先導的実践研究助成(高等教育機関の研究者に対する助成制度)先導的実践研究助成(高等教育機関の研究者に対する助成制度)

平成23年度 先導的実践研究助成贈呈式レポート

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平成24年4月20日(金)、パナソニックセンター東京において、「平成24年度 先導的実践研究助成 『助成金贈呈式』」が執り行われました。

「先導的実践研究助成」とは、【高等教育機関の研究者に対する助成を通し、初等中等教育学校現場におけるICTの効果的活用の普及促進を支援する】ものです。

当日は、「奨励状」授与のほか、助成者による取り組み内容をプレゼンテーションしていただき、それに対するアドバイスとディスカッションを行いました。最後は情報交流会でより幅広い情報交換を行いました。

吉崎教授「助成金贈呈式」開会にあたり、主催者を代表し、吉崎静夫 専門委員・評議員(日本女子大学 教授)より、本助成制度の趣旨ならびに選考経過が説明されました。
それに引き続き、助成者お一人おひとりに吉崎先生より「奨励状」が授与されました。

選考経過説明において、吉崎先生は、「先導的実践研究助成」は【初等中等教育のみでICTの効果的な活用等を促し、実践を根付かせるには限界があり難しいという実情を踏まえ、研究者の力を借りて初等中等教育学校現場におけるICTの有効活用を支援しよう研究者の研究を学校現場の実践に活かそう。】というものであると、趣旨を確認し、その特徴を次のように纏められました。

  1. “初等中等教育に資する、初等中等教育の実践に活かす”という明確なゴールを設けている。そのために、期待される具体的な成果物を示している。
  2. 研究者の研究と学校現場の実践の橋渡しを行うべく、普及型、モデル型、萌芽型の3つの研究のタイプを設けている。研究者と実践者が一緒にステップアップで取り組んで欲しい。
  3. 明確なゴールがぶれないように、初等中等教育での実践に詳しい研究者が主査を務め、学校現場での実践に繋がる視点からアドバイスを行う「ヒヤリング制度」を実施している。
  4. 成果のみならず、プロセスも含め、広く公開することが望まれる。

また今回の採択率が17%であり、科学研究費よりも競争率が高かったことを伝え、その中、選ばれたことを理解し、実践研究に励んで欲しい旨のエールを贈り、お話しを締めくくられました。

 ◇ 今回の応募数および採択数 ◇

 応募総数 29件 中 採択数 5件 採択率17%

・普及型   応募数11件 中 採択数2件
・モデル型   応募数 6件 中 採択数1件
・萌芽型    応募数12件 中 採択数2件

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プレゼンテーション

先導的実践研究助成」は、研究の性格により、普及型、モデル型、萌芽型の3つのタイプを設けています。

プレゼンテーションは、普及型、モデル型のグループ,萌芽型の2つのグループで実施しました。
助成者の皆さまからお一人15分間のプレゼンテーションを頂戴した後、主査の先生方から学校現場での実践に繋がる視点からのアドバイスを頂戴しました。
このアドバイスは、最終の具体的な成果物が、より初等中等教育学校現場に資するものとするためのものです。

グループ1
主査:木原俊行氏(大阪教育大学教授)、黒上晴夫氏(関西大学教授)

稲垣 忠
東北学院大学 准教授
稲垣 忠
モデル型
「集めてまとめる」情報活用を支援するデジタル教材と
授業モデルの開発

 
篠田 信夫 篠田 信夫
福島大学 教授
普及型
新学習指導要領に対応する定点・気象観測学習キットと
教材作成ワークベンチのパッケージ開発
 
平嶋 宗
広島大学 教授
平嶋 宗
モデル型
作問学習支援システムの実践活用モデルの作成
 

グループ1
主査:堀田龍也氏(玉川大学教授)、吉崎静夫(日本女子大学教職教育開発センター 所長)

高木 正則 高木 正則
岩手県立大学 講師
萌芽型
農作物の成長過程と農作業の記録を可能とする農業体験
学習支援システムの開発
 
正高 信夫
京都大学 教授
正高 信夫
萌芽型
発達障害に悩む児童のための汎用性のある日本語学習
ソフトの開発
 

いくつかのプレゼンテーションをご紹介致します。

福島大学の篠田教授福島大学の篠田教授は「新学習指導要領に対応する定点・気象観測学習キットと教材作成ワークベンチのパッケージ開発」について発表されていらっしゃいました。
この研究は、小中学校新学習指導要領の天気・気象・天体の内容に活用できる実証型、検索型、アニメーション型など様々な形式の教材を集めた「定点・気象観測学習キット」を作成するとともに、新たな教材の作成方法を示したリーフレットを提供することで、教材を工夫しようとする教員を支援し、普及促進をはかるというものです。
研究者と教員の共同作業を通して、定点データを精選し新学習指導要領に即した教材を作成し、教材作成ワークベンチを開発し、教員向けのワークショップを開催し教材を洗練させつつその有効性を検討進めていくとのことです。これまでの教材で課題となっていた「すぐに授業で使えない」「どんなことができるのかわからない」を解決する教材となることを目指しています。

広島大学の平嶋教授広島大学の平嶋教授は「作問学習支援システムの実践活用モデルの作成」について発表されていらっしゃいました。
算数の文章題の作問学習を対象として、(A)児童に複数の単文カードを与え、(B)児童がその単文カードを取捨選択し並べることで問題を作り、(C)システムが作られた問題を診断しフィードバックを与える、といったソフトウェアシステムである「モンサクン」の実践活用のモデルを開発・提供するというものです。
この「モンサンク」の活用は3年間の実践があるものの、その対象校は情報や指導を共有できる限られた学校であったため、一般的な教育現場においても活用されるようはかっていきます。
(1)教科書に準拠した作問課題の再整理 (2)Web アプリケーションとしてのシステム実装 (3)タブレット端末での利用可能化 (4)指導案の作成 が行われる予定です。

京都大学の正高教授京都大学の正高教授は「発達障害に悩む児童のための汎用性のある日本語学習ソフトの開発」について発表されていらっしゃいました。
本研究は日本語のひらがな・カタカナの読み書き学習のためのパソコン用教材ソフト「ことばのがくしゅう」をより精緻なものに開発して、ひとりひとりが達成感を得て学校や社会への適応力を身につけていくことを目的とするものです。
画面上に、見本となる単語あるいは文が、ひらがなあるいはカタカナで提示され、それを子どもが自分自身、キーボード操作により、かな入力で再現することを繰り返して、レッスンを進行させます。
キーボードは画面上にも表示され、進行に応じて、見本刺激の難易度は、高くできるように工夫されていたり、単語練習課題では、語彙の提示が視覚と聴覚同時に行われ、かつ各語彙の意味する内容を写真で表示することが可能となっていたりします。これによって子どもは、課題に取り組むことへの関心を高く保ったままでいられるとのことでした。

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情報交流会
グループ別のプレゼンテーション終了後、再び、全参加者が集まる「情報交流会」を実施しました。
赤堀常務理事 東北学院大学 稲垣准教授

専門分野の異なる研究者の皆さまが、“子ども達のよりよい学びのために”をキーワードに、さらに話題を拡げた情報交換がなされました。
相互の実践研究を刺激、交流させ合い、この1年間、取り組んでいただきます。来年の春には、“初等中等教育学校現場で手にとって活用できる成果”をお届けいたします。どうかご期待ください。
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