実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)
行事:成果報告会
分科会報告/第32回(平成18年度)
各分科会の概要報告
校種およびテーマ別の8分科会で、どのような報告があり、どのような課題について話し合われたのかなどを、分科会をご指導いただいた審査委員の先生方よりご報告いただき、全員で情報を共有しました。
A分科会〈小学校(情報)〉:大島 聡 横浜国立大学教授
情報に対する子どもたちの接し方をどのように指導していくべきかを、それぞれの先生方が十分検討したうえでICTを活用しておられる状況が強く感じられました。それぞれの研究の中で、目標を達成するために非常に幅広い努力をされているのですが、その成果を共有というところが少し足りない感じがしました。
B分科会〈小学校(教材開発)〉:木原 俊行 大阪教育大学教授
4点に絞ってお話します。まず、ユニークなカリキュラムや単元が開発され、報告されたということ。ふたつ目は、ICTを活用した実践が地に足が着いてきた感じがすることです。例えば、或る小学校では体験学習にICTを用いて、その体験学習の良さを風化させないようにICTを生かすといったような方向性が示されました。3点目は、学力行動という発想が非常に定着してきたということ。4点目は、どなたも成果の普及とか定着ということに対する眼差しをお持ちでした。成果の定着とか普及を図るときに、いわゆる研究主任等のリーダーの働きが大きいものです。ひとりでやっていると限界がありますから、もうひとり何か対抗できるような人の存在がバネになるものです。
C分科会〈小学校(交流)〉 :新地 辰朗 宮崎大学教授
今回は子どもたちにとって明確にこんな意義があるのだ、先生たちにとってはこういう意味があったというようなことを実践に結び付けて発表していただいたのが、非常に印象的でした。例えば、子どもたちは課題解決学習と言ってもどちらかというと易きに、そのとき思いついた方法で学習を進める。それを打破するためにICTを使って多様なアドバイスを提供して、子どもたちの思考をゆさぶったという事例がありました。つまり、ICT活用によって教育の質が高まったということです。また、学校自体に、教師力だけでなくて学校力が高まってきている、つまり先生方と校長先生が一体となった教育経営にICTを使っておられるという発表もありました。今日も複数お見えでしたけれど、成果発表会などにはできるだけ校長先生にもお出でいただければうれしく思います。