実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第40回特別研究指定校(活動期間:平成26~27年)

揖斐川町立 揖斐小学校 /平成26年度4-7月期

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研究課題と成果目標
研究課題と成果目標

取組内容
取組内容

裏話
裏話

成果
成果

今後の課題
今後の課題

公開研究会の計画
公開研究会の計画

アドバイザーコメント
必見! アドバイザーコメント

 

研究課題と成果目標

 

[研究課題]

ICT機器を活用し、道徳と関連付けた情報モラル教育の推進

[成果目標]

(1)心の領域に重点を置く情報モラルの授業と智恵を磨く領域に重点を置く授業を,情報モラル検定とワークシート,発話記録の分析から比較するため、情報モラルの授業で扱う内容と道徳の時間で扱う内容項目との関連を明らかする。

(2)情報モラルに係る児童会の取り組みを支えるPTAや地域の活動を開始しており,児童と保護者の意識の変化,家庭・地域へのはたらきかけによる家庭での児童のICT活用時間,内容,家庭での約束の達成率などを定期的に測定し,学校・家庭・地域の連携の在り方について明らかにする。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

 

[取り組み内容]

揖斐川町立揖斐小学校活動報告イメージ1

  • 校内委員会にて本年度の研究計画を作成
    (4月)
  • 情報モラルと道徳の年間指導計画の見直し(5月)
  • 指導案の検討 子どものインターネット利用の実態調査を実施(6月)
  • 公開授業(7月7日)

情報モラルの授業と道徳の時間を連続して実施

情報モラルの授業で知恵の領域を扱い、節度・節制は道徳の時間に扱う

研究会にて

  1. 子どもの様々な価値観を発表させ類型化するために、意図的な指名が必要であり、情報モラルの授業の子どもづかみを生かす
  2. 情報モラルの授業と道徳の時間の意識をつなぐために、道徳の時間での子どもの発言を想定して、情報モラルの授業の板書を利用して、言葉だけでなく視覚的につなぐ など

揖斐川町立揖斐小学校活動報告イメージ2

  • 公表会の指導案の検討(7月)
  • 児童会を中心にインターネット利用の実態調査結果をもとに話し合い児童の考えを収集  
    児童の意見を児童会で集約して問題点を明らかにする(7月)
    インターネット利用時間の約束を改訂して提案、全校集会で承認

アドバイザーの助言

  • 道徳的実践力について、尺度を作成して示したりフィードバックするだけでなく、道徳の時間のポートフォリオを蓄積して分析したり、子どもに振り返らせたりする
  • 揖斐小学校では、児童会を中心に子どもたちが話し合ってインターネット利用の約束を決めており、これを総合的な学習のカリキュラムに組み込んで、情報モラルの授業や道徳の時間とつなぐ など
 

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 

情報モラルの授業の評価について揖斐川町内の12校の協力を得て実施した

1)知恵の領域

  • 質問紙法で測定 本時の授業で学習した内容の正答率は学習後が有意に高い
  • 著作権、個人情報、プライバシー等は直接扱わない限り正答率が8割を超えない

2)知恵の領域

  • 情報モラルの授業だけでは変容がみられない(質問紙法→測定手法の検討*)
  • 道徳の時間との連携が必要

(1)・2)は日本教育情報学会にて報告2013,2014)

*道徳教育の目標に沿った測定方法が必要(即時に集計してフィードバックするため)、また、思いやり尺度(Eisenberg,1989)、自尊感情尺度(Rosenberg,1965)、認知されたコンピテンス測定尺度(Hater,1979)等の尺度だけでは道徳教育の各目標の測定ができない

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成果

 

[情報モラルと道徳]

  • 情報モラルと道徳の年間指導計画の見直し
  • 公開授業→情報モラルの授業と道徳の時間を連続で実施

ICT環境、教室環境→学習内容を視覚的に捉える児童にとって効果的な支援
情報モラルの授業と道徳の時間の子どもの意識の連続→意識がつながりやすい
資料の内容→扱う教材は同じ道徳教材の内容で、異なる素材のもの
情報モラルの授業と道徳の時間の配分→道徳が中心、短い情報モラルの授業も可

[総合的な学習の時間(子どもの主体的な活動に組み込む)]

  • 子どものインターネット利用の実態調査を実施
  • インターネット利用の実態調査結果をもとにして話し合い、児童会で改善点の明確化
  • インターネット利用時間の約束を改訂して提案、全校集会で承認

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今後の課題

 
  • 道徳的実践力についてのポートフォリオの作成
  • 総合的な学習のカリキュラムの作成
  • PTAの効果的な関与 タブレットPC持ち帰り

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公開研究会の計画

 
  • 10月上旬、第2回公開授業・校内研究会
  • 10月24日 揖斐小学校公表会・ICT活用報告会
       情報モラルと道徳の授業 4年生と5年生で実施

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アドバイザーコメント

横浜国立大学 教授 野中 陽一 先生

 

 揖斐小学校の取り組みは、横山校長先生のリーダーシップのもと、これまでの研究成果を踏まえた上で進められている(平成25年度ICT活用報告会紀要)。タブレットPCや電子黒板(IWB)等のICT機器に加え,校内LANや校務支援システムなどが整備され、多様な実践が進められてきた。「情報モラル検定」、「インターネット利用の実態調査」、「道徳的実践力に関する尺度」等のデータを分析し、カリキュラムや授業実践に活かすだけでなく、学会発表も行っている。

 情報モラルの授業では、「知恵の領域」における児童の変容は認められるものの、「心の領域」に関しての変容が十分でなはないという課題に対応するために、情報モラルと道徳の年間指導計画を見直し、情報モラルの授業と道徳の授業を連続して行うことを研究授業で検証することに取り組みはじめた。

 二つの授業の関連を検討することに加え、インターネット利用時間の約束を全校集会に提案する児童会の活動、それを支えるPTAや地域の活動等、日常的な学習活動における「心の領域」への働きかけを含めた総合的な取り組みを進めることが重要であろう。

 

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