ICT研修(ICTを授業の中で活用するための研修)

デジタルテレビ簡単活用術 その5「電子黒板」2011年2月22日(火)

みなさま。
関西大学大学院の泰山裕です。

これまで、4回に渡って紹介してきた「デジタルテレビ簡単活用術」も最終回を迎えました。
今回は、<電子黒板としてのデジタルテレビの活用>です。

これまで、デジタルカメラ、実物投影機、パソコンを映すための映像提示装置としてデジタルテレビをどのように活用するかについてご紹介してきました。


電子黒板はペンや手などで画面上をさわって、操作を行うものです。この機能によって、これまでの黒板のように電子黒板の上に文字を書いたり、写真などを移動させたりすることができます。現在、デジタルテレビの上にかぶせることで電子黒板するためのものもあります。
電子黒板機能付きデジタルTVの例

そこで、今回はデジタルテレビの活用の発展として、電子黒板の活用をご紹介したいと思います。また、電子黒板の活用を考えたときに、外すことができないのがデジタル教科書です。

そこで、今回は電子黒板デジタル教科書にフォーカスを当てて、紹介していきたいと思います。

○ 電子黒板の活用


電子黒板の特徴は

  1.  画面上での操作
  2.  画面への書き込み

です。このような機能は、授業でどのように活用できるでしょうか。


1. 画面上での操作

電子黒板では、画面上でパソコンを操作することが出来ます。といっても、可能なのはマウス操作のみです。

パソコンをどのように活用するかに関しては、前回の「デジタルテレビ簡単活用術」でご紹介しました。パソコンを画面上で操作することにより、こどもを見ながらパソコンの操作をすることが可能になります。

これまでパソコンを使うためには、パソコンを見ながらマウスを操作する必要がありましたが、電子黒板を使うことでこどもと同じ目線で操作することが可能になります。


たとえば、プレゼンテーションソフトで教材を作成して説明をする場合、電子黒板を活用すると画面をクリックすることでスライドを次に進めることが出来ます。
自作のスライドを使って説明しています。  

2. 画面への書き込み

電子黒板には、映した画像や動画の上に文字などを書き込む機能があります。 これを使うと、実物投影機に似た使い方をすることができるようになります。たとえば、写真を写して、先生がこどもに注目させたい部分に○をつけたり、文字を書き込みながら説明をすることができます。これは、こどもが発表をするときにも活用できる方法です。

   
地図に行き方を書き込んでいます。     人口推移を予測してグラフを書いています。

このような活用方法はいろいろと実践されています。 たとえば、電子黒板活用コミュニティサイト、「でじたる教室日記」では、さまざまな活用事例が紹介されています。

また、文部科学省が電子黒板の活用による効果を検証し、「電子黒板の活用により得られる学習効果等に関する調査研究」報告書としてまとめています。
この中では、すこし文字が多いですが、この中では学校種別ごとに活用事例が紹介されています。

○ デジタル教科書との活用

デジタル教科書という言葉はいろいろな意味で使われていますが、今回は、こどもに持たせるものではなく先生が使うものを想定して説明を進めていきます。

デジタル教科書にはさまざまな機能があります。 機能はデジタル教科書の種類によって違いますが、ほとんどのものにあり、よく使われるのは以下のような機能です。

・ 教科書をそのままうつす
・ 文章や挿絵などを拡大する
・ 教科書の内容に関係する教材を使用する



■ 教科書をそのままうつす

デジタル教科書は教科書をデジタル化したものです。なので、子どもが持っている教科書とまったくおなじものをデジタルテレビに映すことが可能です。教科書をそのままうつすことで、注目させるべきポイントを的確に示すことができます。これまでは、「○ページの○行目」というように指示していたのが、デジタル教科書を表示させることで、視覚的に指示を出すことができます

また、教科書にある挿絵などに関しても同様に注目させながら説明をすることが可能です。こどもが手元に持っているものと同じものを前で映すことで、より的確に注目させることが可能になります。この使い方は、実物投影機で教科書を映したり、デジタルカメラで教科書の写真を撮ったりすることで同様のことが可能です。

デジタル教科書ならではの利点は、そこに線を引いたり、一部分を拡大することができることでしょう。デジタル教科書では、教科書の文章に線を引く機能があるものが多いです。国語などで、教科書に線を引く場合は、より指示が通りやすくなるでしょう。

さらに、教科書を映し、そこに線を引く機能は、こどもの考えたことを発表させるときにも有効です。たとえば、文章の解釈や写真から読み取ったことこどもに画面上に書き込みをさせながら説明させることで、ひとりのこどもが考えたことをクラス全体に共有することが可能になると思います。そこから考えたことについてディスカッションを行うこともよく行われています。

さらに、教科書を映し、そこに線を引く機能は、こどもの考えたことを発表させるときにも有効です。たとえば、文章の解釈や写真から読み取ったことこどもに画面上に書き込みをさせながら説明させることで、ひとりのこどもが考えたことをクラス全体に共有することが可能になると思います。そこから考えたことについてディスカッションを行うこともよく行われています。



<授業イメージ>
光村チャンネル
小学校国語 光村「国語デジタル教科書」より



■ 文章や挿絵などを拡大する

デジタル教科書は、教科書にある文章や挿絵などを拡大して提示することができます。拡大して提示することによって、こどもたちをその部分に集中させることが出来ます。理科や国語では、絵や図などを拡大することでこどもたちにイメージを持たせることが出来、算数や社会などでは理解しにくい事象を、イメージを持ちながら理解させることが可能になるでしょう。



<デジタル教科書のイメージ>
小学校の国語 三省堂
「教科書準拠指導用デジタル教材
三省堂『小学生のデジタル国語』より







■ 教科書の内容に関係する教材を使用する

デジタル教科書には、教科書の内容に関連した教材がついています。たとえば、算数のデジタル教科書には展開図を見せるための機能がついていたり、国語のデジタル教科書には書き順をおしえるためのコンテンツがついていたりします。どれもその教科書に関係した題材を用いたものなので、教科書をもとに授業を進める際には有効な教材になります。



<例:文中に出てきた漢字の筆順を確認する>
光村チャンネル
小学校国語 光村「国語デジタル教科書」より



その他にも、デジタル教科書を開発している光村図書のWebページなど、活用事例をまとめているところもあります。参考にして頂ければと思います。 http://www.mitsumura-tosho.co.jp/digital/kokugo/syougaku/use/



それでは、次は電子黒板を活用するための準備についてです。
電子黒板はパソコンとセットで活用されますので、事前準備、授業前準備に分けて紹介していきます。事前準備に関しては一度やってしまうとそれ以降は行う必要はありません。

◆ 事前準備

<電子黒板のドライバのインストール>

電子黒板を使うためには、電子黒板上での操作がパソコンに反映されるようにしなくてはいけません。そのためには、ドライバというソフトをパソコンにインストールする必要があります。 これは、電子黒板に付属しているCDをパソコンに入れて、手順通りに進めるとOKです。

<デジタル教科書のインストール>

それに加え、デジタル教科書を使う場合はデジタル教科書もパソコンにインストールしておく必要があります。これも、付属のCDをパソコンの中にいれ、説明書の通りに進めていけば大丈夫です。
しかし、これはデジタル教科書の種類によって異なり、インストールがいらないものもあります。

◆ 授業前準備

<パソコンと電子黒板の接続>

ドライバさえインストールしておけば、電子黒板とパソコンの接続はとても簡単です。電子黒板から出ているUSBケーブルで、パソコンと接続するだけです。音声を出したいときは、音声入力ラインをパソコンのイヤホン端子(音声出力端子)に接続しましょう。
もしも、教室に電子黒板がある場合は接続したままおいておくとすぐに使えて便利です。



電子黒板と聞くと難しく感じるかも知れませんが、単純にいうとテレビの画面のタッチすることで、パソコンのマウスの代わりにするというシステムです。

ですから、見せられるものはパソコンとまったく同じです。しかし、「電子黒板」という名前の通り、黒板と似たような使い方(こどもと目線が共有できる、実際に書き込める、など)が可能になります。

どの教材を選ぶ時でも同じだと思いますが、電子黒板、デジタル教科書にはさまざまな機能がありますので、前回のパソコンの活用のときと同様、「どの場面」で「なぜ」使うのかを考えることが重要です。

それを考えるためには、電子黒板でなにが出来るかを把握しておく必要があります。いきなり、活用するのは難しいかも知れませんが、まずは書き込み機能などの簡単なものから使っていくといいかと思います。



さて、これまで5回に渡って紹介してきた「デジタルテレビ簡単活用術」も今回が最終回になります。

力不足ではありますが、これまで僕が見せて頂いた実践や研究の中で、先生方が活用 できそうなポイントにしぼって書かせて頂きました。

簡単に内容をまとめたので、わかりにくい部分等も多々あったかと思いますが、これをきっかけにICT活用がすこしでも広がったのであれば、こんなにうれしいことはありません。

本連載の中でも、繰り返し触れてきましたが、デジタルテレビを含めた ICT機器は授業を補助するものであると思います。つまり、ICTを授業で活用することにより、授業がやりにくくなったり先生の負担のみが増えてしまうことになっては意味がありません

また、何のためにどのタイミングでICTを活用するのかを考えることは、授業を考えることと同じ意味です。授業で大切にしたいことをより効果的に、わかりやすく子どもたちに伝えるためにICTを活用することが大事だと思います。
そのためには、まずは先生が無理なくICTを活用すること、それぞれの機器の特徴を知ることが重要です。

本連載では、それぞれの機器の得意なこと、不得意なこと、さらに実際の活用場面、操作方法を紹介してきました。

まずは、簡単な方法からICTを活用し、先生が無理なくICTを使えるようになることが第一歩かと思います。デジタルテレビは、これまで先生方が活用してきた簡単な機材(実物投影機やデジタルカメラなど)と組み合わせることで、授業をよいものにすることもできますし、パソコンや電子黒板などの機材と組み合わせることの出来るものです。

デジタルテレビは先生方が使い慣れている機材であると同時に、さらなる発展も期待できるような機材です。これを機会にICT活用がひろまり、よりよい授業が実践されていくことを願っています

ご愛読、ありがとうございました。

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