実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第36回特別研究指定校(活動期間:平成22〜23年)

練馬区立中村西小学校の活動報告/平成22年度8月〜12月
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セールスポイント

堀田先生の言葉「一人の100歩より100人の一歩を合言葉に!」

 各分科会で研究授業が本格的に進められた。
 今年度は全員の研究授業が予定されている。

5年生 算数 9月30日 堀田先生のご指導
講師の先生も実物投影機を使って

ICTの活用を目的別に分類整理!

 ICTを当たり前に使うようになってきた。そこで、どのような場面でどのような目的で活用されているかを分類・整理した。その結果、授業の中でどのように活用していくかを考えるヒントとなっている。

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ICTの活用を目的別に分類・整理

実践経過

9月21日
 

第6学年 社会「新しい国づくりを見つめよう−新しい時代の幕開け−」

  • フラッシュ型教材を使った学習内容の復習。
    明治時代の資料を提示し、江戸時代との違いを見付け、児童が電子黒板を使って見付けた違いを発表した。

    講師:東京学芸大学特任教授 寺崎千秋先生

フラッシュ型教材を使って
テンポ良く復習
グループで共有した考えを
代表者が発表
電子黒板上に印を付け、分かりやすく

9月30日
 

第2学年 国語「サンゴの海の生きもの」

  • 実物投影機を使って、教科書の写真を提示。
    文中のどの表現から驚きがきたか、指し示している様子を実物投影機で見せた。
教科書の写真を大きく映す 教科書のどこかを分かりやすく

 

第3学年 音楽「曲の感じをとらえて『南風にのって』」

  • 歌うときのポイントを指導。実際にどのように歌っているかを実物投影機を使って確認した。
自分たちの口の開け方を確認

 

第3学年 算数「大きい数のしくみ『10000より大きい数を調べよう』」

  • 教科書の線分図を隠して映し、数の並び方を考えさせた。
必要に応じて、一部を隠す
矢印でどこのことか分かりやすく示す

 

第4学年 国語 「調べて発表しよう『伝え合う』ということ」

  • 事前に撮影した身の回りにあるユニバーサルデザインを提示し、話題の広がりや取材の視点に着目させた。
身の回りにあるものを分かりやすく 授業のねらいは、取材視点に気付くこと

 

第4学年 学級活動「見えにくいってどんなこと」

  • 国語の学習に関連し、本校に設置されている弱視学級担任が学級担任とでTTで授業を行った。コンピューターで眼鏡や拡大読書器の紹介を行った。
まずは見えにくいことの体験から

 

第3学年 国語「『分類』ということ」

  • 教科書の挿絵の猫を児童がそれぞれの観点で分類し、グループで発表し合う中で、友達と自分の分け方の似ているところや違うところを考えた。その後、実物投影機を用いて、代表児童が発表を行った。

    講師:玉川大学大学院教育学研究科教授 堀田 龍也先生

自分で拡大機能を使って分かりやすく発表

10月13日
 

第5学年 体育(保健)「けがの防止」

  • けがが起こりそうな要因について考え、その様子をデジタルカメラで撮影し、電子黒板を用いて発表した。

    講師:練馬区教育委員会指導主事 小板橋悦子先生

撮った写真をプレゼンテーションソフトで
紙芝居風に

11月8日
 

第4学年 総合的な学習の時間「大人への歩み」

  • 自分の成長を振り返り、家族や周りの人とのかかわりの中で成長していることを知り、自分の成長の記録をプレゼンテーションソフトを使ってまとめていく。

    講師:東京学芸大学特任教授 寺崎千秋先生

学習活動に見通しをもって 3人組でお互いの成長を知る

12月3日
 

第1学年 国語「ずうっと ずっと 大すきだよ」

  • 物語文「ずうっと ずっと 大すきだよ」について、大好きな様子が伝わる場所を探し、発表する。教科書の本文や挿絵を実物投影機で提示し、発表内容が明確になるようにした。

    講師:東京学芸大学特任教授 橋本和顕先生

国語ではさし絵が大切な読みのてがかりになる

12月15日
 

第5学年 算数「角柱と円柱」

  • 角柱の面、辺、頂点の構成要素に着目し、角柱の特徴をとらえていく。自分が見付けたことを分かりやすく説明するために、実物投影機を使い、立体を指し示しながら説明した。

    講師:国立教育政策研究所 教育課程調査官 笠井健一先生
       練馬区教育委員会指導主事 小板橋悦子先生

実物投影機の角度を変え、工夫して発表

成果と課題

成果
  • 全員が指導案を書き、研究授業を行うことで、自分の授業について振り返ることができ、授業改善へとつながっている。
  • 教員一人一人が日常の実践を整理し、課題をもって研究会に参加している。研究会の振り返りカードに学んだことを書き、学びを深めている。
  • それぞれの研究授業で講師の先生方から、教科についての特性や授業のどんなところを大切にしていくかご指導をいただき、普段の授業に生かしている。
  • 研究授業の様子や講師の先生のご指導を受け、次の授業を組み立てるときに生かしている。
  • ICT活用を目的別に分類・整理し授業に活用するようになってきた。
  • 講師の先生方のお話から発問の大切さを実感し、指導案に発問を書くようにした 。また、指導案の書き方を再確認した。
課題
  • ICTの活用をさらに子供たちに広げていきたい。
  • ICTを用いた表現と、他の言語活動による表現や教科の特性を生かした表現を組み合わせていく必要があることを考え、表現についての理解を深めていきたい。
 

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

練馬区内で話題に!

 全研究授業を公開で行っている。公開のお知らせは、「黄色い紙の真ん中に斜めの線」が入っている。かなり目立つ。他校の先生から、「きてたよ。お知らせ。」思わず苦笑!

研究授業がたくさん!

 校内研究の授業はもちろん、2年次、3年次、4年次研修の研究授業、練馬区内の教科部の研究授業、都研の授業と研究授業がひっきりなしに行われた。11月は合計で5本。来校者は、100人にのぼった。 忙しすぎる…

2年生 算数 分数 実物で実感しながら、発表は見やすくICTも使う
第6学年 体育 ハードル走 グループでの学び合いはここでも生かされた

講師の先生方の素晴らしさを実感!

 授業の改善するところ、よかったところが分かりやすい。やってよかったな。やってみたいな、これは使えるぞと思うお話がぞくぞく。分かりやすいからこそやる気につながる。
 「今日の講師の先生のお話の中に授業で大切なことのキーワードがたくさん見付かりました。」協議会が終わった後の職員室での言葉です。
 

解説と講評

コメント:玉川大学 教授 堀田龍也先生

 本校の研究は,4月当初,電子黒板の操作に振り回されていたことから,まずは各教室ですべての教員が実物投影機とプロジェクタの組み合わせからICT活用を始め,教員も児童生徒も授業でICTが活用されること自体に慣れることが必要であることを指摘した。これに対応し,本校では管理職中心にICT環境の整備に腐心し,1学期中に環境が整い,すべての教員がICT活用を始めた

 2学期は,とにかく多くの授業実践が行われた。それぞれの授業では,あくまで教科 等の目標の達成が第一義であり,そのための理解促進の道具としてICTがあることが繰り返し確認された。各教科等の実践研究を進めている第一人者を講師に迎え,その教科等での授業づくりの基本を確認しながら,ICT活用が望ましく機能する場面を探っていった。2学期の後半からは,2月に行われる中間報告会に向け,学習指導案の精査に入ったが,この作業が普段の授業の中でのそれまでの数々のICT活用経験が活かされることにつながり,学習指導案の議論はたいへん充実したものとなった。このプロセスで整理された,授業過程とICT活用の対応関係を示した図は,本校の教員の間でよく参照される共通基盤となった。

 本校では,各教科におけるICT活用の経験値を高める段階を過ぎ,経験をもとに整理する段階にある。2月の中間発表会でも,この整理の結果をもとに授業公開がされる見込みである。3学期に向けての本校の研究の次なる課題は,ICT活用を豊富に経験した自分たちの到達したICT活用のポイントを,特別研究指定校としていかに周囲の学校等に広げていくかということにある。中間発表会の総括をする際に,次なる課題に向けて舵を切ってもらいたいと願うところである。

 
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