実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

活動情報/第34回特別研究指定校活動情報/第34回特別研究指定校

坂出市立府中小学校の活動報告/平成21年度4〜7月
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セールスポイント

  1. ICT機器活用のための環境整備
    すべてのクラスに整備完了

  2. 外部講師を招いてICT研修の実施
    スライドや動画を活用できるように

  3. ICT活用マニュアルの作成
    それぞれの教師の活用を情報交換して活用方法を共有する

  4. 研究授業で実践
    授業を通してICTの活用を討議

実践経過

1.ICT機器活用のための環境整備

 昨年度に基本的なICT機器からできるだけ整備を行った。おかげで、学年にプロジェクタと実物投影機を1台ごと整備できた。
 今年度はさらに整備を進め、6月にはすべてのクラスと少人数学習教室にプロジェクタと実物投影機を常備することができた。
 また、その他のICT機器もさらに使いやすくする努力をしていった。例えば、デジタルカメラ。使おうと思っても誰が持って行っているのか分からなかったり、電池切れやカードが抜き取られていることもしばしば・・・。そんなことがないように、デジタルカメラも整理箱を作り、クラス付けにして使いたいときに使える環境を作っていった。(全クラスに整備)
 これからもICT機器も使いやすくできるちょっとした一工夫ができるようにしていきたい。

2.外部講師を招いてICT研修の実施

写真 7月に、県教育センターより講師を招いて授業におけるICTの活用について研修を行った。
 授業で使えるスライドや動画の作り方やICT機器の紹介などをしていただいた。

3.ICT活用マニュアルの作成

写真 昨年度、学年に1台ずつプロジェクタが使えるように機器を増やした。そのおかげで、今までICT機器活用に消極的であった教員も活用がぐんと増えてきた。
 つまり、活用能力がなかったのではなく、ICT機器が増えたことと、昨年作成した「ICT活用マニュアル」を元に何度か経験すれば、良さが分かり使えるようになったと考えられる。
 今年度も、それぞれの教師がどのようにICTを活用して授業に取り組んだのかをまとめ、ICT活用マニュアルを作成した。それをもとに実践報告会を開き情報交換し、活用方法を共有できるようにした。

4.研究授業で実践

 ICTの効果的な活用をした研究授業を実践していき、またその授業を参観し、授業討議をしながらICTの活用の効果的な活用について考えていった。
 7月までに、6年理科「動物のからだのはたらき」、4年保健「育ちゆく体とわたし」、5年算数少人数学習「合同な図形」、3年道徳「自分の仕事」で研究授業を行い、授業討議を重ねながらICTのより効果的な活用について研究を深めた。
 また、今年度はICTを教師が目的意識をもって活用するように指導案のなかに「ICT活用の目的」欄を設け、本時の学習指導過程の中にも位置づけた。

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成果と課題

  • 各クラスにプロジェクタと実物投影機・デジタルカメラが揃い、これで本当の意味で全員が使いたいときに自由に使えるようになった。
  • ICTを使った授業がすっかり普通の授業の雰囲気になってきた。教師も子どもも使い慣れしてきた。
  • 昨年度からの研究が少しずつではあるが積み上げられてきて、全体の足並みも揃いつつある。
  • 言語活動をもっと取り入れたICTの活用方法をもっとすすめたい。
 

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • パナソニック教育財団での機器充実とともに、PTAのみなさんが昨年のICTの効果を認めてくれ、今年度もPTAの協力で実物投影機やプロジェクタが2クラス分揃えることができた。資金のない学校にとって有り難いことだった。
  • 3回目の授業公開。他の研究校とは比較にならないが、少しずつ参加者が増えてきている。
 

解説と講評

コメント:京都教育大学 教授 浅井和行先生

「やっぱり教職員みんなで」

本校の本期間(4〜7月)のセールスポイントに沿ってコメントする。

(1) ICT機器活用のための環境整備
 開始時には、学校に液晶プロジェクタが1台か2台しか無い状況から実践研究が始まったが、財団の助成や財団の助成による教育実践の効果を認めた保護者の寄附等によってすべてのクラスにICT機器が整備された。
 また、単に台数がそろったというだけでなく、誰もがいつでも使えるように常に整備されていることが素晴らしい。本校のスローガン「ちょこっとICT」は一部の教員ではなく、全教職員の前向きな取り組みに支えられている。

(2) 外部講師を招いてのICT研修の実施
 はじめの頃は、教材がICT機器で大きく提示され、子どもたちに見えやすいことが授業研究会での議論の的であった。それが研究を継続していく中で、静止画や動画を活用されるようになり、その意味が問われ始めた。そのことには、外部講師を招いてのICT研修の実施や教員全員による校内ICT機器活用実践発表等が大きく寄与していると考えられる。

(3) ICT活用マニュアルの作成
 学校にどんどんICT機器が導入される時に、きちんと備品シールが貼られ、整理されていた。これは当たり前のようで、なかなか出来ないことである。Aで述べた、それぞれの教師のICT活用を情報交換して活用方法を共有する取り組みを踏まえ、それぞれのICT機器ごとに、活用マニュアルが作成されていった。これは子どもたちの学びを支えるだけでなく、教師の授業での円滑な活用の支えになっていた。

(4) 研究授業で実践
 本校の教職員の方々は、自分たちに出来ることは全てするという心構えで授業に取り組んでおられる。今後は静止画や動画という活用法だけではなく、深く考えさせる場面でのICT活用や効果的なICT活用についての研究討議が進むことを願っている。
 
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