実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第37回特別研究指定校(活動期間:平成23〜24年)

京都府立乙訓高等学校の活動報告/平成24年度1月〜3月
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セールスポイント

(1)生徒のICT活用能力向上をはかる。
(2)今年度の実践をまとめるため「事例集」を作成する。
(3)2年間の研究成果をまとめ、今後の課題を明確にする。

実践経過

(1)H25.1.24  公開授業(政治経済)            7名参加
(2)生徒によるICT活用(公開授業)
 @H25.2.7  スポーツ健康科学科2年生研究発表会    40名参加
 AH25.2.9  スポーツ健康科学科2年生研究発表会    20名参加
 BH25.2.19  1年生保健グループ発表          10名参加
(3)H25.3.29  「実践事例集第2号」発行

成果と課題

  1. 生徒のICT活用能力向上に関しては、2月度の生徒の発表を見ると、前年度より向上している点が多く見られた。特に、スポーツ健康科学科生徒の発表は、動画を取り入れるなど工夫が随所に見られる発表が多かった。
  2. 実践事例集については、実践に取り組んだ教員の増加に伴い、質量とも昨年度の事例集を上回るものを作ることができた。
  3. ICT活用と学力向上の相関について検証する機会を持つことができず、今後の課題となっている。
 

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  1. 今期は、生徒のICT活用能力向上を目的に、取組を進めたが、生徒たちが前向きに取り組んでくれ、前年度以上の発表が行えたこと。
  2. 多くの教員の協力で、昨年度以上の「実践事例集」が出来上がったこと。
  3. 「特別研究指定校」としての取組を無事終えることができたこと。
 

2年間の実践を終えての感想

  1. 全教科・全教員がICT活用授業に取り組む。
  2. 生徒のICT活用能力の向上を図る。
  3. 地域とも連携を図り、地域に信頼される学校づくりに貢献できる事業とする。

    上記三点を大目標として取組を進めた。

    1.については、「拡げる」を合い言葉に、実践者を増やし、毎月の公開授業に取り組むなかで、9割以上の教員がICT活用授業に取組み、大きな成果をおさめることができた。「ICT活用NEWS」などを通じて、実践を交流するなかで、様々な工夫が生まれ、多彩な実践を展開することができた。

    2.についても、様々な場面で生徒のICT活用を進め、その活用能力を着実に向上させること
    ができた。

    3.については、1年目は目立った取組を行うことができなかったが、2年目に小学校との取組を行うことができ、一定の前進を見たが、中学校とは突っ込んだ交流ができず、課題として残っている。

    全体として、本校の恵まれたICT環境を活用しての取組を学校体制として行うことができ、全国高校初の「特別研究指定校」としての役割を一定果たすことができたと感じている。ただ、小・中学校と比べ、高校現場でICT活用が進まない一因に、「学力向上にどのように結びつくかが、不明確である。」という点があげられている。大学入試学力の養成が求められる高校現場においては、この壁は高く大きなものとなっており、この問いにどう応えていくかが課題となっている。

 

次年度以降、今回の成果をどのように展開するのか

2年間の取組を通じて、「いつでも、どこでも、気軽にICT活用」が、当たり前のこととして行われるようになり、多くの実践を展開することができた。この2年間で培ってきたICT活用能力を土台に、まだまだ課題として残っている、「基礎学力の定着・向上」に向けた活用方法の研究に取り組んで行きたい。「ICT活用と学力向上の相関」については、何らかの答えが出せるよう取組を進めたい。

解説と講評

コメント:園田学園女子大学 教授 堀田博史 先生

乙訓高等学校の研究助成最終年度の最終期(1〜3月)の報告では,実践をまと
めた事例集の作成,生徒による研究成果発表会の実施,研究を終えた課題の整
理に,ポイントが置かれました。
特に,スポーツ健康科学科の生徒による発表会では,数ヶ月にわたる研究成果
を分かりやすく伝えるための工夫がなされ,日頃の教員のICT活用が生徒の情
報スキルアップに繋がっているように感じました。

2年間の助成を終えて,改めて乙訓高等学校の変化を一つあげるとすれば,学
校全体で授業にICTを導入して,9割以上の教員が積極的にICT活用している点
です。
高等学校では,普通教室にICT環境を整備して,多くの教科で日常的にICT活用
することを目指した取り組みは数少なく,今後の高等学校ICT活用モデルの一
つとなり得ます。

一方で,ICT活用と学力向上の相関が課題としてあげられていますが,相関関
係を分析する時には,定期試験の点数を比較することが適しているかどうかを
よく考え,関心・意欲・態度など評価の観点での変化を見ることも検討される
と良いでしょう。

今後,2年間で見えてきた高等学校でのICT活用の効果をさらに発展して,より
わかりやすい授業が行われることを願っています。また,府内をはじめ近畿地
方や全国の高等学校に,積極的にICT活用事例や校内の推進体制の作り方につ
いてアドバイスいただき,さらに校内外にICT活用を広めることにご尽力くだ
さい。

 
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