実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

平成26年度成果報告会パネルディスカッションメイン画像

パネルディスカッションテーマ #04 パネルディスカッション  テーマ「学校において実践研究を定着・普及させるための秘訣  ~特別研究指定校の取り組みを通して~」 

定着・普及の前提条件・アプローチとは
-ICTを活用した実践研究を発展させるために-

ブラックライン

[パネリスト]

川崎市立平小学校アドバイザー
野中陽一(横浜国立大学 教授)

高槻市立芝谷中学校アドバイザー
寺嶋浩介(長崎大学大学院 准教授)

福岡県立戸畑高等学校アドバイザー
影戸誠(日本福祉大学 教授)

徳島県立盲学校[現:徳島県立徳島視聴覚支援学校]アドバイザー
金子健(明治学院大学 教授)

[コーディネーター]
木原俊行
(大阪教育大学 教授)

ブラックライン

第38回の特別研究指定校の取り組みの中から、実践研究を定着・普及させるためのエッセンスを探っていくパネルディスカッションです。 研究を始めるにあたって前提となるものや、実際に研究を進める際の留意点、あるいは、それを支える要因等についてアドバイザーを務めた先生方に意見交換していただきました。

タイトル アドバイザーの目から見た印象深い取り組み

複数の学校の取り組みで共通していたのは、「全員参加」「共通理解」というキーワードです。そして、そのための情報共有がなされていました。また、組織として学びをプロデュースするための研修等を行い、各校が授業力の向上に努めてきました。

この中でアドバイザーの先生方が、印象深いこととして指摘をされていたのが、教材の共有化により先生同士に話し合いの場が生まれたということです。これにより、ベテラン教員から若手にノウハウが伝授されたり、協力関係や議論が深まったと分析されていました。先生方全員が協力して授業や研究協議を試行錯誤する中で、共通理解が深まり、重要なポイントが明確になってくるのでは、とのことでした。  

野中陽一先生

みんなで取り組むことが成功の鍵

「みんなで取り組む先行授業」と「ワークショップ型の研究協議」が、平小学校の取り組みとして、意味があったと思っています。先行授業を行い、検証結果を指導案に反映させていましたし、ワークショップ型で協議をすることで、先生方の共通認識が深まりました。

寺嶋浩介先生

教科の枠を超えた「i-work」

ICT研修会である「i-work」は、芝谷中学校ならではの取り組みです。学内の先生に加え、学外の先生方も参加できる形式で実施されていました。授業のことは授業のこととできっちり議論をしながら、「i-work」で教科の枠を超え、ICTのことを議論しているというイメージを持ちました。

タイトル 研究の発展と今後への期待

助成期間が終了した今、特別研究指定校はそれぞれ、取り組みによって生まれた成果をもとに、さらなる発展を目指しています。この研究の発展の中では、カリキュラムの整備や、地域・全国への研究成果の還元、研究成果の積み上げと検証サイクルの構築、ICT支援員等のサポートシステムの構築と維持、また、新しい能力の開発や多様性への配慮といったことが指摘されました。  

なかでも、新しい展開として、学校内の方々が学校外のさまざまな教育力を持った方とタイアップして、さらに発展させることへの期待について話す先生が多かったのが印象的でした。そして、その発展を推し進めるという意味でのキーワードが、「リーダーシップ」になります。チームで取り組む教育を実現しようとしたときに、学校長だけでなく、重層的なリーダーシップが求めれられるということです。実践研究では学校内の教員だけではなく、教育委員会や外部組織との連携が必要になりますので、いわば、研究の発展には欠かせない要素となります。  

影戸誠先生

新たな知の発見ができるように

戸畑高校が取り組んできたのは、縦型のコミュニケーションが主でした。一部、英語の授業で、生徒がプレゼンテーションをするなど、横型コミュニケーションを取り入れているようですが、この横型をさらに追及すると、生徒たちはもっと変わります。新しい知の発見につながるかもしれません。

金子健先生

それぞれの実践を質の高いものに

特別支援の場合は、多様な生徒に対して個別に対応するため、レアケースを扱うことになります。それでも、広いネットワークの中で共有すれば、必要な人に活用してもらえますので、それぞれの実践を質の高いものにしていくということが他の学校以上に求められていると思います。

木原俊行先生

実践研究を一時のイベントとして
終わらせるのではなく
日常的に展開するところまで熟してほしい

今回の特別研究指定校の発表や、パネルディスカッションを通して、一つの授業像というか、こういう学びを子どもたちに提供したいという共通項があることがわかりました。ここで掲げたキーワードでデザインできる授業を求めて、先生方の研鑽が積まれているということだと思います。
ここで、特別研究指定校の先生方にお願いしたいのは、これらの取り組みを一時のイベントとして終わらせずに、日常的に展開するところまで熟してほしいということです。 今日は、限られた中で、アドバイザーの先生から意見をいただいて、それを特別研究指定校の取り組みに当てはめることができました。それを材料に、今後の特別研究指定校の取り組みが一層充実したものになることを願っています。

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挨拶

主催者挨拶: 赤堀侃司
パナソニック教育財団
常務理事/白鴎大学 教授

来賓ご挨拶: 豊嶋基暢氏
文部科学省
生涯学習政策局
情報教育課長

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02第39回特別研究指定校による中間発表

第39回特別研究指定校
中間発表

  • 板橋区立上板橋第四小学校
  • 福岡教育大学附属
    久留米小学校
  • 岡崎市立葵中学校
  • 世羅町立世羅西中学校
  • 奈良県立奈良養護学校

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01ご挨拶イメージ

第38回特別研究指定校
成果発表

  • 川崎市立平小学校
  • 京都市立一橋小学校
  • 高槻市立芝谷中学校
  • 福岡県立戸畑高等学校
  • 徳島県立盲学校

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□番外編「Q&A」を読む

01ご挨拶イメージ

パネルディスカッション CHECK

テーマ「学校において実践研究を定着・普及させるための秘訣 ~特別研究指定校の取り組みを通して~」

  • パネリスト:野中 陽一(横浜国立大学 教授)
  • 寺嶋 浩介(長崎大学大学院 准教授)
  • 影戸誠(日本福祉大学 教授)
  • 金子健(明治学院大学 教授)
  • コーディネーター:木原俊行 (大阪教育大学 教授)

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講評・まとめ、情報交流会

総括

吉崎 静夫 
(パナソニック教育財団
評議員
日本女子大学教授)

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情報交流会

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