で学んだことをスライドにまとめたり、小テストを作成しクラスに投稿したりするなど、学校と家庭での学びが繋がっていることを実感する機会が増えてきている。また学校では積極的に発言をするような子ではないものの、端末を利用することでこれまでにない積極性を示す児童も出てきている。

 各家庭でどのようなことに取り組んでいるのかこれまでは把握しきれていなかったが、静岡市が導入した授業支援システム(Winbird)により、家庭でどのように使用しているのかを良くも悪くも閲覧できるようになった。その中で、児童生徒の端末の利用方法に本来の目的とのずれを感じる部分もあった。どのように端末を家庭で利活用していくのか、今後も校内として検証・研修していく必要性を感じた。

本期間の成果

 端末を持ち帰ることでしかできない授業実践も数多く寄せられた。反転学習や夜の月夜の観察など、これまではできなかった取組ができるようになってきている。校内として「独占禁止法」と称し、各実践や資料等を共有することを提唱している。学年内でClassroomに所属し合うことで、良い実践を真似したり、新たなエッセンスを入れたりすることで学級の実態に合わせた実践を無理なく行うことができるようになってきている。

今後の課題

 学年や学級により、端末の利用についてはまだまだ差があるというのが実情である。YGC(端末操作職員研修)を不定期ではあるが、開催しているものの、端末導入が遅れた3年生とまだ未導入の1,2年生と、4月から導入されていた4年生以上の学級・教員では悩みの内容も大きく異なってきている。ICT支援員と協力しながら、職員全体の底上げ研修を今後も引き続き行っていく必要性を感じる。またOJTの観点から役割分担をしながら、様々な操作研修や模擬実践を行っていきたい。

 また先述したように児童の端末利活用の方法について再度見直す機会が必要であると感じる。どのように活用していくべきなのか、ルールを押し付けるのではなく、子供たちと共に再確認しながら進めていけるようにしたい。

今後の計画

2022年3月1日 実践授業2学級 3年生、6年生

  • ・(保護者&児童アンケート/フォーム及び実践共有)持ち帰り3ヶ月後をめどに次回は1月頃実施予定
    ⇢持ち帰りに対して不安に感じている保護者が10%以下となるようにしていきたい。また持ち帰りに関しての有用性を感じることができるようにしていく

【不登校児童・別室対応】

  • ・不登校児童との情報共有の強化(児童と児童を結ぶ/Meet)
  • ・不登校児童への学習保障(授業の紹介やサイト等の活用/サイトやドライブ等)
  • ⇢学びについてのフィードバックを定期的に行う。
アドバイザーコメント
高橋 純 先生
東京学芸大学
教授 高橋 純 先生

 GIGAスクール構想では,各地で整備や実践のペースが異なる.現時点において地域全体でスムーズに進んでいる地域では,1)これまで何年もの積み重ねがあった.2)GIGAスクール構想の基本であるクラウド型のコンピュータに教職員が慣れることから行った,の2点の影響が大きいように思われる.

 1)の積み重ねについて,キーボード操作はもちろんのこと,そうした情報活用能力の育成が,学校や地域のカリキュラムとしてしっかりと取り組まれてきた地域は,機器操作に習熟しており,関連して制度やルールも整い,そうしたことを支える先生や子供,保護者のマインドも柔らかい.特にマインドの差は大きく,これまで何年,何十年も取り組んできた地域と同じ成果を短期にあげることは不可能といえるほどの差が全国にある.例えば,「ICT活用にどのような効果があるのか」「ICTらしい活用法とは何か」「デジタルとアナログのベストミックスを考えよう」といったことを議論しているような地域では,まだ時間がかかることだろう.ICTやデジタルを,我々にとって慣れている「包丁」などに置き換えれば分かる.「包丁にはどのような効果があるか」「包丁らしい料理法を検討すべき」などとはいわない.自然に当たり前に活用するマインドがある.

 そして,クラウド型のコンピュータに慣れることも欠かせない.従来の活用法でも活用はできるが,大して便利さを感じないだろう.ましてや一部の自治体にみられるような従来の活用法に基づいた,クラウドの良き特徴を打ち消すような設定やルールを定めている地域は,相当苦しいといわざるを得ない.それを乗り越えていたとしても,クラウドの特徴を活かした活用を指導者が直感的にできるかどうかの差も大きい.まずは自分自身が,情報共有や協働活動の際に,なんて便利なのだろうかと感じる程度に慣れてみることが欠かせない.校務に活用してみれば,クラウド活用によって,かなり改善することを実感するであろう.結果,子供にも使わせてみたいと思いはじめる先生方も多い.それが自然とパソコンの持ち帰りにもつながっていく.

 静岡市では,報告にあるように,3年生以上への端末整備とインターネット接続環境の改善が終了したところである.まだまだこれからである.成果を焦ることなく,まずは先生も,子供も,保護者も慣れていくことが重要である.一方で,研究推進のために,慣れていくためのコツを各地から情報収集し,自校向けにアレンジするなど,必要な体験を最短で進めていくための工夫も重要である.そうした道筋を丁寧にまとめながら一歩一歩進んでいかれることを期待したい.

本期間(1月~3月)の取り組み内容

【ハイブリッド学習の実施】

 感染症に対する対策として、オンライン授業を基本としたハイブリッド学習を行うことを2月1日に決定。2月1日の放課後にオンライン授業に向けた操作方法や実施方法についてのプチ研修会を実施した。(Meet+実物投影機の紹介等)

 ある先生は、『朝不安すぎて4時30分に目が覚めた」とのことであった。10月に一度オンライン授業の練習をしていたものの、1日となると不安が大きかったようである。

 初日終了後に、情報共有。長時間画面を見続けることによる疲れも出るため、休憩時間等を意図的に確保すること、一方通行の授業とならないようにしたい(グループワーク等の活用)等、操作機器に関する情報共有。

 オンライン授業を受けた児童は3〜6年生の全学級で約90%であった。

【家庭学習ならではの取り組み】

家庭だからこそできる家庭学習。リコーダーの演奏がコロナ禍で難しいこともあり、家庭 で実践して動画として提出を行った。

すべて一人の児童がまとめたスライド。自主的な取り組み。端末を持ち帰っているからこその取り組みと言える。

児童作成の小テスト

別のテストでは小テストに対する解説書を自作する姿もあった。

端末を持ち帰ることが日常の一部に溶け込み始めているように感じる。

子供たちが自分自身で考えてどのように使っていくべきかを考える姿が学校内で増え始めている。良いノートを印刷して掲示して価値づけすることと同じように、端末の良い活用方法を価値づけし、全体に紹介することで、広がりが生まれるようにしていきたい。

【持ち帰りに関するアンケート(保護者向け)】1月実施

  • ・保護者の持ち帰りに対しての課題意識は、少しずつ「破損・故障」から「長時間使用」にシフトしてきているといえる。
  • ・「不安」に関しては、少しずつ少しずつ伝えていくことが大切。
  • ・破損・故障については引き続き心配の声。
  • ・どのように活用しているのか、周知ができている学級とそうでない学級との差が生まれている。

【持ち帰りに関するアンケート(児童向け)】3月実施

 児童は持ち帰りを行ったことで、学びを振り返りやすくなったり、学校と家庭での学びに連続性を感じることができたりできるようになっている。これまでにできなかったクラウドを活用した家庭学習等の実施により、事前に意見を考えたり、アウトプットしたりすることで、学びやすくなっていると感じている児童も約80%近くいる。端末の持ち帰りを行うことにより、学校そして家庭での学びに大きな影響が出ることが考えられる。

 教師側で想定される持ち帰りを行って良かったことから複数選択可としたアンケートを行った。項目は上記グラフの通りである。タイピング練習や時間割の確認など、授業そのものに関わることではないものの、端末操作スキルの向上や使って便利!と感じる使い方について肯定的にとらえていることがわかる。今後も子どもたちにとっても、教師にとっても便利と感じる使い方を行っていけるようにしていきたい。

 結果をさらに分析すると、学級による差があることもわかった。翌日の学習の予定の配信を行なっている学級ではほとんどの児童が選択をしていることからも、来年度以降、翌日の学習の予定の配信はデフォルトとしていけるようにしたい。

アドバイザーの助言と助言への対応

◯職員に向けた校務利用の推進のために(グーグルカレンダーを共有)

  • ・会議の出席・内容 →使いたくなる環境に!
  • ・名前入力→招待(空いている時間調整も可)
  • ・カレンダーは個人ではなく、お互いをつなぐもの(職場・家族)
  • ・最初は抵抗があるが、みんなでやれれば超効率的!
  • ・職員室ホワイトボードにも書かなくてOK

◯保護者のマインドをどのように変えていくか

 時間をかけて徐々に変えていくしかない。時間のかかるもので焦ってはいけない。
昔は「ナイフで鉛筆削れなければ✕」 だが、今は誰も使っていない。
同じように当たり前が変わっていくこともある。保護者にも端末の利用などの時間を設けてもよいのではないか。

◆来年度以降に向けて

  • ・校務利用の取り組みの推進(Google カレンダー等新たな切り口に)
  • ・保護者のマインドを変えていくために、保護者が体感する時間を設ける。
  • ・授業改善の視点での取り組みの実施。

本期間の裏話

【ハイブリッド学習の実施期間の話】

非常勤講師の先生方も「オンライン授業やるよ!」と言ってくださり、アカウントを配布。音楽や書写など通常授業と基本的には同じ日課となるように動けるようになった。

またあるベテランの先生の変遷

1日目:「実物投影機で黒板を映す」「挙手ボタンの活用」

2日目:「画面共有でクラスルームの指示」「動画のリンク配信」

3日目:「Jamboardを個人に課題配布・提出」

4日目:「ブレイクアウトルームで話し合い活動」

継続したオンライン授業により、取り組み方も変わっていった。また校内職員でも活発な情報共有が行われるようになった。

本期間の成果

  • ・Chromebookを用いた校務利用も少しずつ進んでいる(カレンダー共有、必要備品の書き出し等)。
  • ・委員会活動や係活動など様々な場面で活用することが日常化し始めている。
  • 端末をもって移動する姿も休み時間や移動教室でも見られる。
  • ・授業改善という視点での取り組みが増え始めている。
  • ・クラウドを想定とした家庭学習などの実施。
  • ・普段から持ち帰りを行っていることもあり、ハイブリッド学習へスムーズに移行することができた。
  • ・ハイブリッド学習を行ったことで、教員間で情報共有や実践共有の必然性が生まれた。

今後の課題

  • ・「まずはやってみる、使ってみる」段階は少しずつ浸透してきている。端末の活用が進んでいくことで、どのような授業を目指していくのか、学校内での共通の方向性がまだ定まらない。逆にいえば、1つの方向性には定まらないことも理解しつつある。
    →個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させていくことの共通理解を更に図りたい。
  • ・校内全体としての一歩を歩み出すまでには至っていない。
    →低学年の端末導入(来年度)で一歩を踏み出すことができるように低学年の導入指導(職員全体で考える体制づくり)、高学年が低学年に教える等
  • ・活用のあり方
    キーボードに頼らない活用(カメラ、音声等)
  • ※使ってみたいな!使いたいなという実践を共有

今後の計画

  • ・持ち帰りについては来年度も継続(4〜6年生 必要に応じて3年生)
  • ・学校の学習と家庭学習の連続性
    (家庭学習の見直し=学びの転換)

<来年度パナソニック教育財団訪問日>

6月22日(水)、9月12日(月)、1月26日(木)

1年間を振り返って、成果・感想・次年度への思い

 「まずはやってみよう」を合言葉に実践を重ねてきた。端末の持ち帰りを日常的に行うためのハード面を整えることからスタート。その後実際に持ち帰りを実施すると、荷物の問題、端末の使用内容や時間、持ち帰る意味などソフト面で考える場面が数多くあった。その都度、子供たちとどのように向き合っていくべきか確認しながら、子供たちと一緒に確認し考えていくことで、自分でコントロールして使用できる児童も増えてきたように感じる。

 端末を持ち帰ることで、意欲的に学習に取り組んだり、家庭と学校での学びに連続性を感じたりと、学び方も変化しつつある。自宅で動画を視聴し基本的な知識がある状態で授業に臨んだり、事前に意見や考えを送信したりすることで、学校だけで終わっていた学びを家庭と連続した軸で取り組むことができるようになった。また振り返りの一部を家庭学習として行い提出することで、落ち着いて授業の学びを振り返ることができた。スタディログとして、学びを振り返ることができるメリットに気づき、活用する児童も現れ、持ち帰りの良さを児童も教師も実感し始めている。

 一方で、保護者の中には、一定程度不安を感じているのが現状である。なぜ持ち帰るのか、持ち帰る良さとはどんなことがあるのかは一朝一夕では伝えることは難しい。特にPCを使った授業の経験がない保護者のマインドを変えるのはそう簡単ではない。少しずつ、少しずつでも変えていくことができるよう、保護者を巻き込んだ取り組みを来年度以降実施していきたい。子供たちの学びに向かう姿で示し、「持ち帰りっていいね!」という保護者の声が増えるようになっていくことを願う。

 校内としても職員でまず一歩踏み出すことができ始めている。授業改善や授業観を変えていくことが今後必須となっていくと感じる。今後も「独占禁止法」を発令し、良い実践や取り組みは職員間で共有し、普段の授業を変えていくことができるように取り組んでいきたい。

 最後になりますが、1年間ご指導していただいました高橋先生、そしてバックアップをしていただきましたパナソニック教育財団様があってこそ実践を深めていくことができました。ありがとうございました。来年度もよろしくお願いいたします。

アドバイザーコメント
高橋 純 先生
東京学芸大学
教授 高橋 純 先生

 本校の「まずはやってみよう」を合言葉に実践を重ねてきた,という報告は重要である.あまり活用をしたことがない時から,活用法をあれこれ考えてしまったり, ICT活用の評価はどうしたらよいかと議論してしまったりする学校がある.その結果,研究授業はともかく,日常の授業への普及や定着にはほど遠い実践が散見される.

 全国各地で,無意識にPDCAサイクルで考えてしまっているように思う.PDCAサイクルが有効なのは,概ねうまくいっていることを,さらにうまくやるためであって,一人一台端末の活用のようなごく初期段階の取り組みでも同じように通用するとは限らない.計画より,まずはやってみることが重要なのである.

 さらに重要な指摘は,「端末の活用が進んでいくことで、どのような授業を目指していくのか、学校内での共通の方向性がまだ定まらない。逆にいえば、1つの方向性には定まらないことも理解しつつある」である.初期段階では,現場の最前線を預かる先生方の試行錯誤や創意工夫,納得が重要である.各自が試行錯誤や創意工夫をすれば,当初は一つの方向に定まる訳はないし,何が正解かまだ分からないのであるから,一つに定める必要もない.各自の「教師の信念」に基づいた取り組みを,気楽に情報交換して,自分のものにしていく.こうしたプロセスを経て最終的に一つの方向にまとまっていく.だからこそ先生も納得しやすい.この指摘は,「まずはやってみよう」が,単なるスローガンではなく,実際に校内に浸透している証でもあろう.

 持ち帰りについての保護者アンケートも概ね好評といえよう.また,教師向けの「持ち帰りを行って良かったこと」のアンケート結果は,上位から「タイピング練習」「時間割の確認」「学んだことのふり返り」「事前の意見送信(フォーム等)」となっている.「授業そのものに関わることではないものの」と報告書には書かれているが,持ち帰りが日常化した姿は,こうした何気ない,学校での授業を支えるための周辺の活用になるだろう.社会人が便利に使うPCやスマホも,売上アップのための直接的な活用というより,売り上げを支えるために挨拶をするとか周辺の活用が多い.このアンケート結果も,とかく最初から学力向上などと考えがちの中で,まさに「まずはやってみよう」の積み重ねの成果であろう.

 次年度の引き続きの取り組みと報告を期待したい.

本期間(4月~7月)の取り組み内容

「変革の年 チームで動く体制づくり」

○大量人事異動と報告・連絡・相談の徹底呼びかけ

 本研究2年目に当たる今年度は,大量人事異動という大きな変革からのスタートになった。職員の半数が入れ替わるとともに,昨年度,本研究を推進してきた校長,情報教育担当,高学年担任といったメンバーに至っては,その半数以上が異動となった。公立の小学校である以上毎年の人事異動は免れない。持続可能な取組にするにはどうすればよいか,新しい情報教育担当として管理職・研修主任・各学年の情報担当他,職員と連携していくことを心掛けた。

 大量人事異動後の実情として,クロームブックを頻繁に活用する職員となかなか活用する機会がない職員とが混在しているということが挙げられる。要因として考えられるのは,まず学校によってクロームブックの活用に差があることが挙げられる。本校は比較的盛んにクロームブックが使用されていたが,そうでなかった学校から異動してきた職員にとっては,戸惑うことが多かったといえる。また,全学年一斉導入ではなく,昨年度4月に4年生以上,11月に3年生,今年度7月に1・2年生へと,段階的にクロームブックが導入されたことが挙げられる。これにより,特に低学年を受け持っていた職員は,クロームブックを活用する機会にほとんど恵まれなかったといえる。このように,頻繁に活用する職員となかなか活用する機会のない職員が混在しているという実情である。

 例を挙げると,静岡市では平成30年度から校務支援システムが本格導入されたため,その中の掲示板を校内の打ち合わせに使用する学校が多い。しかし,クロームブックが導入されると,本校ではクロームブックからGoogleのクラスルームにアクセスし,そちらへ投稿する職員も増えてきていた。しかし職員のクロームブック活用には差があるため,クロームブックのみへの提案だと報告連絡相談が徹底されない。そこで主幹に相談し,校内での打ち合わせ内容は必ずS.Komに入れてもらうようにした。クロームブックでの情報を見てもらうためにも,まずはS.Komで連絡し,その後クロームブックで確認するというやり方である。二度手間であるかもしれないが,変革の時期,大量人事異動のことを考えると大事だと考えた。このように,職員が半分以上変わったということもあり,どの分野においても,報告・連絡・相談の徹底が大事と考えた。

○校内研修によるChrome book活用の土台作り

 研修主任に協力を依頼し,年度初めの研修で,ちょこっとGIGAタイムの提案を行った。新しく異動してきた職員や,昨年度低学年担任で活用にまだ慣れていない職員も,どの職員も気軽にクロームブックが使えるようになるためのスタートアップGIGA研修というタイトルで行った。目指すゴールは,どの先生もどの子も使いたくなる,発達段階に応じたクロームブック活用だ。チームで助け合う校内研修体制を育成したいと考えた。昨年度高学年担任だった職員や,新しく異動してきた職員でもクロームブックの活用推進を行ってきた職員へ協力を仰いだ。そして2週間に1度,20分程度の時間でちょこっとGIGAタイム(教員ミニ研修)で教え合うことを提案した。

 小学校はクロームブック活用以外にもやることがたくさんある。本校は体育研究校として56年間の歴史があり,その研究とも並行して行わければならない。そんな中でクロームブック活用推進研究を行うための工夫である。

  1. ①ちょこっとずつ→積み重ねて→無理なくできるように
  2. ②困ったことを「わからない」「教えて」を言える職員チームになるように
  3. ③やってみたら楽しくなった!を感じられるように

と提案し協力を呼びかけた。

 5月に2回,6月に1回実施。実際に体験したり,作ったり教え合ったりする中で教員の使いたいという意欲づけ,きっかけづくりとなった。また振り返りも4・5月実施し,できたこと・困ったこと・できるようになりたいことなどを共有し,改善策を話し合った。時間が足りないところは情報担当に協力を依頼し,回覧して改善策を募集し共有した。また6月から配置されたICT支援員にも共有し,支援内容の相談に活かした。

○持ち帰りの推進

 高学年部は昨年度4年生以上で持ち帰りを経験していた職員が多く,持ち帰りのメリットを理解している職員が多かった。担当が動く前に,「いつから持ち帰れる?」と声があがるほどだった。

 昨年度の流れを確認し,保護者懇談会で校長と情報教育担当より話をしてからということに決まった。4月15日(金)の懇談会では,3年生以上の保護者に対してクロームブック活用と持ち帰りの話をし,5・6年生は4月18日(月)より持ち帰りを実施した。また,4年生は6月,3年生は9月あたりから持ち帰ると見通しを伝えた。加えて,昨年度に続き横内小のクロームブック活用のルールプリントを使って担任から子供たちへ話をし,家庭に持ち帰ったら子供からも保護者に伝えるようにした。持ち帰って行うことの主な内容には,翌日の予定や持ち物についての連絡の確認,オンライン音読カード(一言日記)の活用,体育の振り返りの記入,音源を活用した音楽の鑑賞の宿題,NHK for schoolの視聴とまとめなど各学年と各クラスの実態に応じて活用をすすめた。

○GIGA研① 情報教育担当による提案授業

研修主任と協力し,GIGA研の授業者を年度初めに決めてもらい,日程等も伝え,見通しをもって動けるようにした。また第一回GIGA研(6月22日)の授業は情報教育担当が行った。素直で何事も一生懸命頑張る児童が多く,1年生からの積み重ねを感じる5年生。もっと表情豊かに思い切り自分を出す表現力をもっと付けてほしいと願い,音楽の鑑賞授業で研究授業を行うことにした。

クロームブックに音源をのせ,何度も繰り返し聴いて耳を鍛え,歌やリコーダーの練習につなげたり,ピアノの旋律の音を弾いて楽譜と一緒に録画し,いつでも自分のパートを確認できるようにしたり,カラオケ版の音源をかけ,グループで合唱を撮影してふりかえったり,一人一人が自覚と責任をもって主役になることができるように活用を進めた。

活用を勧めていくと,子供たちには次のような姿が見られるようになった。

  • ・自分の考えをよりわかりやすく伝えようとスライドのまとめ方を工夫した
  • ・友達と共有する中でその音楽の新たなよさに気付いた
  • ・スライドに音源を挿入し何度も聴くことで,自分の心に残ったとっておきポイントを伝えることができた
  • ・CDでは毎回最初からでしか聴けなかった曲が,音源挿入を活用することで何分何秒のところが好きと紹介できた
  • ・オノマトペで歌っても声が小さくて伝わらない子の手助けができた
  • ・音がなかなか取れずに困っている子も何分何秒のところだよと伝えることで鑑賞の授業の内容にしっかりと入っていくことができた

このように,クロームブック活用が音楽の思考力・判断力・表現力をつけることの手助けとなった。また,音源を毎日聞いたことで,一人一人が一人分の声を責任もって出すようになり,歌も堂々と歌えるようになった。活用の初めは悩むことやわからないことも多いが,わからないことは調べたり聞いたり相談したりして,子供にも選択したり任せたりする部分も使い分けながらとにかくやってみることが大事な一歩だと感じる実践となった。

○低学年の導入に向けての準備

 3年生は4月から,1・2年生は7月からの導入のため,早くても9月からの活用となる。まずはパスワードの設定である。昨年度と同じプリントを活用し,家庭でパスワードを決めてきてもらい,それを担任が入力して使えるようにする。パスワード設定の見通しを提案・共有し,学年便りで伝えてもらうようにするなど,低学年の情報担当・学年主任へ声かけをし進めてもらうようにした。また高学年に比べると,低学年はどんなことにも時間がかかる上,個別への対応もより多く必要になる。情報支援員には低学年に毎回入ってもらうように年間計画を作り,内容については各学年の情報担当にリーダーシップをとってもらうように依頼した。また支援員のフリーの支援時間には,その日に入らない低学年のフロアを回ってもらったり,低学年向け教材を紹介してもらったりと低学年支援の内容をお願いした。

アドバイザーの助言と助言への対応

 新体制でのスタートは大変だが,ちょこっとずつ進めていけるといい。また一人ひとりを主語にした授業という意識で行ってほしい。教師自身が自分で模索し創意工夫していくことが大切。

〇笹渕先生授業について

 音楽において音源持ち帰りと一人一シートスライド活用。音楽の見方・考え方を掲示等で示し五感・言葉の使い方等音楽との繋げていたところがよかった。個人差が大きくなりがちな実技教科の一つ音楽をICT活用によって、個人差解消につなげている。

一人ひとりが主語 →「個別最適」「協働」

  • ・班に一つではなく、1人1つの実験セットが必要なように基本は1人1シート
  • ・体育などで、全員同じ練習はしない。他の教科でも同じ
  • ・スプレッドシートに分かったことを書く。→誰が分かっていないかが分かる
  • ・把握→振り返り→家でも見れるというサイクルができあがる。

◯「単元テストの点をとること」が目的なら、今までの授業で十分。
→端末の活用は、個人差への対応が目的

自分のペースで見られるようにする→個のスタイルに対応

情報共有・資料配付は効果的

板書を撮影・クラスルームに保存する係をつくる→家でも見られる! 持ち帰りのよさ

主体的・対話的で深い学びは、教師が試行錯誤していくほかない(教師のパーソナリティに依存する)

高次な資質・能力は体験の積み重ねで身についていく(長期的なもの、向上目標であって達成目標にはなりえない)
→向上目標と達成目標の混在を避けたい(感じたことを話すことと知識・技能の解説は両立しない)

〇笹渕先生の授業

一人一人が主語になる活動
→複合的で総合的な学習活動につながる

長い時間・じっくり1回 短い時間・複数回

見方・考え方を伝えていく
→五感・言葉の使い方、音楽との繋げ方1人1シート
→他人の物を見ることで協働が保証される、かつ責任がはっきりするため確実に取り組むことができる自分が分かったこと・感じたことを文章化する

他の子のものが見られるようにする。真似してもOK(明るいカンニング)
→真似していく中で言語化する力が身につく

「個別最適な学び」と「協働的な学び」は一人一人の子どもを主語にするための手立て

↓↓↓

  • ★一人一人の頭がフル回転
  • ★一人一人が活躍→一人1シート等
  • ★一人では学びきれない→自発的な必要性のある協働 言われてやるではなく、自分から
達成目標 向上目標→こちらを重視したい!!
到達や正誤が判然とするもの
→評価が簡単
単純な繰り返しで、本時でも身につく
ペーパーテスト(選択、穴埋め)
基礎的な知識及び技能
自分の過去と比較して成長した
→子どもが実感できるように
活動の繰り返しで、少なくとも数ヶ月
表現などのアウトプット
概念的な知識、思考力・判断力・表現力

先生に見てもらいたい順にする→なぜ、これを一番上にしたの?(評価の効率化)

向上目標
(プロシンガー)
自分なりの味
(単線ではなく複線・それぞれの課題設定)

一般的な見方・考え方の味付け ←今日の授業!
達成目標
(カラオケバトル)
(正確なデッサン)

正確な知識や技能
(教材会社のテスト・カラオケバトル)
AIドリル等個人差を埋めるための手立て

本期間の裏話

 昨年度低学年担任と高学年担任で温度差があること,さらに元からいる職員と新しく来た職員とで研究に対しての感覚の違いがあること,私自身昨年は3年担任で11月からの活用でまだまだクロームブック活用に関してコツコツ勉強する段階であったことなどたくさんの悩みを抱えながらのスタートだった。それでも昨年の3年生と共に自分のもとにクロームブックが来た時の喜びと感動,ちょっとずつでもやっていくと子供たちがいろいろと工夫しだすことを思いだし,この感動をどの先生にも味わってほしいと感じた。今どう活用すればいいか悩んでいる先生たちのために一歩を踏み出すために何ができるか考えた日々だった。ちょこっとGIGAタイムや研究授業後で「今日みたいな実践報告があるとイメージができてうれしい」「CDではできないことがクロームブックではできるんだ」と声をかけてもらえたことがとてもうれしかった。

 また自分のクラスの子供たちがとても協力的だったことが心強かった。担任している5年の子供たちは,4年生の4月から活用してきており、担任のわたしよりも半年以上多くクロームブックに触れてきている。ちょっと困ったときはささっと出てきて助けてくれたり,どんなのにするといいか悩んでいると「先生,学活だしわたし作ります。」「ぼくもやります」というように自ら考え自ら動き出した。「ありがとう。たすかるよ」と笑顔で答え,できたものは認め褒め全体へ広めていった。そこから係活動やペア活動など子供たち自身がスライドを普段から使うという流れが一気に進んだ。4年生までの先生がつなげてくれたバトンをしっかり受け継いで,この子供たちのより良い成長を助けるためにわたしができることをがんばろうと思っている。

 クロームブック活用で共有でき,非対面でもできる便利さもある。でも人との関わりで励まされるし元気をもらえるということを実感した日々だった。

本期間の成果

 持ち帰りにおける研究だが,まずは校内体制を整えることに重きを置いた。新しく来た先生も低学年の先生もどの先生もクロームブックにちょこっとずつ関わっていけるようにと進めてきた。また一人でやるのではなく仕事を分担することも意識した。みんなのGIGAになるように意識した。コツコツと進めわからないことは声をかけてくださいと続けてきたことで,他の学年の情報担当の先生が「パスワード設定おわりました。ICT支援員さんとはこんな方向で進めます」と報告してくれたり,情報機器担当の先生が「今年分の管理のページを作成したいのですが」と相談したくれたり,いろいろな先生が声をだし協力することができた。私自身わからないことがあったときも,去年高学年だった先生に聞いて教えてもらったり,忙しくても協力していくという雰囲気ができつつあることが成果の一つである。

 また持ち帰りの成果としては,5・6年の職員にアンケート調査を行ったところ,オンライン音読カードや予定の配布ができるようになったことで予定帳を書く時間を別のことに使えるようになったりペーパーレスになりエコにつながったことや共有機能を使えば,家でも他の子の考えが見られ復習で学習を深まることなったなどの意見が得られた。不登校児童とmeetで週1回30分の会話をし保護者も交えて行ってきたことで信頼関係を築いている担任もいる。各教科では体育の振り返りをフォームで行い,動画を見ながらじっくり振り返りができるなど,授業だけではできないことを家庭でしかも短時間で行うことができるようになった。社会では事前に次回の授業につながるような動画を見て,分かったことや気づいたことをフォームで送り,スプレッドシート一覧にして提示し,翌日,授業の内容と事前知識を合わせて学習をまとめることができるようになったり,家庭科では青菜を家でゆでて,写真を撮って,気がついたことを記入することで,調理実習ができない状況の中で,子供の体験を深めることができたという声があがった。各職員が各々創意工夫する中でいろいろな活用を進めることができた。

今後の課題

 視力低下への懸念はぬぐいされない。学校と家庭と連携して20分使ったら20秒休むなどの約束が大事になってくる。睡眠の確保,健康配慮のことも考えて養護教諭との連携も大事だと考える。また学校や学年のPC使用ルールを守れていないことがあるという声もあがった。ルール面や保護者との連携ということがとても大切になっている。使っていく中で,アナログの方がよいというものもある。一気にまるつけができて効率的という理由から音読カードを紙に戻した学年もある。デジタルとアナログの使い分けはいろいろやってみる中でわかってくるのだと思う。

 また,教科書をほとんど学校において荷物が重くなるのをふせいでいるが,クロームブックが重そう。低学年の持ち帰りは他県・他地域はどのようにしているのか。聞いてみたいという声も上がった。

 さらに,活用が進む中生徒指導上の問題も出てきている。危険なサイトへつながるところへ頻回におよぶアクセスがあったり,友達とチャットをしていたりという報告だ。生徒指導との連携が大事になる。

 情報の収集が子供たちが自由にできるようになったので,教員の仕事は知識を教えることではなく,ファシリテーターのような役割や子供たちの学びの軌道修正する役割になっていることを考えていきたい。そのため,授業スタイルも変えていかなければならないという声も出ている。

 「せっかく重い思いをして持ち帰るから」と宿題に端末を使うものを出すと,「学校でも使ってきたのに家でも長時間使用するのは・・・」という声もあり,どれくらいの量が適切なのか悩むという声も出ている。活用しているからこその課題も多い。ここに向けてどう改善策を見つけていくのかが今後の課題である。

今後の計画

  • ・引き続きちょこっとGIGAタイム 情報教育担当他講師を交代制で行い,いろんな実践共有をはかる。
  • ・毎月成果と課題を報告し,改善策を見つけていく。
  • ・9月12日のGIGA研に向けて見通しを伝える。校内研修として研修部へ相談。
  • ・研究会の持ち方を相談。
  • ・持ち帰りルールの再確認 全職員の共通理解
  • ・成果と課題の共有と改善策の検討

気付き・学び

 一人のGIGAではなくてみんなのGIGA

 一人では微力でもみんなで集まれば大きな力になる。

 子供一人ひとりを大切にすることと同じように先生一人一人の思いを大切に

 みんなで協力して活用をすすめていきたい。

成果目標

みんなのGIGA研

どの先生も,どの子も使いたくなる発達段階に応じたクロームブック活用推進をめざし

チームで助け合う校内研修体制をR4メンバーで再結成する。

ちょこっとずつを積み重ねて無理なくできるようにしていくこと。困ったことを「わからない」「教えて」を言える職員チームになること。やってみたら楽しくなった!を感じられるようになること。

子供一人一人が主語になるためのクロームブック活用を合言葉に実践をしていく。

アドバイザーコメント
高橋 純 先生
東京学芸大学
教授 高橋 純 先生

 GIGAスクール構想も本格的な実施から2年目となった.

 全国的に,ますます充実した端末活用がみられる地域がある一方で,1年目ほど活用が進まない地域も見られるようになった.こうした活用率の低下には様々な要因があるが,一番は,端末活用が定着していない,つまりは端末活用が,授業にも学校生活にも役立つと感じていない教師が多いことがあげられよう.教師が役立つと感じれば,自然と活用が増えるからだ.

 では,なぜ,役立つと感じられないのか,これにもいくつも理由はあるが,ようは役立つどころか,不便だからだ.例えば,多くの自治体のケースで,情報保護に重点を置きすぎており,教師らは不便な設定やルールを指示された上で,活用せよ,という矛盾ともいえる状況に置かれている.ブレーキとアクセルを同時に踏めといわれているようなものである.こうした状況では,情報保護の重要性や,まだ不慣れで全体像を把握しきれていないクラウドサービスの活用を思えば,触らぬ神に祟りなし,とブレーキを踏み続けるのは,ある意味で当然である.

 このような中,まずは,どのように取り組んだら良いのだろうか.実は授業での活用は最も難易度が高い.つまりは最終目標である.まずは,子供から見れば日常的な学校生活,先生から見れば日常的な事務作業において,様々な情報を共有したり提供したりする.これらを通して,心理的にも感覚的にも端末活用に慣れていく.従来,こうしたことは,掲示物,廊下や職員室の黒板,プリント等で行ってきたと思うが,それらを上手に端末で代替できれば,学校運営について一体感を実感して,さらに活用が進むケースも多い.最終的に,従来以上の頻度で多くの情報が流通することになり,学校が変わったと実感できる.これらの初期段階では,端末での情報のやり取りを可視化するために,プリンタや大型テレビを活用してみるのもいいだろう.

 それなら今まで通り,紙のプリント等で良いと思う教師もいらっしゃるかもしれない.地方などにおいて,車で通勤し,朝から晩まで学校にいらっしゃる場合には,ますますそう思うかも知れない.しかし,通勤電車の車内を見渡したり,世間に目を向けてみたりすれば分かることも多い.例えば,今や車内で,紙の本や新聞を読んでいる人は数えるほどである.車内を見渡しても,視界に一回も入らない日も多くなってきた.世間は,紙とデジタルの融合どころか,どんどんデジタルのみになっている.子供たちは,今よりもっと未来の社会で活躍する.そうした未来で一層活躍できるように指導するのも重要と考えられないだろうか.

 以上は一般論である.

 本校では,研究推進に関わる多くのメンバーが人事異動となった.加えて,再び不慣れな先生が多くなった.まさに再スタートといえるような状態であろう.そこで,昨年度の研究成果の追試と考え,再チャレンジしていく.報告にあるように,報告・連絡・相談など基本的な取り組みから始めて,さらなる成果が得られるように期待したい.