スクールフォトレポート
2025/12/23
ブルーミントン日本語補習校
ICTの活用による生物領域「概念学習・植物」の実験授業。他領域への展開を目指して
本取り組みでは、ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)・アサガオと本校との間で MTA(Material Transfer Agreement) を締結したうえで、研究教育用に選定した5系統のアサガオ種子の提供を受け、各児童が6月から栽培を開始していた。本報告書では8月から12月までの期間の取り組みを対象とする。
8月には本校担当者が九州大学を訪問し、同大学が保有する豊富なアサガオ系統を活用した領域横断的な教育教材の開発について、仁田坂英二 先生(九州大学)および同研究室所属の学生と協働で検討・準備を行った。あわせて、仁田坂先生と共同で、九州大学から海外に向けたICT活用によるオンライン配信授業を実施し、同大学において実際に栽培されていた多数のアサガオ系統の実物を用いて、それぞれの形態的・遺伝的特徴を紹介することができた。
その後、生命領域にとどまらない領域横断的な学習を目的として、米国西部およびEU域内においても栽培環境を整備した。第4回目から第7回目の授業では、本取り組みで連携する仁田坂先生により、ICTを活用した遠隔支援が行われ、各児童が栽培するアサガオの生育状況をオンラインで確認しながら、適切な栽培上の助言をいただいた。各回の授業では、生命領域を基軸としつつ、他領域への展開を意識したテーマを設定し、実習および実験を行った。
具体的には、各児童が栽培するアサガオを用いて受精後の各発生段階にある胚の観察、花弁の色素を用いた実験、および 交配実験 を実施した。さらに、子葉段階で識別可能な2系統の表現型について観察を行い、得られた表現型の出現頻度を、メンデルの遺伝の法則から予測される理論値と比較する活動を行った。2種類のペアを用いた交配実験については、交配後に種子を回収し、F1世代の表現型確認に向けた準備を進めている。
これらの活動を通じて、教育研究材料としてのモデル植物・アサガオの特性を最大限に活用し、生命領域に分類される形態・発生・遺伝に関する学習を体系的に行うことができた。加えて、アサガオの葉を用いて二酸化炭素濃度の変化を測定し、光が与える影響について解析した実験結果に基づく考察を行うことで、物質領域およびエネルギー領域への展開も可能となった。同様に、花弁の色素を用いた実験では、物質の性質や変化に着目した学習を行うことができた。
さらに今回、米国の複数地域およびEU域内におけるアサガオの生育状況を、日本における生育と比較する機会を得たことで、モデル植物・アサガオを用いた地球領域への展開の可能性についても新たな検討を開始している。
なお、本取り組みの成果は、2024年11月に Indiana University School of Education において開催されたポスターセッションにて発表した。当日は、本取り組みの内容、実施方法および教育的成果について紹介するとともに、教育学部長をはじめとする複数の教育研究者との間で質疑応答を行い、助言をいただく機会を得た。こうして、日米の高等教育機関との連携による探究学習プログラムの構築と実践を行うことができた。
8月には本校担当者が九州大学を訪問し、同大学が保有する豊富なアサガオ系統を活用した領域横断的な教育教材の開発について、仁田坂英二 先生(九州大学)および同研究室所属の学生と協働で検討・準備を行った。あわせて、仁田坂先生と共同で、九州大学から海外に向けたICT活用によるオンライン配信授業を実施し、同大学において実際に栽培されていた多数のアサガオ系統の実物を用いて、それぞれの形態的・遺伝的特徴を紹介することができた。
その後、生命領域にとどまらない領域横断的な学習を目的として、米国西部およびEU域内においても栽培環境を整備した。第4回目から第7回目の授業では、本取り組みで連携する仁田坂先生により、ICTを活用した遠隔支援が行われ、各児童が栽培するアサガオの生育状況をオンラインで確認しながら、適切な栽培上の助言をいただいた。各回の授業では、生命領域を基軸としつつ、他領域への展開を意識したテーマを設定し、実習および実験を行った。
具体的には、各児童が栽培するアサガオを用いて受精後の各発生段階にある胚の観察、花弁の色素を用いた実験、および 交配実験 を実施した。さらに、子葉段階で識別可能な2系統の表現型について観察を行い、得られた表現型の出現頻度を、メンデルの遺伝の法則から予測される理論値と比較する活動を行った。2種類のペアを用いた交配実験については、交配後に種子を回収し、F1世代の表現型確認に向けた準備を進めている。
これらの活動を通じて、教育研究材料としてのモデル植物・アサガオの特性を最大限に活用し、生命領域に分類される形態・発生・遺伝に関する学習を体系的に行うことができた。加えて、アサガオの葉を用いて二酸化炭素濃度の変化を測定し、光が与える影響について解析した実験結果に基づく考察を行うことで、物質領域およびエネルギー領域への展開も可能となった。同様に、花弁の色素を用いた実験では、物質の性質や変化に着目した学習を行うことができた。
さらに今回、米国の複数地域およびEU域内におけるアサガオの生育状況を、日本における生育と比較する機会を得たことで、モデル植物・アサガオを用いた地球領域への展開の可能性についても新たな検討を開始している。
なお、本取り組みの成果は、2024年11月に Indiana University School of Education において開催されたポスターセッションにて発表した。当日は、本取り組みの内容、実施方法および教育的成果について紹介するとともに、教育学部長をはじめとする複数の教育研究者との間で質疑応答を行い、助言をいただく機会を得た。こうして、日米の高等教育機関との連携による探究学習プログラムの構築と実践を行うことができた。
| 学校名 | ブルーミントン日本語補習校 |
|---|---|
| 研究課題 | オンライン実験授業を活用した探究学習による小学理科教育の実践 ~在外教育施設補習授業校における初等教育の教育効果の向上にむけて~ |
| 都道府県 | 海外 |
| 学校ホームページ | https://www.bijls.org/ |






