財団活動日記&ニュース
2012年6月27日
 第38回 特別研究指定校のご紹介 〜徳島県立盲学校〜
 

第38回実践研究助成『特別研究指定校である徳島県立盲学校についてご紹介します。

徳島県立盲学校は、幼稚部・小学部・中学部・高等部並びに高等部専攻科を設置し,視覚障害教育を専門的に行う特別支援学校です。高等部には普通科と手技療法科,専攻科手技療法科・専攻科鍼灸手技療法科(以下「職業学科」という)があります。 高等部の職業学科は,あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師になるための専門教育を行います。

このため徳島県立盲学校全体では3歳から60歳を超える人までと、たいへん幅広い年齢層の幼児・児童・生徒が学んでいます。このような幼児・児童・生徒たちに対し、“社会人として自立できる”ことを目標に、一貫した支援、教育を行っています。

また、県内で唯一の盲学校ですので、視覚障害教育の地域センターとしての役割も果たし、積極的な情報発信や保護者の精神的なケアなども行っているとのことです。

今回の取り組みは、職業学科を対象としたICT機器(タブレットPC)活用により、生徒の認知スタイル(障害)の違い応じたコンテンツを提供し学習支援、障害補償を行うというものです。

研究課題 : ICTを活用した視覚障害者の学習環境の構築と授業実践
      〜 タブレットPCを用いた職業教育の実践 〜

この課題設定は、職業学科で学ぶ東洋医学の専門用語には、多数の同音異義語(例、“しょうかい”と発音するツボ:照会、小海、少海)や画数の多い文字(例:積聚、鵞足)が多く、視覚障害をもつ生徒には文字認識が大きな負担となっていることや、市販の参考書は文字が小さく自己学習用教材として活用できないこと、などを背景としています。

本実践による学習支援、障害補償を行うことで、国家試験(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師)の合格率も高めていきたい、とのことでした。

文字認識の負担や自己学習教材がない、という課題は、視覚障害をもつ方に共通するものですので、この実践を徳島県立盲学校全体に拡げ取り組んでいくとのことでした。

徳島県立盲学校の実践は、他の視覚障害教育を専門に行う特別支援学校の学習活動のみならず、すでに社会に出ている視覚障害者の日常生活や職業生活に対しても、資するものと期待しています。

徳島県立盲学校の実践については、後日あらためてご報告します。

私は今回はじめて視覚障害教育を専門に行う特別支援学校を訪問させていただきました。はじめて知ることがたくさんございましたので、その一部を紹介させていただきます。

視覚障害教育を専門に行う特別支援学校の実践をお知りいただく上で、少しでもお役に立てば幸いです。


同じ教室に、明るいと見えに難い生徒、明るくないと見え難い生徒の双方が在籍しています。
そのような認知スタイル(障害)の違いに対応するため、1つの教室を黒板+白布で仕切り、光の影響を考慮する工夫をしています。


点字地球儀

視覚障害者用の教科書です。
弱視者用は、文字サイズを16ポイント(通常の1.8倍)程度に拡大します。
全盲者用は点字に変換しますので、1冊の教科書が12冊程度になります。点字は圧力で潰れてしまいますので、日常の活用でも注意が必要です。


職業学科の授業風景。
認知スタイル(障害)の違いに応じたツールを活用しています。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の専門教育ですので、教材も専門的です。
学校内には治療室もあり生徒の実習も行いますが、一般の方への施術も行っています。


2012年6月27日(水)UP (三田)

←前の記事へ 次の記事へ→