乙訓高等学校の研究助成最終年度の最終期(1〜3月)の報告では,実践をまと
                めた事例集の作成,生徒による研究成果発表会の実施,研究を終えた課題の整
                理に,ポイントが置かれました。
                特に,スポーツ健康科学科の生徒による発表会では,数ヶ月にわたる研究成果
                を分かりやすく伝えるための工夫がなされ,日頃の教員のICT活用が生徒の情
                報スキルアップに繋がっているように感じました。
  
                2年間の助成を終えて,改めて乙訓高等学校の変化を一つあげるとすれば,学
                校全体で授業にICTを導入して,9割以上の教員が積極的にICT活用している点
                です。
                高等学校では,普通教室にICT環境を整備して,多くの教科で日常的にICT活用
                することを目指した取り組みは数少なく,今後の高等学校ICT活用モデルの一
                つとなり得ます。
  
                一方で,ICT活用と学力向上の相関が課題としてあげられていますが,相関関
                係を分析する時には,定期試験の点数を比較することが適しているかどうかを
                よく考え,関心・意欲・態度など評価の観点での変化を見ることも検討される
                と良いでしょう。
  
                今後,2年間で見えてきた高等学校でのICT活用の効果をさらに発展して,より
                わかりやすい授業が行われることを願っています。また,府内をはじめ近畿地
                方や全国の高等学校に,積極的にICT活用事例や校内の推進体制の作り方につ
                いてアドバイスいただき,さらに校内外にICT活用を広めることにご尽力くだ
                さい。