実践研究助成（初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度）

[研究課題]

ICT機器を活用し、道徳と関連付けた情報モラル教育の推進

[成果目標]

(1)道徳的価値に関わる学習を行う道徳科で情報モラルに関わる題材を扱う場合の情報モラルの授業との関連を明らかする。

(2)情報モラルに係る児童会の取り組みを支えるPTAや地域の活動を開始しており、活動の広げ方を明らかにする。

[取り組み内容]

• 2学期に行った、「道徳科で情報モラルの資料を用いた場合」の意識調査の検証（1月）
• 情報モラルの教材をインストールしたタブレットＰＣの持ち帰りと親子の会話の効果の検証（1月）
• 校内委員会にて2学期の研究をまとめ,３学期の研究計画を修正（1月）
• 情報モラルと関係のある資料を使い、45分間で道徳科を実施する実証授業を行い、その効果について検証(1月)
• 道徳科と関連付けた情報モラル年間指導計画の見直し(2月)
• 今年度の研究のまとめと、来年度の研究の方向の決定(3月)

• 道徳科を行うにあたり、ゲーム依存やメールのやりとり等、情報モラルの指導に直接関わる内容の資料を扱った。主人公の気持ちを考えることで、心の領域を深めることができることが明らかになった。
• タブレットＰＣの持ち帰りについては、一人一台のタブレットＰＣを使い始めた４年生では、反対が１４％であった。保護者への啓発活動がさらに必要である。

本期間の成果

• 道徳科で情報モラルと関係のある資料を使って実証授業を行ったところ、メールの返信が来なかったときの友達の気持ちや、返信できなかった時の主人公の気持ちを考えることができた。これにより、道徳科における情報モラル教育の充実について、心の領域を耕すことができた。
• ４年生の道徳科で、情報モラルと関係のある資料を扱ったことで、７月に児童会が提案し全校で決めた「揖斐小学校インターネット利用の約束２０１５」の中の「夜９時以降は使わない」という約束について、子ども達と共に再度確認をすることができた。

２年間の成果

2年間研究から，特別な教科道徳で情報モラルの題材を扱うとき，道徳の時間のねらいの根底にある道徳的価値に迫り，子供の道徳的実践意欲の向上に繋がるためには次の4点が大切であることが分かった。

• 道徳科を実施する前に，情報モラルの授業等で，題材に含まれる知識・理解の内容を学習する。
• 情報モラルの授業と道徳科を連続で実施するか，家庭学習と連携して翌日に実施するなどにより意識の連続を図る。
• 情報モラルに関する題材として、読み物教材を使った方が動画教材を使うより、一人一人の子供が教材に描かれている状況を理解しやすい。
• 動画教材を使う場合は，題材のキーシーンを掲示する等の支援が必要となる。

保護者と地域、学校との連携等では、次の4点が大切であることが分かった。

• 児童会活動で情報モラルを取り上げ、児童が問題を見つけ、話し合い、「揖斐小学校インターネット利用の約束」を決め、毎年、実態や約束を見直す。
• 児童会の決めた約束の履行をPTAが支援し、インターネットを安全に利用できるようになっていくことを親子で喜ぶ。
• 町内の小中学校と連携して、児童会・生徒会を中心に安全なインターネット利用の取り組みを進める。
• 町内の小中学校の取り組みを揖斐川町生徒会サミットで取り上げ、地域を巻き込んで取り組む。

• 情報モラルと関連付けた道徳科について、小学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編に示された方向を取り入れながら指導方法の工夫等の工夫と実践を重ねること。
• 道徳科と情報モラル教育及び家庭学習をつなぐための工夫を進めること。
• 平成28年度は、10月に公表会を行う予定。

• 道徳科で情報モラルに関する題材を扱った場合，スマホ等の情報機器を操作したことのない子供は，資料に書かれた状況が十分理解できないことがある。理解が不十分な子供は，ねらいの根底にある道徳的価値の理解を基に自己を見つめ，思いや考えをまとめることができない可能性があることが明らかになった。
  →　道徳科の実施を控えて、方向性を打ち出すことができた。
• 本校を中心に町内の小中学校の実態を調査し、児童会・生徒会が安心・安全なインターネット利用の取り組みを行った。
• 児童会・生徒会の取り組みをPTAや町が支援し、生徒会サミットで継続して取り上げ、町を挙げての活動となった。
  →　児童・生徒の意欲につながり、活発な児童会活動・生徒会活動を展開した。

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