芦屋市立精道小学校

第41回特別研究指定校

研究課題

芦屋発、課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の開発
〜タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める〜

2016年度1-3月期(最新活動報告)

教師自身がタブレットをきちんと操作でき、理解がしっかりできている学級ほど子ども達のタブレットの......

公開授業研究会情報

  • 2016年11月25日 研究発表会

芦屋市立精道小学校の研究課題に関する内容

学校名 芦屋市立精道小学校
研究テーマ 芦屋発、課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の開発
〜タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める〜
目的 子どもたちが協働的に学び、学び合いを深めるために、タブレット端末を含むICT機器を如何に効果的に活用できるかなどの実践研究を重ねる。その実践の中で培った スキル、課題解決型学習の指導法、授業方法を発信することにより、さらに進化、深化させていきたい。
現状と課題
  • タブレット端末が、不足している。
  • タブレットの保有台数の関係から、班に1台を使用しているため、児童が触れる頻度に差が出てしまう。
  • 教室でのインターネット環境が30台が限界である。また、投影機能は10台が限度である。
  • 教師間のICT機器活用に関する情報に差がある。
  • 教師のメンテナンスに係る時間が確保できない。また、突然の不具合にすぐ対応できない。
  • 50インチTVでは、後ろの席まではっきり見えない。
  • 協働学習での活用方法を含め、課題解決型の学習プロセスについての理解がまだ不十分である。
取り組み内容
  • 書画カメラの常設化をする。
  • 職員会議の前や機会を捉えてICT機器ミニ研修を実施し、使い方や機能などを全体に広めていく。
  • タブレット支援員(1名)を有効に活用し、メンテナンスや授業での活用について相談や事前の準備等助言を得る。
  • 日常の授業実践を大切にしながら「学び合い」「思考」「表現」をキーワードに、校内研修(一人一授業公開)を通して検証を進める。
  • ホワイトボードなどアナログ的教具も併用しながら協働的な学びを深める「教師の出場(働きかけ)」についても検証していく。
  • 実践した記録(振り返り、成果等々)を整理し 残していく。(実践記録の収集)
  • 講師、先進校から学ぶ機会を増やす。
予想される成果
  • 各学年の教科カリキュラムを基本として発達段階(低学年、中学年、高学年)に応じた実践事例(失敗例も含めて)を集約し、職員間で共有し、ICT活用術や指導の向上を図る。<実践モデル>
  • 教師一人一人が「子どもたちが学び合いの中で思考を深める」ためのツールの一つとしてのタブレット活用に取り組むことで、そのポイントと感覚をつかむ。<授業改善>
  • 実践⇔検討⇔改善の循環により教師全体 の力量を高めるとともに、授業実践研究への意欲の継続を図る。<研究の持続>
  • ICT環境下での学習を日常化し、子どもたちが学習においても身近なもの、便利なものとして積極的に活用できる力をつける。
  • ICT環境の常設、手軽に使える環境づくりにを目指す。
助成金の使途
  • 備品購入
  • 講師謝金
特別研究指定期間 平成27〜28年
都道府県 兵庫県
研究代表者 谷川久吉(校長)
学校HP http://www.edu-ashiya.ed.jp/sidjs/
アドバイザー 堀田 博史(園田学園女子大学 人間健康学部 教授 )

芦屋市立精道小学校の取材記事

研究課題と成果目標

研究課題
  • グル―プでポップの内容を調べる調査活動
    芦屋発、課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の開発~タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める~
成果目標
  • 自分のテーマに沿った調査活動
    従来からの課題解決型学習を続けながら、学び合う中で“思考”を揺さぶり『表現』をより豊かなものにしていく。
    思考探究活動への仕掛けや学習課題のレベル、学び合い、効果的なICT活用などの意味を問いながら校内授業研究の日常化を図っていく。
    子どもたちが「意欲的(使いたい!)」になる。
    「協働的(あなたはどう思ったの?)」になる。
    「表現(思いを伝えたい!)」したくなる。
    「理解(わかった!!)」が深まる。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

本期間(4~7月)の取り組み内容

■1年間の計画および見通しの確認
年度初め

◎児童の思考をさらに深めるための児童への手立て

  • 「話す・聞く・話し合う力」の学年の発達段階に応じた目標設定および取組(「話す・聞く・話し合う力をつける10カ条」の活用)
  • 「生き生きと学び合う授業」素地となる学習規律を共通理解して、学校全体で取り組む。(全教室に掲示する。)

◎児童の思考をさらに深めるための児童への手立て

  • 授業を見合うための時間の調整を学年研で行う。(例:1週間の予定を立てる。デザインシートを活用した簡単な授業公開。)
  • シンキングツールを活用した本校研究テーマに沿った個人年間目標の設定。

11月25日研究会までに

  • 単元づくりデザインシート、本時づくりデザインシートの作成および学年団での実践事例交流などの日常的な授業交流
  • 授業後のふりかえりシートの作成および学年団での交流

学年末までに

  • 全教職員によるデザインシート集作成。(授業後のふりかえりシート含む)
  • 効果的なICT活用の実践事例集作成。(学年で1か月に1つ報告をあげ、まとめる)
  • 有効なタブレット活用場面の動画を作成する。

<別紙 精道小版 アクティブラーニング カリキュラム 素案ppt を貼り付ける>

■実績

  • 教師自身の思考を整理し、可視化するためにシンキングツール(フィッシュボーン型)を活用し、「個人のテーマ」を達成するために「学び合い」、「ICTの活用」、「思考力・判断力・表現力の育成」の3つの観点について具体的に考えることで、個々人が単元や授業の組み立ての際にそれらを意識しながら発問や課題のレベル、タブレットの有効性や必然性を考え直すことができた。
※アドバイザーの助言と助言への対応
  • タブレットを活用する際には、タブレットの有効性(別なツールの検討も含めて)をしっかり考えることが大切である。そのために授業内容を検討する際には、タブレット活用のポイント・有効性についてお互い意識して話し合う。
  • 単元・本時デザインシートを作る際には、授業のねらいをしっかりもち、それに沿ったタブレットの活用を考えていく。また、子どもたちの学習活動の様々な段階で活用できることを念頭に置いて(導入・ふりかえり、共有、協働、表現)作成する。
  • タブレットを活用する場面において子どもの思考を深めるためのタブレットの活用方法がはっきり分かるようにふりかえりシート(教師用)にタブレットの項目をおこし、それらを後に抜き出すことによって実践事例集、経験カリキュラムの作成の資料にしていく。
  • 精道小学校の活動を他の学校に発信していくために子どもの思考を深めるタブレット活用やアクティブラーニングのポイントに焦点を当てたビデオを作成し、公開していく。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

本期間の裏話
  • 4月はクラス経営の基盤づくり、5月は運動会等学校行事とも重なり、慌ただしい中ではあったが、学年団で授業の話が多くなり、同僚性が向上した。
  • 新しくこられた先生方にもミニ研修会や積極的なタブレットの活用を進めることで日々の授業で活用いただけた。

成果

本期間の成果
  • 学年研で効果的なICTの活用の実践報告(学年で必ず月1つあげている)について話したり、個人テーマを通した授業の交流、一人1授業によるデザインシートの交流をしたりするなど授業に関する話題が教師間で気軽にできる雰囲気が見られた。
  • 子ども達の“思考・探究”活動を中心に据えた授業をする際にタブレットが直接的に思考活動のツールとして活用されるだけでなく、思考活動に行きつくまでの前段階として、視覚による感覚的な理解の手助けや子ども自身の考えを整理して思考活動へつなげていく架け橋的役割も見えてきた。

今後の課題

アクティブラーニングの経験カリキュラムを作っていく際に、タブレット端末の効果的な活用にいくつかの段階が見えてきた。これらの段階ごとにタブレットの活用を考えていく必要がある。

  • 「導入・ふりかえり」への支援
  • 「共有」への支援
  • 「協働」への支援
  • 「表現(思考・判断)」への支援

今後の計画

  • 11月25日研究発表会に向けて学年団での指導案の検討
  • 一人一授業での指導案作成および学年団での話し合い
  • 授業後のふりかえりシートの作成および個人による実践事例作成
  • 本年度も昨年度同様に実践された授業については、単元前と後で児童アンケートを実施予定。1学期に実施した研究授業については、夏季休業中に集約、分析、授業改善の話し合いを予定。

*1学期実施したアンケート項目(高学年用)

★昨年度のアンケート結果より

3年理科 『チョウ博士になって、4年生にふく習問題を出そう』

  • 児童アンケートより
  • 「学習のめあてを つかむことができた」→1%水準で有意
  • 「友達の考えを聞いたりして、考えをはっきり持つことができた」 →5%水準で有意

5年算数科 『《合同な図形イラスト展》を開こう』

  • 児童アンケートより
  • 「友達や先生の思いを進んで聞くことができた」 →1%水準で有意
  • 「タブレットを使うと 友達と活発な意見交換ができた」 →5%水準で有意

3年総合的な学習の時間 『わたしたちの市のようす~すてきな芦屋のまちを見つけよう~』

  • 児童アンケートより
  • 「自分の考えや意見を友達や先生に分かりやすく伝えることができた」→ 1%水準で有意
  • 「グループで学習することで自分の考えを深めることができた」 →5%水準で有意
アドバイザーコメント
園田学園女子大学 人間健康学部 教授 堀田 博史 先生

精道小学校の研究課題は、『芦屋発、課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の開発』です。2年間で、タブレット端末を活用した課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の指導法や授業方法について体系的なモデルを開発することに取り組んでいます。2年目は、タブレット端末の有効な活用方法を事例集としてまとめ、体系化しています。同時に市内の学校に指導法などの普及を目指し、完成させます。

 

4~7月の精道小学校の取り組みでは、児童の思考をさらに深めるための児童への手立て、教師への手立てについて述べられています。その成果について、数値などで具体的に明示されると、他校の皆さんにも実践の効果がより分かりやすく理解できると思います。また学年末までに、効果的なICT活用の実践事例集を作成するとありますが、ぜひ11月25日の研究会に間に合わせるように作成をお願いします。研究会には、市内はもとより県内・外から授業参観されます。そのタイミングで実践事例集を配布するのが普及につながります。

 

他校の皆さんには、精道小学校の教職員全員で作成している、単元づくり、本時づくり、授業振り返りのデザインシート集を作成されることをお薦めします。他クラスの授業参観は時間的に難しいため、各デザインシートで授業を振り返ることは効果的です。参考になさって下さい。

 

4月から新たな教職員も加わり、研究にも慣れてきたと思います。各学年団で協力して、2学期以降は精道小学校の研究成果を発信し続けてください!

研究課題と成果目標

研究課題 芦屋発、課題解決型学習(アクティブラーニング)
~タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める~
成果目標
  • 各学年の教科カリキュラムを基本として発達段階に応じた実践事例(失敗も含めて)を集約し、教員間で共有し、ICT活用術や指導の向上を図る。
    《実践モデル》
  • 教師一人一人が「子どもたちが学び合いの中で思考を深める」ためのツールの一つとしてのタブレット活用に取り組むことで、その感覚とポイントをつかむ。
    《授業改善》
  • 実践⇔検討⇔改善の循環により教師全体の力量を高めるとともに、授業実践研究への意欲の継続を図る
    《研究の持続》

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容
  • 実践モデル
    ①実践事例集の作成
  • 授業改善
    ①ミニ研修会
    ②全校授業研の実施
  • 研究の持続
    ①一人一授業公開(5~9月)
    ※1学期に20本公開済み
    ②授業推進委員会での
    各学年による
    ICT活用授業の交流
    ③ICT掲示板の設置
アドバイザーの助言と助言への対応

園田女子大学 堀田先生からの助言

  • ①ICTの効果的な使い方を一般化(どこでもだれでもできる)と特殊性(精道小学校だからできる、○○先生ならできる)に分けて研究していくこと。
  • ②つけたい力を明確にした課題解決型の学習スタイルの確立。
  • ③ねらいをはっきりとした協働学習で子どもたちが達成感を感じる取組をする

助言への対応

  • ①どこでもだれでもできるICTの使い方を『一般化の使い方』。精道でないとできないことを『特殊性の使い方』というように分けて事例に書いていく。
  • ②精道小がこれまで取り組んできた言語活動の充実をさらに発展させる形で学習スタイルを確立していきたい。
  • ③生き生きと学び合う授業の創造をテーマに協働学習についてもこれまでの積み上げがあるので、その意味付けをはっきりとさせながら授業を創っていく取組をしていく。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • ICTの機器の環境設備やタブレット端末の整備状況が当初の予定よりも遅れてしまったこと。(設定に思わぬ時間を要する)
  • どのような視点・段階で研究を進めていけば、学校として研究が深まるのか悩んだ。
  • アクティブラーニングや21世紀型スキルなど今後求められる学び方や概念を自分の中に落とし込むのに苦労した。

成果

  • 精道小学校の教師一同ICT機器を用いた授業を積極的に行ったこと。
  • 子どもたちがICT機器に慣れてきたこと。
  • 公開授業を1学期に20本以上行ったので、若手の教師がベテランの授業を見て学んだり若手の授業をベテランが見てアドバイスしたりする姿が多く見られ、教師間での協働が活発になった。

今後の課題

堀田先生に助言していただいたことをもとに、学校全体が一丸となって段階的に研究を推進していくこと。

公開研究会の計画

10月23日(金) 9:00~17:00
午前:全クラス公開
午後:兵庫県内の色々な地域のICT活用パネルディスカッション
堀田先生の講話

アドバイザーコメント
園田学園女子大学 人間健康学部 教授 堀田 博史 先生

精道小学校さんの研究課題は「芦屋発、課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の開発~タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める~」です。アクティブ・ラーニングという流行言葉だけがキーワードではなく、教員がどのようにして子どもの主体的な学びを引き出し、思考力を育むか。その学習のあり方を考えようとするものです。

 

1年次の4~7月では、20本の授業を校内で公開されました。タブレット端末を活用して「子どもたちが学び合いの中で思考を深める」活動は、まだ試行錯誤の段階のようです。一方で、授業を公開し続けること、職員室内にICT活用の掲示物を貼るなど、自らのICT活用と比較できる活動を常に間近で見続けられることで、徐々に進むべき研究のイメージが共有できてきたのではないでしょうか。

 

今後、習得・活用・探究という学習プロセスで、タブレット端末の「活用」が、子どもの主体的な学びを「どのように」して引き出せたのかを整理して、客観的に思考力の育みとの関連を示すことが求められます。

研究課題と成果目標

研究課題 芦屋発、課題解決型学習(アクティブラーニング)
~タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める~
成果目標
  • 各学年の教科カリキュラムを基本として発達段階に応じた実践事例(失敗も含めて)を集約し、教員間で共有し、ICT活用術や指導の向上を図る。
    《実践モデル》
  • 教師一人一人が「子どもたちが学び合いの中で思考を深める」ためのツールの一つとしてのタブレット活用に取り組むことで、その感覚とポイントをつかむ。
    《授業改善》
  • 実践⇔検討⇔改善の循環により教師全体の力量を高めるとともに、授業実践研究への意欲の継続を図る
    《研究の持続》

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容

1.実践モデル

  • ①授業推進委員会でのICTを活用した授業の取組の交流
  • ②ミニ研修会(教員が使い勝手がよいというICTの活用方法を全体に広げる)

2.授業改善

  • ①研究発表会の実施
  • ②研究会に向けて、堀田先生を交えての指導案検討
  • ③授業エビデンスとしての、単元前・単元後の児童アンケートの実施

3.研究の持続

  • ①一人一授業公開(5~9月) ※1学期に行えなかったクラスの授業公開
  • ②授業推進委員会での各学年によるICT活用授業の交流
  • ③ICT掲示板の設置
アドバイザーの助言と助言への対応

園田女子大学 堀田先生からの助言

  • ①子どものアンケート(エビデンス)を踏まえた経験カリキュラムの作成について
  • ②実践を追試する必要性について
  • ③事例集を元にしたリーフレットの作成

助言への対応

  • ①授業におけるエビデンス(児童アンケート)をつけた経験カリキュラムをどのような形にするのか授業推進委員会で協議中。
  • ②去年度行った実践を追試することの必要性を教員間で共通認識する。
  • ③アクティブラーニングの実践について、見た人が活用しやすい(一般化)リーフレットを作成することを授業推進委員会で協議中。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • 研究発表会で全クラス公開できてうれしかった。全員で取り組むことができたことが大きい。
  • ICT活用の授業研修会を開くことに苦労した。本校はタブレット導入して2年目ということもあり、堀田先生からも多くのことを学んでいる。その中で、各先生間のスキルの差や意識の差が見られるようになってきた。その差を埋めるような研修を行うにはどうすれば良いのか考えることに苦労した。
  • 授業推進をしていく上で、全員が同じベクトルで研究を深めていくむずかしさを日々痛感している。

成果

  • 研究会における全クラス公開授業。
  • 子どもたちがICT機器を用いた授業でも、騒がなくなってきた。
  • 学年や堀田先生を交えた研修会で指導案検討することで、授業のポイントや指導の観点などを若手・ベテランで交流でき、指導力向上につながった。

今後の課題

全クラス公開の授業研究をしていく中で、教師間でICTの活用のポイントや有効性を確認できた。これからは、その系統性を意識したカリキュラム作りに入る予定である。カリキュラムをどのように作っていくか、共通理解しながら作り上げていくことが課題である。

公開研究会の計画

来年度 日程調整中

アドバイザーコメント
園田学園女子大学 人間健康学部 教授 堀田 博史 先生

精道小学校の研究キーワードは、アクティブ・ラーニング、タブレット端末の活用、そして思考力の育成です。

 

文部科学省は、2015年8月の教育課程企画特別部会 論点整理のイメージ(たたき台)(案)の中で、主体的な学びの過程、対話的な学びの過程、そして深い学びの過程が実現できているか、を新しい学びの形として問うています。精道小学校の研究は、これらの学びの過程を実現することが前提だと考えます。そして、実現した学びの過程を評価することが求められています。

 

5月から9月にかけて、すべての教員が校内で研究授業を行いました。また、授業推進委員会を立ち上げ、各学年によるICT活用授業の交流も行われています。これにより、教員のICT活用実践力は明らかに向上しました。多くの先生に、授業を参観してもらうことで、授業の工夫が認知できるようになりました。しかし、授業内容が前述した3つの学びの過程をどの程度意識してデザインされ、実践されているか、その辺りの検証も3学期に行われることを期待します。

 

特別研究指定校としての研究も折り返し地点です。エビデンスを校内で共有することと、研究課題にある「芦屋発」としての役割、市内の学校への普及の準備をはじめられることにも期待しています。

 

期待ばかりを述べましたが、ここ数年精道小学校に関わって、明らかに先生方の研究への取り組み姿勢に強い力を感じます。同じベクトルを向いて研究に取り組んでいます。残り1年半、このPowerを継続して、芦屋発のアクティブ・ラーニングを全国に広めましょう。

研究課題と成果目標

研究課題 芦屋発、課題解決型学習(アクティブラーニング)
~タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める~
成果目標
  • 各学年の教科カリキュラムを基本として発達段階に応じた実践事例(失敗も含めて)を集約し、教員間で共有し、ICT活用術や指導の向上を図る。
    《実践モデル》
  • 教師一人一人が「子どもたちが学び合いの中で思考を深める」ためのツールの一つとしてのタブレット活用に取り組むことで、その感覚とポイントをつかむ。
    《授業改善》
  • 実践⇔検討⇔改善の循環により教師全体の力量を高めるとともに、授業実践研究への意欲の継続を図る
    《研究の持続》

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容

1.実践モデル

  • ①授業推進委員会でのICTを活用した授業の取組の交流
  • ②ミニ研修会(教員が使い勝手がよいというICTの活用方法を全体に広げる)

2.授業改善

  • ①堀田先生を交えて来年度の授業における方向性の確認
  • ②学年研で日々の授業のふりかえり

3.研究の持続

  • ①授業推進委員会での各学年によるICT活用授業の交流
  • ②ICT掲示板の設置
  • ③今年度の授業推進の評価・ふりかえり
  • ④学年研で日々の授業のふりかえり
アドバイザーの助言と助言への対応

次年度は、「生き生きと学び合う授業の創造~思考力・判断力・表現力を育むアクティブラーニングを通して~」という研究テーマとし、従来からの課題解決型学習を続けながら、学び合う中で“思考”を揺さぶり『表現』をより豊かなものにしていきたい。思考探究活動への仕掛けや学習課題のレベル、学び合い、効果的なICT活用などの意味を問いながら校内授業研究の日常化を図っていきたい。そのために、①指導案に代わる単元・本時デザインシートの開発②子どもの学びの姿(タブレットのカメラ機能:静止画)から、本時について学びに向かった瞬間、学びから遠ざかった瞬間を検証③思考ツールの活用(まずは使えるところから)を考えている。

園田女子大学 堀田先生からの助言

研究内容の一般化を図るためにも、本研究における実践事例集を作り、研修パッケージ を作成していくのはどうかという助言をいただいた。具体的には、アクティブラーニングの系統的なモデルの提示。そして、「計画-実践-評価(総括)」のスパンを教師個々人でまとめることである。

  • 《計画段階》
    単元・本時デザインシートの活用(今までの指導案に代わるもの)
  • 《実践段階》
    参観者が本時案にコメントを書き込んだり静止画を貼りつけたりする。「子どもの学ぶ姿」と「思考」の焦点化
  • 《評価(総括)段階》
    第3者(校長、教頭、大学研究者・指導主事など)のコメント。子どもの評価(ふり返り)。アンケート(単元前⇒単元後)による客観的データ。

助言への対応

  • ①授業におけるエビデンス(児童アンケート)をつけた経験カリキュラムをどのような形にするのか授業推進委員会で協議中。
  • ②去年度行った実践を追試することの必要性を教員間で共通認識する。
  • ③アクティブラーニングの実践について、見た人が活用しやすい(一般化)リーフレットを作成することを授業推進委員会で協議中。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • 学年研の内容として、授業に関することが増えた。
  • 学年末と行事が重なり研究の時間確保が困難であった。そのため「新たな取り組みに挑戦する」という感じではなかった。
  • 10月の研究会~2学期末に研究推進を総括し、3学期を迎えることができると、3学期はそれを個々に検証し新年度を迎えることができたかもしれない。

成果

  • 授業中に子どもたちがICT機器の活用を考え始めた。
  • 学年研での授業の交流・ふり返りが多くなってきた。
  • ICTを活用する際“思考”活動を大事にしていかなければいけない段階に進んできた。

今後の課題

  • 教師個々人の活用の差を埋めるような研修をと考えていたが、時間もなく実施できなかった。しかし、本研究で培った教師の同僚性を生かし、その差を日々の実践の交流を繰り返す中で埋めていけないかと考えている。
  • 来年度は研究指定2年目である。ICT機器の効果的な活用方法を考える中で培ってきた同僚性を生かして、堀田先生よりご助言いただいたアクティブラーニングの経験カリキュラムをどのように作っていくか、共通理解しながら作り上げていくことが課題である。
  • 教師個々人が自分自身の課題を明確に持ち、子どもの姿からどのように主体的・能動的・協働的に学習に取り組み、課題を解決していくかを考えていくかというプロセスを大切にした授業研究を進めていきたい。

今後の計画

2016年 4月~10月 1人1公開授業
2016年 6月17日 (金) 全校研究会
2016年 9月14日 (水) 研究発表会に向けて、堀田先生を交えての指導案検討
2016年 10月19日 (水) 全校研究会
2016年 11月25日 (金) 学年1+α公開
2017年 2月17日 (金) 全校研究会(予定)

1年間を振り返って、評価・感想(気づき)・次年度への思い

この1年、チーム精道として教員が一丸となって新しい学びに挑戦してきた。ICT機器の導入を契機に授業研究の在り方が見直され、その根幹となる「学び合い」の質や思考を深めることにより高めていくことの重要性に全教員が気づくことができた。

職員室では、研究日に限らず「今日はうまくいったかな。」「これは失敗だったな。」など、授業が話題となることが多く、ICT活用はもとより子どもの学びの姿にまで至っていた。日常的に実践をふりかえり、改善に向かう方向性が共有でき、教師の力量が自ずと高まる素地ができつつある。来年度の研究日程からもわかるように、授業研究への意欲もより高まりを見せている。

こうして教員間で日常的にも研究を積み重ねながら、子どもの思考をさらに深めることを中核として課題解決型学習(アクティブラーニング)の実践カリキュラムを発信していきたい。

アドバイザーコメント
園田学園女子大学 人間健康学部 教授 堀田 博史 先生

精道小学校の研究もいよいよ2年目を迎えます。研究課題は、タブレット端末を活用したアクティブ・ラーニングの指導法や授業方法について体系的なモデルを開発することです。精道小学校では、1年目の成果を「校内研究(一人一授業公開)を通して、授業でタブレット端末をはじめとするICT機器が子どもたちの学びにどう効果的であったか、また発達段階に応じた活用のあり方としてどうであったか等を検証し、実践事例の蓄積を図ることができた」とまとめられています。

 

1年目は、まず校内にICT活用の授業実践を積み重ねていくことで、その成果や課題が見えてくる時期です。精道小学校では、すべての教員がICTを活用した授業実践を行い、それらを校内で共有して、自分の授業実践が他の教員にも役立つという共有サイクルが出来上がってきました。2年目は同じ授業実践の蓄積を目標とすると、いままでの経験から緊張感が緩みます。授業実践を市内の学校に公開して、授業の流れや指導方法について情報交換を行いながら、質と量を高めて行かなければなりません。

 

精道小学校の1年目を振り返り、授業での「思考の可視化」「瞬時の共有」「思考の繰り返し」場面を取り入れた授業設計は、ある程度定着してきました。だからこそ、4月からは授業実践をビデオ撮影して、芦屋市内のネットワークに公開、情報交換の1つの手段としていきましょう。また、市内だけではなく県内・県外への情報発信に向けて、JAET佐賀大会などの全国レベルの研究会での発表を期待します。

 

研究課題は、芦屋発、課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の開発~タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める~です。今一度、この時期だからこそ、校内で研究の方向性を確認して、同じベクトルに向けた団結が必要だと思います。

 

芦屋発のアクティブ・ラーニングを、兵庫県下に、そして全国に発信しましょう!

研究課題と成果目標

研究課題

芦屋発、課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の開発
~タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める~

成果目標
  • 従来からの課題解決型学習を続けながら、学び合う中で“思考”を揺さぶり『表現』をより豊かなものにしていく。
    思考探究活動への仕掛けや学習課題のレベル、学び合い、効果的なICT活用などの意味を問いながら校内授業研究の日常化を図っていく。
    子どもたちが「意欲的(使いたい!)」になる。
    「協働的(あなたはどう思ったの?)」になる。
    「表現(思いを伝えたい!)」したくなる。
    「理解(わかった!!)」が深まる。ことをめざして取り組む。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容
  • 夏休みに1学期の授業を振り返り、2学期にむけて各学年どのように授業改善を行うか検討(9月14日の指導案検討に向けての話し合いも含む)
  • 夏季研修会でシンキングツールについて学習し、思考の可視化について具体的に教師の個人目標の設定の方法や授業にどういかすか再検討
  • 9月14日、堀田先生を招いて11月25日の研究発表会の指導案検討会実施
  • 10月19日、全校授業研究会
  • 11月25日、研究発表会
アドバイザーの助言と助言への対応

11月25日、研究会発表会全体会の場で園田学園女子大学教授堀田博史先生に今までの本校の研究のふりかえりと今後の方向性について講評いただいた。

その中で、タブレットを有効に活用して子ども達の深い学びにつなげていくには、本校が以前から継続して取り組んでいる言語活動の更なる充実や丁寧な学級経営等を継続して、系統立てて行うことの重要性や精道小学校の実践を芦屋市内、県内、全国へと発信していくことの大切さ(そこからまた、ご意見をいただいて更に良いものにしていく)についてもアドバイスいただいた。

また、パネルディスカッションも行い、本校教員、国・県・市の担当者の方から「教育ICT環境の充実とアクティブ・ラーニング」と題してディスカッションいただいた。短期的な見通しだけでなく2030年を見据えた長期的な構想についてもそれぞれの立場からご意見を伺い、将来を見据えた視点で取り組むことの重要性についてもご示唆いただいた。 それらを受けて、研究発表会の資料として2年間の実践事例集をCD-Rでお配りして参加者にすぐに活用していただけるようにするととともにすべての授業を映像で撮っているので、タブレットが有効に活用されている場面や子ども達が主体的に協働的に活動できた場面などポイントを絞った形で映像にまとめホームページ等で発信していきたい。

本期間の裏話

    研究発表会に向けて指導案検討や環境整備等一つの目標に向けて学校全体で取り組めたことで教師同士のつながりや絆も深まった。

成果

研修パッケージ(個人目標設定、単元デザインシート、本時デザインシート、ふりかえりシート)をルーティーン化、明確化することにより、教師自身が自信をもって授業に取り組み、次の授業にいかす頻度が増した。
日々の授業においてもお互い評価したり、話し合ったりする時間も増えて授業や子どもの話が日常的に行われるようになった。

今後の課題

教師自身がタブレットをきちんと操作でき、理解がしっかりできている学級ほど子ども達のタブレットの活用技能や能力も高い傾向にあると言われている。ミニ操作研修会など校内研修会も月1回程度行っているが、技能に差があり一律に行うことに無理が生じていることも事実である。自分の苦手な操作や授業で必要な操作を取捨選択して個別に力量をあげていく研修プログラムの開発も県の機関と連携して早急に行っていく必要がある。

今後の計画

2月15日の全校研究会に向けて指導案検討
ミニ研修会開催

市内、市外の学校への情報発信
2来年度の研究体制や課題の検討

アドバイザーコメント
園田学園女子大学 人間健康学部 教授 堀田 博史 先生

精道小学校の研究も2年目の終盤、成果をまとめる時期を迎えました。研究課題は、「芦屋発、課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の開発~タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める~」です。

 

8月から12月の成果目標に書かれているとおり、「学び合う中で“思考”を揺さぶり『表現』をより豊かなものにしていく」ことは、精道小学校が今まで取り組んできた対話的な学びの過程を重視し、より具体的にしていくものです。それらを成果として示すためのひとつの手段として、精道小学校では授業でのシンキングツール(思考ツール)の活用を検討して、研修にも取り入れました。全校授業研究会や研究発表会では、これらシンキングツールを児童が使いこなすまでには至っていませんが、徐々にその成果が見えてきました。自らの考えを言葉だけではなく図式化することで、より考えを整理でき、能動的な学びが実現しています。

 

精道小学校の児童は,シンキングツールに慣れ、使いこなす途中段階です。今後は,授業でのタブレット端末の活用有無に関わらず,児童が主体的にシンキングツールを活用している姿を見てみたいものです。

 

一方、“思考”の揺さぶりがシンキングツールで行われるとすれば、『表現』をより豊かなものにするには、情報活用能力も必要です。そのために、すべての教員が児童の情報活用能力の育みを意識して授業に取り組むことが大切です。3月までの残り数か月、その点に留意して研究を進めてください。そして、最終的に精道小学校の取り組んだアクティブ・ラーニングが,どの程度芦屋市内に影響を及ぼしたのか、について明示してください。期待しています。

研究課題と成果目標

研究課題

芦屋発,課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の開発
~タブレット端末の活用で児童の思考をさらに深める~

成果目標
  • 従来からの課題解決型学習を続けながら,学び合う中で“思考”を揺さぶり『表現』をより豊かなものにしていく。思考探究活動への仕掛けや学習課題のレベル,学び合い,効果的なICT活用などの意味を問いながら校内授業研究の日常化を図っていく。子どもたちが「意欲的(使いたい!)」になる。「協働的(あなたはどう思ったの?)」になる。「表現(思いを伝えたい!)」したくなる。「理解(わかった!!)」が深まる。ことをめざして取り組む。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

取り組み内容

2/15全校研究会
ミニ研修会開催
市内、市外の学校への情報発信
来年度の研究体制や課題の検討

アドバイザーの助言と助言への対応

    2月15日の全校授業研究会において以下の点についてアドバイスいただいた。

  • 授業の中で主体的な学びの過程、対話的な学びの過程、深い学びの過程をどこで作るのかを指導案に明記するのはどうか。
  • 自分で問題をつくることも深い学びにつながる。
  • 情報活用能力を教育課程全体通じて確実に育成する。
  • これから未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力の育成が必要である。

本期間の裏話

    授業や子どもに関する話が職員室で多く見られた。

成果

授業推進委員会や職員会議等で特別研究指定が終了した後の研究の在り方や方向性について協議してきた。ICT機器を有効活用することで、児童の思考が更に深まることやアクティブ・ラーニングにおいても1つの有効な手段であることもこの2年間で先生方も実感された。堀田先生からアドバイスいただいたことや精道小学校が取り組んでいる言語活動の充実や子ども同士な学び合いを大切にしつつ、ICT機器の活用を更に深める方向で一致した。柱としてタブレットを活用した職員研修をテーマに来年度は取り組む予定である。

今後の課題

教師自身がタブレットをきちんと操作でき、理解がしっかりできている学級ほど子ども達のタブレットの活用技能や能力も高い傾向にあると言われている。ミニ操作研修会など校内研修会も月1回程度行っているが、技能に差があり一律に行うことに無理が生じていることも事実である。自分の苦手な操作や授業で必要な操作を取捨選択して個別に力量をあげていく研修プログラムの開発も県の機関と連携して早急に行っていく必要がある。また、来年度は教員研修の在り方を授業研究の課題とし、4月からどのように進めていくか検討中である。

アドバイザーコメント
園田学園女子大学 人間健康学部 教授 堀田 博史 先生

 特別研究指定を受けているこの時期は,今までの成果を市内,市外の学校への情報発信を中心に,来年度の研究体制や課題の検討に入ります。精道小学校では,「芦屋発,課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)の開発」の研究成果を市内に浸透させ,市外にリーフレットなどで普及させることが必要です。その活動は,精道小学校の研究活動の振り返りに繋がり,課題が明確になるからです。
 精道小学校は,特別研究指定の最終期間を迎え,「ICT機器を有効活用することで,児童の思考が更に深まることやアクティブ・ラーニングにおいても1つの有効な手段であることを実感した」と活動報告書に記載があります。私には「やっと」という思いがある一方で,この実感は,教員にICT活用の意義が定着してきたことを意味します。精道小学校の先生方が,転勤されてもICT活用の意義は持ち続けられるでしょう。これが,芦屋市内への研究成果の浸透だと思います。