実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

活動情報/第34回特別研究指定校活動情報/第34回特別研究指定校

坂出市立府中小学校の活動報告/平成21年度8〜12月
前へ 次へ

セールスポイント

  1. 研究授業で実践
    研究大会を開き、これまでの実践を踏まえた研究授業を行った。

  2. ICT活用マニュアルの作成・発表
    教師がそれぞれに行ったICT活用をレポートにまとめた。それをICT活用マニュアル集としてまとめていたが、それをさらに増やし、学年ごとに仕分けしてCDや冊子にしたりしてまとめた。

  3. 児童・教師の意識調査を通して成果を評価
    アンケートをとり、これまでの取り組みを評価した。

実践経過

8月
  • 9月に行われる校内研究会に向け、全員指導案を作成。部会ごとに研究を進める。
9月
  • 校内研究会にて、全教員がICTを活用した研究授業を実施。
    (香川県西部教育事務所、坂出市教育委員会視察)
10月
  • 研究授業を行う。(2年算数「かけ算」)(指導者 香川大学 佐藤教授)
11月
  • 12月4日行われる研究大会に向け、準備。ICT活用マニュアルをまとめていく。これまでの活用を学年ごとにまとめた「府中小オリジナル活用マニュアル集」を作成した。

  • 児童・教師の意識調査も行いこれまでの実践を評価した。

  • 外部講師(京都教育大学 浅井和行教授)による訪問
    アドバイス研究大会で行う4本の授業について指導案検討会を開きアドバイスをいただいた。
写真1
12月
  • 研究発表会開催
    研究授業や本校教師によるICT活用ポスターセッション、また企業によるプレゼンも行った。
    • 授業
       1年算数「ものとひとのかず」
       2年算数「三角形と四角形」
       4年音楽「お祭りや民謡めぐり」
       6年家庭科「楽しい食事を工夫しよう」





    • ICT活用ポスターセッション
      本校教員や元教員がデジカメ・実物投影機・電子ボードの3つのブースに分かれ、ICT活用事例を紹介するポスターセッションを行った。また、その後には、それぞれのICT機器の企業からプレゼンテーションをしていただきより詳しい機器の説明を行った。


    • 外部講師(京都教育大学 浅井和行教授)による講演
      「ICT教育の現状と課題」と題して講演をしていただいた。


  • 1月に行われる「香川の教育づくり発表会」の準備
    発表会に向け、それぞれの部会で打ち合わせを行った。
写真1
4年音楽の授業の様子
写真1
6年家庭科の授業の様子
写真1
写真1
 

成果と課題

  • 2年間の研究のまとめとして研究大会を開くことができた。授業は4本行い、授業をしなかった教員もポスターセッションにてこれまでの活用を参会者に発表することができた。

  • 児童・教師の意識調査をこれまで定期的に行ってきた。その結果より昨年度当初に比べICTを活用した授業が、児童にわかりやすく、そして教師にとってもわかりやすい授業をする道具として浸透しているのがわかる。

  • 教師のICT活用は進んできたが、児童の活用はまだまだ発展途上の段階にある。わかる授業を目指してさまざまな活用に取り組んでいきたい。
(右の画像をクリックすると拡大表示されます。)
  図
図
 

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • 2年間のまとめとして、研究大会を開いた。案内を出し始めても、なかなか参加者が増えずどうなることかと思ったが、当日が近づくにつれて参加希望が増え、当初目標の2倍近く100名になった。遠くは秋田や広島から、またバスをチャーターして岡山県からの参加もあり、これまでの成果をみていただくことができたのは何よりもうれしかった。
  • 研究大会で授業を控えたクラスがインフルエンザの流行により学級閉鎖。授業が進まない、当日は授業できるの??という状況のなか、なんとか授業が成立し、ほっとした。
  • 教員全員一人一役必ず表舞台に!を実行できた。
 

解説と講評

コメント:京都教育大学 教授 浅井和行先生

「教職員みんなで取り組んだ2年間」

 本校の本期間(8〜12月)のセールスポイントに沿ってコメントする。

(1) 研究授業で実践
 12月4日の公開研究会では、2年間のICT活用研究の成果が発表された。ICTを活用した様々な教科の授業が公開され、その後ICT活用のポスターセッションが行なわれた。
 校内研究において、はじめはICTの「大きくうつせること」を生かした授業が行われていたが、しだいに「動画活用」「ネットワークの活用」と研究が深まっていった。最後である今回の公開研究会では、ICT活用研究の目標の一つである「子どもがICTを活用し、主体的に学ぶ姿を求める」ところまで到達した。

(2) ICT活用マニュアルの作成・発表
 本校の魅力を述べるとき、常に「教職員みんなで」ということに触れてきた。実践研究を行う際、本校には一つのことをみんなでつかんでから次に進むという確かな歩みがあった。最後の訪問でもこのことを実感することが出来た。公開授業と総括講演の前のワークショップで、すべての教師が自分の行ったICT活用について発表したのである。これまでの実践を「ICT活用マニュアル集」にまとめ、それをさらに学年ごとにCDや冊子に仕分けして、来校者に配付した。これらの成果物は、本財団の研究助成をこれから受けようとする学校にも参考になると思われる。

(3) 児童・教師の意識調査を通して成果を評価
 学力状況調査を行って県に報告するだけでなく、そのデータを学校独自で分析したり、アンケート調査を行いこれまでの取り組みを評価したりしていた。教育実践の成果を常に客観的なデータを根拠として振り返ろうとする真摯な姿を2年間見ることができた。このICTを活用した教育に対する真摯な姿勢が保護者に伝わり、前回報告した地域・保護者による全ての教室への液晶プロジェクタや実物投影機の配置が実現したのである。
 
戻る 次へ
坂出市立府中小学校の基本情報へ